世界を代表するファッションデザイナー、山本寛斎氏が去る7月26日、鬼籍に入られたとのニュースがありました。もっとも、実際に亡くなられたのは同月21日ということです。

 

山本寛斎氏死去 76歳 急性骨髄性白血病 娘の山本未來が報告
7/27(月) 12:46配信

ファッションデザイナーの山本寛斎氏が、今月21日に急性骨髄性白血病のため亡くなったことが分かった。76歳。娘の女優・山本未來(45)がインスタグラムで報告した。所属事務所も同氏のインスタグラムで発表した(後略)

 

Yahoo!ニュースより)

 

管理人はファッション、特に服飾その他アパレル関係は全くの門外漢ですが、それでも寛斎氏がそこで大きな地位と名声を得た「レジェンド」であることは十分に承知しております。

しかし、鉄道趣味系ブログである当ブログが、そのような人物の訃報を取り上げるのは、こういうことがあるから。下の2枚の写真をご覧ください(いずれも以前の記事からの転載です)。

 

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現在「成田スカイアクセス線」を走っている、3代目「スカイライナー」の2代目AE形は、山本寛斎氏のデザインによるもの。車体側面の「SKYLiNER」とSの筆文字も、寛斎氏のデザインです。

それだけではなく、寛斎氏は、京成電鉄の駅員・乗務員らの制服のデザインも手掛けていました。

制服のデザインなら、寛斎氏の主戦場であり得意分野ですが、鉄道車両のデザインは「工業デザイン」(インダストリアルデザイン)であって、本来であれば全くの畑違いのはず。しかし寛斎氏は、その違うはずの畑の垣根を易々と乗り越え、このような素晴らしい車両を世に出しました。これまでどこか「ダサい」「イケてない」雰囲気が色濃かった京成が、一転して「カッコいい」「おしゃれ」な雰囲気になったのは、この車両、そしてこの車両を生み出した寛斎氏の功績です。

 

そのことは京成の中の人もよくお分かりのようで、訃報に対し会社としてコメントを発表しています。

 

山本寛斎さん死去、京成電鉄が追悼コメント発表「当社の発展に大きなお力添えを頂戴しました」
7/27(月) 18:35配信

ファッションデザイナー山本寛斎さん(享年76)が21日、急性骨髄性白血病で死去したことを受け、京成電鉄が27日、追悼コメントを発表した。寛斎さんは、車両の内外装やロゴのデザイン、乗務員らの制服をてがけていた。

同社HPのトップ画面で(管理人注:08/02現在では消去されているようである)、寛斎さんの訃報に触れ、「ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます」と哀悼の意を表した。「山本寛斎氏に3代目スカイライナー(AE形)の内外装および乗務員・駅員の制服をはじめ、スカイライナー各種ヘッドマークのデザインを手掛けていただくなど、当社の発展に大きなお力添えを頂戴しました」と説明し、感謝。

「今月17日に開業10周年を迎えた成田スカイアクセスのためにデザインしていただいた『10周年記念ロゴマーク』への山本寛斎氏の強い思いを受け、『世界への扉』としての空港アクセス輸送を更に発展させるべく、より一層邁進して参ります」と結んだ。

 

Yahoo!ニュースより)

 

「スカイアクセス10周年」の記念ヘッドマークまでデザインしてくださっていたのですね…。

鉄道の世界でも大きな足跡を残された、不世出のファッションデザイナーを惜しんで。

どうぞ安らかにお眠りください。