予告通り今回は『HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス』(長ったらしい名前なので以下『6日間パス』と表記)の旅です。

7月の4連休初日である23日から同パスの利用開始となりましたが、幸いにも(?)私も4連休で休める事になったので、さっそく初日から利用させて頂きました。

 

 

 

何といってもこの6日間パス、特急自由席乗り放題、指定席も4回まで利用可で¥12000という破格さには驚かされました。コロナ禍で乗客減に苦しむJR九州と四国がそれぞれ『みんなの九州きっぷ』『四国満喫きっぷスペシャル』の発売を相次いで発表し、北海道にも同様のきっぷがあれば…と思っていた処でそれらよりも破格でコスパに優れた商品を発売したものだから、テツの間では話題騒然となったモノです。

何といっても1日あたり¥2000で特急乗り放題、6日間まるまる利用しなくても区間や列車によってはRきっぷや『えきねっとトクだ値』などでの利用で往復するよりも安く移動できるのだから、様々なニーズに対応できるまさに『神切符』なのです。

 

しかし、6日間パスは通常価格を¥24000と設定している処を、北海道の『ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン』補助金を活用して半額で提供するのであって、来年1月まである発売期間であっても予算が消化され次第終了となってしまいます。当のJR北海道の社長も夏までの需要は満たせるのではないか…と言っていた位ですから、もしかすると8~9月中には販売終了になる可能性も…?(※コロナの感染拡大状況によっては予告なく発売中止という事も考えられる)

道内テツの私から言わせてもらうと、補助金の財源は道税なので、販売価格も道民とそれ以外で差別化して頂きたかったという思いはありますが、道民だけでは集客に限界があるので、使用開始1日前までの発売なら前夜に前乗りすれば購入できるのでそうやってバランスを取っているのでしょうか。今後もこのパスを利用して乗り鉄しに道外の方も多数いらっしゃるかと思いますが、ここにきて首都圏などで新型コロナ感染者が爆発的に増加しているので、それでも来道される方はマスク着用、手洗いの励行、ソーシャルディスタンスを保つなど、ありとあらゆる感染予防対策をとにかく徹底的に行って頂きたいです。

※もちろん私もできる限りの感染予防対策を実施した上で出掛けております。

 

この6日間パスは青春18きっぷと異なり、普通列車が少ない区間でも特急に乗れば効率的に廻れるため、先に発売開始された『北の大地の入場券』を列車で買い廻るには大変便利であって、今回私はその収集旅を兼ねて6日間パスのメリットを享受する旅に出掛けて参りました。今回は初日前半の行程を紹介します。

 

いつもながら前置きが長くなってしまいましたが、ここから本題。

7月23日早朝5時半の札幌駅(北口)。残念ながら4連休は初日からどんよりとした曇り空のスタートとなりました。

早朝から移動するにあたり、始発が動いていない学園都市線は利用せず、自宅からはマイカーで移動して駅近くのコインパーキング(できるだけ最大料金の安いトコ)に駐車しました。

 

 

 

今回の旅で最初に乗るのが当駅を最も朝早くに出発する特急列車である6:00発の函館行2D北斗2号(列車全体としては5:50発3820M快速エアポート50号が最も早い)。

何せ、4連休も暦通りに休めるかどうかも直前まで決まっていなかったので、旅の計画も事前に立てておらず、長距離乗車の乗り鉄旅と細切れ乗車となる収集旅をどう両立させるか悩みましたが、この日はまず函館まで一気に進む事にします。

 

 

 

5:40の営業開始とともに改札が開始され、4番ホームに停車中の北斗2号に乗り込みます。今や3往復のみとなった振り子式キハ281系による運用です。朝イチの始発なので、指定席は取らず最後尾7号車の自由席車に席を確保。

 

今回の旅では全ての列車において編成表を控えておきました(☆は今回乗車した車両)

