こんばんは、ななせです♪
前回の記事で「よほどヘマしなければご無沙汰しない」と言ってましたが…ヘマしたのですね()
実際に東急デハ3450号車のN化改造はそこそこ順調なものの、改造パーツの充実さから
改造を急ぐよりパーツの発売を待った方が賢明という判断の下、作業を凍結してしまいました。
そのような事もあり、N化改造を休止してしまったことでモチベーションが急に下がってしまった為
久々に営団東西線の車両たちを引っ張り出してメンテナンスを行っていたところ…
??:「ココドコー(泣」
05系:「!?」
何だかウチの営団5000系とよく似ていながらも違うエリアで活躍しているハズの地下鉄車両が
迷い込んでいたため、当区で保護することにしました。
改めまして、新たに入線した車両は鉄道コレクション
「名古屋市交通局 鶴舞線3000形 6両セット (イベント会場販売品)」です。
鉄コレの名古屋市交通局(以下、名市交)3000形といえば、去年通常品として発売しており
通常品はパンタの無い中間車改造車(3800A形)を含むのに対して、イベント品は3100A形を含む編成。
通常品と同様に全車4次車で構成されており、オール4次車で3100A形を中間に含む編成は
3122編成のみであるため、無加工でストレートに組むと特定編成になります。
車両番号は下記の通りです。
←豊田市・赤池
(Mc1) 3122
(M2) 3222
(M1) 3121 *中間車化改造車(3100A)
(M2) 3221
(M1) 3722
(Mc2) 3822
→上小田井・犬山
名市交3000形は、1977年に登場した地下鉄鶴舞線用の車両です。
*唯一見たことある編成がまさかの「いわく付き(色んな意味で)」だったとは…
名市交におけるステンレス車両の先駆けとなったほか、冷房装置の搭載や
回生ブレーキ付きAVFチョッパ制御を採用したりと新機軸が盛り込まれています。
4両×23編成で落成した当車両は、1993年の全線開通・名鉄犬山線との乗り入れに際し
一部編成を2両に分割し、先頭車は中間車化改造して他の編成に組み込み6両×15編成となりました。
また、6両化に伴い余剰となった2両は編成数の増備で新たに製造した3050形(3159編成)の
中に組み込まれるといった風変わりな経歴を持つ車両もいます。
1984年にかけて4次にわたり製造しており、製造グループごとに
細かな差異が見られ、編成形態はバリエーションに富んでいます。
それでは、前面から見ていきましょう。
最終グループである4次車ということで、前面や方向幕窓をはじめとした
全ての窓が金属支持となっています。
また、前面で特筆すべきは貫通扉の厚みと尾灯兼標識灯の大きさ。
貫通扉の厚みについては2次車(3110H)より奥まっている感が弱くなり
標識灯は3次車(3114H)から大きくなっています。
*標識灯は優等列車でなくても点灯するようです
3050形3159編成に含まれている車両は3806号車(1次車)ではあるものの、貫通扉の再現は無いですし
外幌設置に伴う灯火類の撤去後をプロトにしているため、鉄コレでの比較は現状出来ません。
さらに、前面の特徴としては側面まで回り込んだパノラミックウィンドウがあります。
*パノラミックウィンドウと聞いて、地元路線からクジラがやって来ましたよ
営団3000系と並べてしまうと「随分と取り付けが雑だなあ」と思ってしまいそうですが、
名市交3000形はよく見るとわずかに傾斜が付いて後退しているのが判るかと思います。
当区ではN化の際にボナ製のガラスパーツに交換しようと考えているものの、
複雑な構造ゆえに取り付けは少々苦労しそうですね…。
側面を見ていきます。
製造グループによって側面窓の支持方式が異なります。
ざっくり分類すると…
・1/2次車:全てHゴム支持 ←3159Hの中間車はコレ
・3次車:側面窓のみ金属押さえ/それ以外はHゴム
・4次車:全て金属押さえ ←当製品はコレ
当製品は4次車ということで全ての窓が金属押さえになっており、
コルゲートが施されていながらもスッキリとした印象を与えます。
当区ではせっかく去年の旅行で念願の撮影に成功したので3100A形を含む製品が出たら
3118Hを作ろうと意気込んでいると…問題が発生しました。
以前フォロワーの方とコメント欄でこんな感じの話をしたところ、
3118Hの中間2両は旧3117Hの車両―つまり3次車が含まれているということです。
こちらの実車写真は当時そのことを知って撮影したものではないため微妙な構図ですが、
3117号車(3次車)と3218号車(4次車)の窓支持方式が違います。
窓支持方式に関して情報を頂いたときは一瞬絶望しかけましたが、前面窓支持の太さは
両者ともそれほど変わらないような気がするため、何とかして作りたいところではあります。
*ドア窓についてもいくつかの候補がボンヤリと浮かんでおります
乗務員扉にも製造グループごとに差異が見られます。
3・4次車では、助士側右の手すりが短縮されているのが特徴の一つ。
また、下の窓枠についても変化が見られ、1・2次車の差異について紹介している写真はあったものの
2次車と3次車以降の車両でも形が微妙に違うかも?と感じました。
ただ、鉄コレに関してはモールドの再現がこんな感じですから、
意識して作ったのかどうかは判断に迷うところです。
次は台車です。
S形ミンデンのFS394を使用しています。
…とはいえ、FS394というのはあくまでも実車の形式であり
写真に写っているのは南海6000系(改造車)に用いられているFS092Aです。
基本的な構造は両者共に大きな差異は無いものの、ボルスタアンカの形状が違うため
意識して見ると「??」って感じになってしまいます。
