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阪急2200系、形式名だけ見ると2000系の姉妹車のように見える。

実際、1200系は機器流用車とはいえ車体自体は1000系列そのままだし5200系はれっきとした5000系列に属している。8200系も車体構造が少し違うだけで8000系の仲間だし7200系ももとは7000系だから7000系列といっても差し支えない。


しかし、2200系だけは違う。


実は、「2200系」という形式は2000系ではなく6000系・7000系の仲間である。



【2200系:阪急6000・7000系列のプロトタイプ】
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c#6050(竣工時c#2250・現在のc#7090:2016年神戸線武庫之荘駅にて)

1975年、それまでの車両とは大きく異なるデザインの車両が阪急に登場した。それこそ、2200系という形式である。 

この形式に課せられた使命というのが「電機子チョッパ制御」の長期実車試験、チョッパ制御を採用することにより2000系・2300系以来搭載されていなかった「回生ブレーキ」がふたたび阪急車両で使用できるようになり従来車両と比較して省エネルギー化を果たすことが可能となった。


[2200系:形式解説]

※形式区分における「〇〇番台」は該当形式との違いを説明するために便宜上つけたもの。書類上は「〇〇形」として説明される。

2250形:2200系は両方の先頭車が付随車という1000系以来の組成方式(先頭車のうち少なくとも片方は電動車)から大きく異なる方式を採用しており、梅田方に「2250」、宝塚・新開地方に「2251」がそれぞれ連結された。両先頭車が付随車になっている形式は2200系を皮切りに6300系(50番台)、1000系(2代)、1300系(2代)の3形式のみであり、国鉄・JR東日本の通勤形電車でお馴染みの「制御付随車+中間電動車・中間付随車」の組成が阪急でなかなか定着しなかったことが窺えるであろう。

2700形・2701形:2200系の制御方式は「電機子チョッパ制御」、2700形にはパンタグラフとチョッパ制御装置が、2701形には電動発電機・空気圧縮機がそれぞれ搭載されており1C8Mの2両1ユニットを採用している。2250の次位に2700と2701のユニット、2251の次位に2710と2711のユニットがそれぞれ配置されている。

2750形:阪急2200系は8両固定編成として竣工したため、4・5両目にあたる車両は中間付随車「2750形」を連結している。初めから2750形として製造された車両はFS-069A付随台車を使用している。

2700形・2701形20番台:1985年に追加製造された2200系は、チョッパ制御ではなくGTO-VVVF制御装置を搭載した車両となっている。この2両はチョッパ制御よりも環境性能に優れたVVVF制御方式の長期実車試験を目的に製造された車両であり、2720と2721は同一機器を搭載(違いはパンタグラフの有無のみ)という特殊な車両である。

2750形60番台・70番台:1992年の電機子チョッパ制御実車試験終了伴い2700形・2701形はそれぞれ電装解除を行う改造を受け2750形に編入された。また、1995年の阪神・淡路大震災発生後に電装解除された2720、ならびに廃車された2721の一部機器を使用して製造された中間付随車にも書類上この番台が割り当てられている。そのため2750・2751以外の2750形は全てFS-369A電動台車を使用している。



[2200系の現況]
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 c#7190(竣工時c#2251:2019年、今津線西宮北口駅にて)
 
1995年の阪神・淡路大震災では、今津線宝塚〜宝塚南口間を走行していた2250編成(2250-2720-2721-2251)が地震に遭遇し当時相方だった6025編成ともども脱線、これにより2721は修理不可能と判断され阪急全体で発生した震災廃車3両(3109・2079・2721)の1両になってしまった。代替車両として台車など一部機器を再利用した「2772」が製造されたものの、2720もユニットを組む相手がいなくなったことやVVVF機器の損傷により付随車「2762」に改造、電動車がいなくなったことにより形式を保てなくなった2200系は全車両が6000系(2200形→6050形・6150形、2750形→6750形)に編入され6000系・7000系の編成に組み込まれて運用にはいることとなった。

先頭車:6050・6150として2019年まで神戸本線で使用されてきたが、現在は7000系(7090形・7190形)に再改番され今津線(宝塚〜西宮北口:中間電動車・相方は7005編成・7005編成由来中間電動車)で使用されている。詳細はのちの記事にて記述する。

中間車:中間車は6000系の編成に分散組み込みされ、6両編成の8連化や中間車の他編成転用に伴う穴埋めに使用された。そのため組成場所が安定していない。
6750・6751→阪神・淡路大震災発生当時この2両は7026編成に組み込まれており、その後6012編成の8連化の際不足する中間付随車を補うため転用された。2018年1月に6012編成そのものを伊丹線に転用する際に中間付随車を全車脱車、1985年製の中間付随車2両は能勢電鉄7200系7201編成の中間車に転用されたものの1975年製の6750・6751は転用されずに廃車・解体された。
6760→阪神・淡路大震災発生当時は6010編成に組み込まれており、その後6010編成の3連・ワンマン化工事を施工された際に編成から脱車、6014編成の6614が抜けた穴を埋めるように組み込まれた。このため6014編成は大阪梅田方2両を電動車ユニットとした4両編成となり、現在は箕面線で使用されている。
6770→6010編成の3連化・ワンマン化工事施工の際中間付随車の供出元となった6007編成に6010編成の中間電動車ごと組み込まれた。 現在はリニューアル工事施工を経て宝塚線の運用に入っている。
6761・6771→阪神・淡路大震災発生当時から現在まで6011編成に所属、6750形としては数少ない能勢電鉄乗り入れ対応車となっている。 
6762・6772→2750形としては運用に入ることなく6750形に編入され7020編成、のちに6015編成に組み込まれた。 同編成も現在は宝塚線に所属しており6007編成と同じリニューアル工事の施工を受けている。


各車両の組み込み編成に関しては各形式の項目で紹介していく。

まえ


もくじ


つぎ

 
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