函館←①(指)キハ281-5 ②(指)キハ280-104 ③(G)キロ280-1 ④(指)キハ280-103 ⑤(指)キハ280-3 ⑥(自)キハ280-101 ⑦(自)キハ281-902☆→札幌(全車函ハコ

 

 

 

7号車自由席キハ281-902の車内。他形式と異なり、281系で自由席に使用される車両はグレードアップ座席への交換は行われていないため、オリジナルの青い平織り生地のシート(座席の形状は785系原形と同型)が並びます。281系らしさを味わうにはやっぱり自由席に乗っておくべきでしょう。

最前部(函館方)のリネンの掛かっていない座席1BOX分は荷物置き場として使用されるため、着席はできません。

 

 

 

最後尾側から編成全体を撮影。試作車の貫通扉窓は天地寸法が量産車より小さいのが特徴。

今回乗車したキハ281-902はJR北海道では珍しい日車製で、民営化後に導入された車両はこの281系のみ。

 

 

 

281系はJR北海道として初めてローレル賞を受賞した車両で、キハ281-902車内の妻壁には記念プレートが誇らしげに付いていました。

 

 

 

北斗2号は6:00に札幌駅を発車します。函館本線下り普通列車では唯一旭川まで直通する921Dと同時発車ですが、キハ40形の2連なので並走どころか全く足元にも及びませんでした…。

 

 

 

北斗2号はやはり6日間パスの利用者が多かったと思われ、次の新札幌で7号車の窓側席は全て埋まってしまいました。

 

 

 

冨浦駅付近の太平洋岸ですが、相変わらずどんよりとした空模様。並行する道路のアスファルトが濡れています。

 

 

 

東室蘭駅の手前にある東室蘭操車場に、北海道内をクルーズトレインとして運行する東急(伊豆急)の『THE ROYAL EXPRESS』が留置されている姿を目撃しました!

この日の未明に道内入りし、早朝に東室蘭に到着したとの事です。

私は乗りたくても乗れない列車に関してはあまり興味を持てないので甲種回送をわざわざ撮り鉄する気にはなれませんが、このタイミングで目撃する事ができたのはちょっと嬉しいですね。車窓からの撮影なので画像が不鮮明なのはご容赦ください。窓が開くキハ40の普通列車からだとバッチリ撮れたでしょうね。

 

 

 

森の手前の内浦湾。残念ながら対岸に見えるハズの駒ヶ岳は厚い雲に隠れてしまっています。

 

 

 

駒ヶ岳経由の山間部を抜け、大沼公園を出ると大沼が見えてきました。

 

 

 

仁山峠から見下ろす函館平野で、遠くに函館山が見えます。この時は少し晴れ間が覗いていました。

北斗2号の旅もいよいよ終盤。

 

 

 

新函館北斗駅で281系の5D北斗5号と交換しますが、先頭7号車はキハ281-901で試作車同士の顔合わせ。貫通扉の窓が小窓になっているので一目で判別できます。

 

 

 

北斗2号は9:29、終着の函館駅に到着。

振り子式の281系でなおかつ登別、洞爺を通過するため所要時間は3時間29分と北斗の全列車中最速を誇りますが、コレは30年ちょっと前の183系最速列車だった北斗1号と同じ(※途中停車駅は東室蘭など3駅のみ)なんですね…。

 

 

 

北斗2号の車両は車内清掃後、10:05発の7D北斗7号として札幌へ折り返します。

 

 

 

せっかく函館まで来たのですが、隣に停車している9:38発1331M新函館北斗行普通はこだてライナーに乗車して七飯駅へ向かいます。

 

 

 

函館から新幹線に乗り継ぐ客はあまりいないようで、乗客は各車両に10名いるかいないか…という少なさ。

1331Mはこだてライナーの編成表は下記の通り。今回は先頭車に乗車しました。

【函ハコ 733系B-1001編成】 函館←クハ733-1001+モハ733-1001+クハ733-2001☆→新函館北斗

 

 

 

9:54、七飯駅に到着。

 

 

 

