久々の更新です。
先日、地元の新聞で、羽田空港の格納庫から、ザ・ヒロサワシティに搬入された、YS-11の初号機(JA8610)の組み立て作業の見学会があると知り、本日の午後、行ってまいりました。
ただ、休日は作業が行われず、国立科学博物館の学芸員の方の説明のみです。
なお、この見学会は、26日の日曜日まで、10:00~15:00で行われます。
14:30過ぎに現地到着しました。
新型コロナ対策のため、連絡先の記入と手の消毒、体温測定をしたあと、入場整理券を貰います。
3密を避けるために、1回の入場は15~20人位です。あっ、勿論マスク着用です。
入場まで少し時間があったので、そばに隣接する、鉄道車両の展示を見てました。それについては、また後日・・・。
1年来ないうちに、こんな立派なハンガーが出来ていたんですねぇ~。
消防法の規定により、現状で、機体尾部より前方のエリアは、見学者の入場は出来ません。
タイヤのところに消火器が置かれています。
主脚の左側に、ジャッキがありますが、航空自衛隊よりお借りしているものです。
というのも、分解して組み立てる際に必要な道具が、民間航空会社に無いため、YS-11を運用している航空自衛隊に白羽の矢が立ったと・・・。
ところが航空自衛隊側も難色を示していましたが、博物館から文化庁へ、文化庁が防衛省へ文化財の保護ということでお願いして、協力して頂けることになったそうです。
そうそう、ジャッキアップしているのは、まだ機体バランスが取れていないためです。
まだフラップが付いていないので、主翼内部が見えるのですが・・・、よくわかんない・・・。
機体尾部ですが、水平尾翼と垂直尾翼はまだ組まれていません。
機体尾部に突き出しているロッドは、多分昇降舵の作動用だと思います。
前の画像から、やや前方です。
登録番号JA8610は、量産初号機を意味します。
JA8610は、昭和39年10月初飛行で、昭和40年3月に運輸省(現国土交通省)航空局にフライトチェッカーとして引き渡し、平成10年12月退役で、国立科学博物館の所有となり羽田空港で保管されていましたが、空港拡張で追い出されまして、この地に保存となりました。
で、試作機は雨天に飛ばさなかったこともあり、最初の頃の機体は、フライト中に雨漏りがしたとか・・・。
その他にも、お約束の初期故障が多発しまして、整備員がフライトに乗り込んでフライト中に直したとか・・・。
成田の航空科学博物館に保存されている試作機がJA8611・・・、あれっと思ったのですが、試作機で様々な試験を行った後に、旅客機として登録されたためです。
鉄道でいうならば、90番台の形式で試作機が作られた後、量産機に編入されて、901を名乗る・・・といったとこでしょうか。
ちなみに、YS-11というのは、正式な型式では無かったようで、YSは輸送機設計研究協会の「輸送」と「設計」の頭文字というのは知られていますが、10の位は搭載エンジンの候補で、次の1が機体仕様案で、1番目の案で決まったということで、もしかするとYS-21とかになったかもしれません。
で、いつしかYS-11と呼ばれるようになって、この辺は、国鉄の新幹線0系みたいですね。
で、これは、左翼のエンジンを後方から撮ったものです。
YSのエンジンカウルを開けている姿は、初めて見ました。後ほど正面からの画像を載せます。
機体尾部を真下からです。画像下が前方になります。
何やら配管にタグが付いてます。
で、ちょっとアップにしてみましたが、多分油圧シリンダーじゃないかな?・・・と思います。
・・・とここで、見学時間20分のタイムアップです。
ここからは、ハンガーの外から撮影です。
機体右前方からですが、ハンガーの広さからして、YSがもう1機入りそうです。
前の画像をちょっとアップにしてみました。
何か垂直尾翼と水平尾翼が無いとすっげぇ~変です。
機首左前方からです。
そうそう、機体の組み立ては、JALの整備士のOBが携わっています。
とはいえ、YSを整備したとなると、70~80歳代の方々です。
きっと昔話に花を咲かせながら組んでいるんでしょうねぇ~、何か楽しそうです。
左側のエンジンですが、カウリングはこんな感じに開きます。
アップにしてみました。独特の金属音で、俗に「ダートサウンド」と呼ばれました、ロールスロイス・ダートエンジンです。
かつての国内航空機メーカーが協力して製造しましたが、そこに入らなかったのが、IHI(石川島播磨重工)です。
というのも、当時の自衛隊機のエンジン設計・製造で手一杯で、YSにまで手が回らなかった・・・ということで、エンジンはロールスロイスになりました。
一時はこの機体も、蓮舫さんの事業仕分けに引っかかりましたが、量産初号機という貴重な文化遺産が何とか解体を免れました。
「量産2号機じゃダメなの?」・・・とは言われませんでしたが・・・。
最後に印象に残った学芸員の方の一言・・・、スペースの都合等で、カットされる機体がありますが、カットされたら飛行機じゃないッ!
あくまで、飛行機として保存しようとする博物館の姿勢・・・カッコいいです。
見学会は、7月26日までなので、お早めに・・・。
もっと早くお知らせ出来れば良かったのですが、なかなか行く暇が無くて・・・。
それから、機体の方は年内に完成予定です。月イチで偵察して来ようかな・・・とは思っています。
YSネタもいろいろありますから、そちらのほうも、アップしていきたいと思います。