こんばんは、ななせです♪
先日、KATOより東武8000系に関するアナウンスが出ましたね。
発表前は「本線仕様らしい」と噂がちらほら出ていましたが、
転属歴の多い編成を選んでいることから同時代性を無視すればおおよその路線をカバーできるようで…
私は8000系というと、どちらかと言えば原形/初期修繕車(いわゆる「丸目顔」)の方が好きなので
プロト通りの3編成に加え、東上線にいた初期更新車の相方用に数編成を予約。
*8108F(リバイバルカラー)とか8112Fの相方として
そのため、まだ見ぬ原形/初期修繕車を見越した先行投資という意味合いが強いですね。
さて、今回は話題沸騰中(?)東武8000系にあやかって新たに導入した
丸目顔の車両についてお送りいたします。
紹介するのは、マイクロエース製「東武5070型 新塗装 6両セット」です。
定期的に製品化しているMA製の5000系シリーズ、前回は量産第一陣である5000系に対して
今回は最終量産グループの5070系。
登場時期が8000系後期車やSUS車と同じくらいということもあって
8000系の初期修繕車に近い外観や新型車両のような車内設備になっています。
製品名に「新塗装」とありますが、当製品のプロトである5182Fを含む後期3編成は
この青帯塗装で竣工しました。
*5181・5182・5183F
セット内容はこんな感じです。
当区では基本的に4+2連の分割編成しか持っていないため
何気に6両貫通編成は初めてだったりします。
編成内容は先程チラッと触れた、新塗装で竣工した5182F。
車両番号は下記の通りです。
←柏
クハ5182 ←クハ873
モハ5282 ←モハ7873
モハ5382 ←モハ7879
サハ5482 ←クハ879
モハ5582 ←モハ7882
クハ5682 ←クハ882
→大宮/船橋
東武5000系は、1979年に登場した7800系列(以下、78系)の主要機器類を流用して
8000系ベースの車体に載せ替えた20m級吊掛モーターの更新車です。
大別すると3形式存在し、それぞれの大まかな特徴は…
・5000系:初期製造グループで4連と2連が存在、登場当初は非冷房
・5050系:5000系の改良型(組成内容や台車など)、登場時より冷房搭載
・5070系:後期製造グループ、全て6両貫通編成
となっています。
5070系は一部の編成が本線(春日部検修区)に所属している以外は全て野田線(七光台検修区)に配備され、
館林/新栃木や森林公園(東上線)への配備や転属はありませんでした。
それでは、前面から見ていきましょう。
両隣には前回品である5000系と前々回品の8000系を並べてみました。
8000系(新製冷房セット)から前面の印象把握は大幅に改善されており、
その形状は5000系列にもしっかりと反映されています。
5070系は8000系初期修繕車と同じく助士席側の窓に手動ワイパーを付けているのが特徴。
…とはいえ、こちらに関しては8000系(原形)の前面金型を流用しているため
印刷表現になっており、黒い塗装と相まって存在感が薄いです。
*正しいワイパーの色は銀色
当区では別パーツ化を予定してますから、下手にモールド化しているよりは
印刷の方が都合良いかもしれませんね。
前面を8000系のままにしてしまうと、前回品である5000系の方は
行先方向幕上の出っ張り部分の緩いRが違和感になってしまいます。
*5000系はアンテナ交換済み
5000系のみ全ての車両が津覇車両で更新工事を受けているため、
本来ならば3000系列と同様に緩いRは描かず直線状になっているのが正しい形状です。
5050系や5070系(先頭車)はアルナ工機や富士重工で更新してますから、
今回は8000系のままでも(この点に関しては)クリアしています。
*5070系も、中間車の一部は津覇車両にて施工
5070系を導入する際、知人は「8000系みたいに腰高なのは…」と心配していたのですが、
これに関しては前回品の5000系から改善されており、違和感はありません。
違和感があるとしたら…前面補強板の回り込みと、乗務員扉下部把手の存在ですね。
前面補強板は乗務員扉の脇まで回り込んでいるのが大半であり、
製品のように前面Rで止まっているのは8000系初期車を始めとした少数派です。
*東急製(8000系)のように補強板の段差が無い変わり種編成もいますが…
乗務員扉に関しては、窓枠にバランサーが取り付けられており
これは8000系初期修繕車より先に登場した5070系が初めて採用しました。
ただ、扉の下にある把手については8000系92年修繕グループ以降と森林公園所属の初期修繕車
(8108・8111・8112F)が後年に取り付けたものですから、5000系列にはありません。