なぜ七飯駅に来たかというと、『北の大地…』を購入するためだったのですが、みどりの窓口の周囲を見回してもポスターが貼られておらず、当駅で売られているのは『北の40記念入場券』のみ。

一応発売箇所のリストには目を通したつもりでしたが、思いっきり勘違いしていたようです。危なく駅員さんに尋ねて大恥をかく処でした。

 

 

 

40入場券のほうは2月(※緊急事態宣言の前)に購入済み(この時の旅の事は諸事情に付きまだブログにしておりません…)だったのですが、せっかく来たからには何も買わずに去ってしまうのもどうかと思うので1枚だけ購入しました。たったコレだけしか買っていないのに、粗品のポケットティッシュまで頂いてしまいました(^_^;)

待合室のベンチにはソーシャルディスタンス(最早今年の流行語ですね…)のステッカーが貼られています。

 

 

 

 

七飯からは10:15発の1332M函館行普通はこだてライナーで函館へ戻ります。

『北の大地…』を購入するなら七飯ではなく新函館北斗へ行くべきでしたが、奥津軽いまべつを購入する際はどっちみち北海道新幹線に乗らなければならないので、その時でも良いかと…。

車両は先程乗ってきた編成の折返し運用で、今度は函館寄り先頭のクハ733-1001に乗車しました。

 

 

 

10:30に函館駅に到着後、すぐに改札を抜けて『北の大地…』を購入するためみどりの窓口に並ぶのですが、いつもながら混雑しており、3つある窓口も2つしか営業していなかったので購入するまで10分位待たされてしまいました。この混雑、何とかならないモノでしょうか?

 

 

 

ようやく購入した『北の大地の入場券』。函館駅の図柄はこの後乗車するキハ261系1000番台車で、裏面には道南いさりび鉄道の国鉄急行気動車色に塗られたキハ40 1798の写真が添えられています。

 

 

 

函館からは徐々に北上しながらの収集旅となります。

10:47発の9D札幌行特急北斗で大沼公園に向かいます。

 

 

 

先述の通り、北斗9号はキハ261系による運用。

①(G)キロ261-1111 ②(指)キハ260-1111 ③(指)キハ260-1315 ④(指)キハ260-1310 ⑤(指)キハ260-1406 ⑥(自)キハ260-1208 ⑦(自)キハ261-1208☆(全車函ハコ

 

 

 

 

3月ダイヤ改正から北斗の大半の列車が『民族共生象徴空間 ウポポイ(当初は4月24日オープンの予定だったが、コロナ禍の影響で7月12日に延期)最寄り駅の白老駅に停車するようになったので、函館運輸所所属の261系にはそれをPRするラッピングが貼られています。

 

 

 

北斗9号も自由席先頭車の7号車に乗車しますが、このキハ261-1208のヘッドマークは幕式。261系1000番台車のヘッドマークはLED化が進められているのでスーパーではない幕式の『HOKUTO』マークは短期間で見られなくなると思われ、貴重な記録となりそうです。

隣の7番線に停車中なのは4D北斗4号として10:38に到着した車両。

 

 

 

自由席はすいており、発車直前でも余裕で座席の確保ができました。

 

 

 

函館運輸所の車両群を見ながら函館駅を発車。

 

 

 

次の五稜郭駅に隣接する五稜郭車両所にはエンジンの残骸が…。廃車から外されたのかどうかは不明ですが、ここでは去年9月に営業運転を終えて引退、廃車となったクリスタルエクスプレス車両(4両中3両)が解体のため疎開留置されていた事がありました。既に解体は終了しており、JR北海道のリゾート列車中最高傑作(私はそう思ってます)だった車両は影も形もなくなってしまいました…(涙)。

あの座り心地の良かった座席も展望室の装飾入り仕切りガラスも全て処分されてしまったのだろうか…orz

 

(五稜郭車両所に留置されていたクリスタルエクスプレス車両。2020.2.9撮影)

 

 

 