この辺については8000系新前面セットの金型流用と見ていいでしょう。
台車を見ていきましょう。
住友製のFS10です。
改造種車である78系の流用品であり、5000系(登場時)は種車のまま使用していたのに対して
5050・5070系は細部に変更が加えられています。
*5000系も後の冷房化を含む更新工事で同様の形態に改造
78系との差異は、ブレーキシリンダーの位置と車軸です。
ブレーキは78系と5000系(登場時)は車体ブレーキでしたが、
5050系以降は台車ブレーキに改造しました。
また、車軸は密閉式のベアリングからローラーベアリング(RCC)化しており
鉄コレとは違いMAの5000系シリーズはこれらの特徴をしっかりと押さえています。
5000系(写真上)との簡単な側面比較です。
ちなみに当区の5000系は非常知らせ灯と乗務員扉下部把手を撤去しています。
ただ、5000系列(~5177F)においては、戸閉灯と知らせ灯の中間くらいの位置ですから
厳密には知らせ灯を撤去しただけではエラー解消になりません。
*側面方向幕こそなけれども、3000系や8000系(原形)も同様
ここでの特徴は、ドア窓の支持方式と車側灯。
ドア窓については5000系のみがHゴム(のちにアルミ押さえゴム)であるのに対して、5050・5070系は
アルミ枠支持であるため、ドア回りはスッキリしています。
また、車側灯は5070系5178F以降の編成は8000系修繕車と同様に
戸閉灯の下に非常知らせ灯を設置しています。
他に、当製品は全ての車両に優先席がある晩年の姿をプロトにしているため
5000系とは異なりシルバーシートステッカーはありません。
先頭車に取り付けられている電動空気圧縮機(CP)。
8000系後期車/修繕車(一部)と同じく、HB-2000CAを装備しています。
KATOから8000系発売予定のアナウンスが出た際、友人たちの間で
「編成によって床下機器が異なるってどういう事?」と話題になりました。
東武の車両で「床下機器の差異」と聞いたら、まずMGとCPの種類/配置方向を気にしてください。
今回はCPがHB-2000CAで、レール方向に配置。
これが判ったら…次は元空気ダメ管の数ですね。
上記の場合、8000系であればCPの脇に2つあるハズなのですが…
5070系クハ5170形においては、反対側に設置しているだけでなく
設置方向も8000系とは違い枕木方向ではなく、レール方向に付いています。
これは8000系だと見られない特徴ですね。
ちなみに元空気ダメの個数は法則通り2個配置ではあるものの、
奥に並んでいるハズのもう一個はオミットされています。
ちなみに5000・5050系では、D-3-FRを設置しています。
これに関しては元空気ダメ2つであり、2基集中配備している4連の中のサハ5200形は
クハ5170形と同じく反対側に空気ダメ管があります。
続いては中間車を見ていきましょう。
まずはパンタグラフを2基装備するモハ5282号車(写真手前)です。
奥にあるTN化済みの車両は5000系モハ5301号車。
5050系以降の車両はMT配置を8000系に合わせている一方で、5000系では
種車の78系と同じMc-T-M-Tcといった配置にしています。
そのため、上り方から数えて3両目にパンタグラフ装備のモハを組み込んでいるところが
5050・5070系や8000系との識別点になります。
*8000系:Tc-M1-M2(-T-M)-Tc (ユニット構成)
*5050・(5070)系:Tc-M-M(-T-M)-Tc (単にモハが連続しているだけ)
当製品で目を引いたのは、避雷器の形状です。
前回品は四角いカバーの付いたタイプだったのに対して
今製品では丸いカバーのものになっていました。
この部分は編成や車両によってバリエーションがあるだけでなく、
MA製の丸カバー避雷器は造形が良いと思います。
屋根配管については、1位側の空気作用管が2位側の線対称になっているエラーが
よく指摘されていますよね。
そのほか、5000系ではパンタ間を繋ぐ高圧引き通し線がオミットされているだけでなく
上り方妻面には無いはずの高圧配管が通されています。
引き通し線に関しては明確な資料は無く、通風器を避けるときに配管が盛り上がっているのか、
それともクーラーキセを這っているのか…。
製品概要でも紹介されている、制御器の比較を行います。
5070系は、78系の中でも7820系(後期車)・7870系といった比較的新しい車両を
改造種車にしているため、制御器が5000・5050系の日立製に対し5070系は東洋製です。
*日立製(写真下):MMC-H-10E
*東洋製(写真上):ES-567A
(模型的に)動力ユニットが入っている車両でもメッシュ部分の作り込みは細かく、