新函館北斗駅の手前では七飯の車両基地に回送されるE5系新幹線車両を見る事ができました。

 

 

 

その新函館北斗駅で交換した長万部発函館行普通820Dは、札沼線の突然のラストランで先頭を飾ったキハ40 825でした。同車はキハ40形100番台のラストナンバー250だった車両で、「比較的」車齢が若いので苗穂から函館に転属してきたのでしょうか。

 

 

 

仁山峠を越えて車窓左側に小沼が見えますが、残念ながら向こう側に駒ヶ岳を望む事はできません…。

 

 

 

たった30分の乗車ですが11:17、大沼公園駅に到着です。

これから『北の大地入場券』収集旅として特急北斗の沿線ルートを攻めていきますが、普通列車より圧倒的に本数が多いので6日間パスで買い廻るには大変便利な区間です。

 

 

 

みどりの窓口で『北の大地の入場券』を購入。

当駅の図柄は小沼をバックに函館へ向かうキハ40です。

 

 

 

大沼公園からは普通4833Dで、『北の大地…』次の購入箇所である終着の森駅へ向かいます。

 

 

 

4833Dはキハ40 1801+1811☆(2両とも函ハコ)の2連。

後寄りの1811は、なんと!先程購入した『北の大地…』の図柄の車両なのでした。

 

 

 

私はその1811のほうに乗車。2連という事もあり、車内はガラ空き。時節柄18キッパーと思われる乗り鉄もいましたが…。

北海道のローカル列車に乗る際は、窓を開けて風を取り入れて換気しましょうね。

 

 

 

大沼と小沼の境目の地峡部、いわゆる『セバット』付近の小沼。

ちなみに先程、北斗2号から見た大沼はこの付近の反対側にあたります。

 

 

 

11:49着の赤井川駅では列車交換のため5分停車。

 

 

 

交換するキハ261系の函館行6D特急北斗が高速で通過します。

 

 

 

次の駒ヶ岳駅でも森発函館行普通4832Dと交換。

キハ40 802+834の2両とも未更新車で、函館車はタイフォンが残されている代わりに尾灯がスモークレンズのLED化されているのが特徴です。

なお、文字通りこの付近では車窓右側に駒ヶ岳が見えるハズなのですが、やはり厚い雲に覆われて全く見る事はできませんでした。

 

 

 

終着・森駅には12:21に到着。

やっぱり駒ヶ岳は望む事はできません。

 

 

 

森駅の『北の大地の入場券』の図柄はキハ40『北海道の恵み号』函館運輸所所属車1809号です。

今回の旅で同車に出会う事はありませんでしたが、2月に七飯駅の『北の40入場券』を購入した際に乗車しています。

 

 

 

コロナ禍で外出もままならない状況でも家で楽しく過ごせるように…との思いで企画されたJR北海道のこども向けコンテンツ『たのしくおウチ遊び』で公開されているキハ40北海道の恵み号のペーパークラフトと、キハ261系北斗のぬりえが駅舎内に展示されていました。

 

 

 

駅舎の北側のスペースにはかつて宅配ピザの10.4(テンフォー)がテナントとして入居していたのですが撤退し、現在は函館バスの案内所となっています。

 

 

 

森といえば、いかめし阿部商店の『いかめし』っしょ!

というワケで、販売先である駅前の柴田商店で購入し、次に乗る列車の中で食べる事にします。

なお、以前は森駅内のキヨスクでも買う事ができたのですが、2018年3月に閉店してしまいました。

 

 

 

森駅前に設置されているマンホールに『ポケふた』が設置されていました。

コチラは『北海道だいすき隊』隊長アローラロコンと森名物いかめしに因んだマーイーカが描かれています。

娘がポケモンフリークなのでつい撮ってしまいました。

 

 

今回はここまで。次回は1日目後半、森から先、長万部から室蘭本線経由で札幌へ戻るまでの行程で、『北の大地の入場券』収集旅の続きを紹介します。

つづく