形式ごとに違いを再現しているのは素晴らしいと思います。
8000系モハ8200形(写真奥)との比較です。
発売予定のKATO製8000系で気を付けるべき点の一つに、「屋根通風器の数」があります。
8000系では、客室換気用(サイズ小)と主電動機冷却用(サイズ大)の2種類があり、
修繕グループによっては小さい方の客室通風器を撤去しています。
*5050系(霜取りパンタ増設車)にも同様の変化が見られます
対して、5000系列は主電動機が自然通風冷却式であるため
サイズの大きな主電動機冷却用の通風器は設置していません。
*鉄コレのシークレットである5555Fを再現する場合は色々と厄介で…
こちらは弱冷房車であるモハ5382号車。
弱冷房車のステッカーがあることからも、晩年仕様であることが窺えます。
当区では最初、弱冷ステッカーを剥がして先頭車にシルバーシートステッカーを貼ろうと
考えていたものの、春日部で顔を合わせる営団08系との絡みを想定してこのままでいいかな…と。
*どのみち5182Fは春日部区(本線;5175-77F)ではなく七光台区(野田線)が新製配置ですし
付随中間車であるサハ5482号車。
5000系や5050系ではクハに相当します。
サハ5470形では、妻面貫通路にステンレス製の両開き引き戸が付いています。
ただ、これに関しては全編成に施工されたわけではないため、
5182Fにも該当するかどうか調査しなければいけませんね。
6両貫通編成に組み込まれる、単独M車であるモハ5582号車。
分割編成だと、モハ(Mc)5500・5550・8500形に相当します。
避雷器をよく見ると、先程のモハ5282号車とは異なり
四角いカバー付きのモノになっていて、実車通りの作り分けがされています。
パンタグラフは登場時より金属集板(ブロイメット・スライダー)であるため
集電舟のホーンは2本になっています。
*5000系はカーボン製で1ホーンだったのを、後年に金属化しています
最後は下り方先頭車のクハ5682号車。
CP・MGを搭載しているため、床下機器は賑やかです。
5000系列は、8000系後期車や6050系でも使用しているブラシレスMGである
CLG-704/703を冷房用電源として用いています。
*車番下にある丸いモノです
この辺の作り分けなどはMA製品の強みだと思いますから、
やはり車体の方も頑張ってほしいですね…
クハ5682号車のCP。
先述したクハ5182号車と同様のHB-2000CAがレール方向に設置されています。
レール方向に設置されているということで、元空気ダメの個数も
しっかり2個になっているのは法則通りです。
最後に点灯チェック。
光源はLEDを用いているハズなのに、前照灯は豆電球かと言いたいくらい
キツいオレンジ色をしています。
ちなみにテールライトの方は5178F以降だと実車でもLED化されているため
もう少しハッキリ光らせてもいいのかな…と。
比較用に、前回品と前々回品でも点灯チェックを。
8000系はまだしも、前回品である5000系は白味の強いレモンイエローになっているのに
どうして今回の5070系でまたオレンジ色に戻してしまったのでしょう…?
ということで、改善してみました。
*写真は加工前
ライトユニットは、光源がいずれも側面発光の白色LEDであり
灯火類と方向幕用のライトも兼用しています。
ですから、電球色LEDにしてしまうと方向幕まで電球色になってしまうことから
導光プリズムが透明なのをいいことに色味を変えました。
分解すると、写真のようにオレンジ色がしっかりと塗られているため
このオレンジ色の部分を落として、ブラウンのマッキーで「発光部のみ」を薄く塗りました。
ビフォーアフターです。
写真で見ると色が薄くて白っぽくなってしまっていますが、普通に走らせている分であれば
ハイビームしたような白味の強い電球色になっていると思います。
今回はLEDを交換するといった作業を必要としないため、
ライトユニットの取り外しに気を付ければかなりお手軽に改善できます。
*「スーパー自己責任」でお願いします
ということで、以上がマイクロ製東武5070系に関する話題でした。
今後は乗務員扉下部把手の撤去やワイパーの別パーツ化などを行い、
可能な限り5070系に近づけていくつもりです。
東武5000系シリーズは現状ではMAがリードしており、下回りの作り込みはパッと見でも
「5000系列だ!」と判るくらい良く出来ていると思います。
ただ、下回りが良く出来ている反面、車体は8000系のままというのが非常に勿体なく
今後も5000系列を展開していくなら車体の方も再現して欲しいところです。
それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