ここでふとGM製のFS539台車が思い浮かびましたが、ブレーキシリンダーの位置が異なりますから
そう考えるとこのままの方がいいかな…と。
*FS539:名鉄1000系・5000系(Ⅱ)
続いては、屋根の上を見ていきましょう。
名市交初の新製冷房車ということで、4つの分散冷房を搭載しています。
3000形は当初Mc1/M1車にはパンタグラフを2基搭載していたものの、
2004年から2008年にかけて1基撤去してしまいました。
撤去とは言っても、配管やパンタ台などは残存していますから、
配管類の簡単な手直しを行うだけで手軽にパンタ撤去前の姿に出来ます。
ちなみに当区では2パンタ時代の仕様にするつもりです。
屋根配管の観察をします。
配管は主に高圧母線・鈎外し線・避雷器配管の3種類であり、
ケーブルカバーの無い部分が一部オミットされている以外はおおむね実車通りです。
高圧母線に関しては妻面に下ろさず屋根上で完結しており、
N化するという観点では非常に作業しやすそうですね。
*オミットしているのではなく、実車でもそうなっています
塗装する上では楽そうな反面、パンタ間を繋いでいる高圧引き通し線については
屋上機器を避けるように盛り上がっている部分があるため、これをどう再現していくか考えものです…
パンタグラフを仮置きしてみました。
写真に写っているのは、以前営団6000系ハイフン車の記事で紹介した
TOMIX製#0250と#0291をニコイチにしたものです。
ただ、実車のホーンはもっと細くて長いことから、製品指定の#0250をベースに
GM製PT42Lのホーン部分のみを上手いこと改造してねじ込んだら実感的になるのかなと思っています。
*下写真は新瑞橋(あらたまばし)駅にて撮影
側面に貼られている路線標記ステッカーです。
元々は小さなサイズだったものの、2015年に3・4次車の一部編成は
新型車両と同様の新しいデザインに変更しました。
*3118・3122・3123Hが該当
当区ではパンタ撤去前の姿を再現するつもりですから、
旧デザインに戻すのは必須作業ですね。
*インレタはイーグルスモデル製品
簡単にですが中間車を見ていきましょう。
3000形は全M編成であるため、先頭車との違いは殆どありません。
屋上機器類も基本的に先頭車と同じパーツを使用しています。
ただ、先頭車と同じ金型を使用してしまったことで、パンタグラフ搭載の中間車である
3700形の屋根にエラーが見られます。
それは―撤去された側のパンタグラフ脇にあるランボードの長さです。
先頭車のランボード(赤池方)は名鉄無線アンテナや信号炎管を設置している関係で
長さを短くしている一方で、それらの無い中間車のランボードはどちらも上小田井方のように長いです。
*下写真右端
床下機器についてです。
3000形と言えば、自動可変界磁電機子チョッパ(=AVFチョッパ)制御を採用しているのが特徴です。
*Automatic Variable Field
私の地元である営団地下鉄だと、有楽町線の7000系とか半蔵門線の8000系が使用していますから
それなりにありふれたもの…と思いきや、実はかなり使用例の少ない制御装置です。
*他には、神戸市交通局1000形と南海8000系
合成周波数は486Hzで営団車(660Hz)と比べやや低音ですが、名鉄線内で急行運用に入ると
唸るような爆音が一部のファンから人気を集めているらしいです。
実は私も去年の夏の旅行中に数駅だけ乗る機会があったものの、
この時は集合時刻に遅れていたため、走行音を楽しむどころではありませんでした…(汗
…話が逸れましたが、鉄コレの床下機器はそんな特徴的なチョッパ制御など再現していません。
そこで当区では、イーグルスモデルから出ている3Dプリンタパーツを使用することにします。
ただ、このパーツはひとりにつき1個が上限だったため
もう1編成分の交換が出来ず途方に暮れています…。
*再生産を切望します
こちらがパーツの全貌です。
主チョッパ装置(チョッパユニット)は日立・三菱製の2種類を採用しており、
さらに三菱製はAB2種が収録されていて合計3種から選択可能です。
制御装置について明確な資料が見つからないため推測になってしまいますが、
chop装置に関してこの製品だけでは網羅しきれていないと思います。
たとえば、日立製のパーツは素子冷却部がブロワー式になっているのに対して
三菱製はヒートポンプ式です。
*あくまでも営団基準で分類したため、間違えていたらご指摘ください
素人なりにも調べてみたところ、三菱製の初期と思われる装置にも日立製とよく似た
ブロワー冷却式の写真を見たことがあります。(3102H)
また別の資料では、3122Hの制御装置を「日立製」としているのに対し動画などで確認してみたところ、
不鮮明ながらも写真にある「三菱A」のものとよく似ている気がします。
これに関しては実車検証が一番ですが、今は気軽に出かけられないため
画像検索や動画検証を頼りにするのが限界なのでしょうか…?
最後は編成内でも異彩を放つ中間車化改造車である3121号車。
*下の実車写真は3117号車(3次車)であるため、当製品とは仕様が異なります
先述の通り、93年に鶴舞線全通および名鉄犬山線との乗り入れに際して
4両編成だった当形式を6両編成にすべく改造を行った車両です。
前回発売した通常品がM2(旧Mc2)である3800A形を含むのに対して
イベント品ではM1(旧Mc1)である3100A形を含みます。
私が旅行中に見かけた3118Hは後者に当たるため、通常品は見送ってしまいましたが
今回は3118Hと同形態の組成内容ということで、かなり悩んだ末入線へと踏み切りました。
*そうしたらまさかの伏兵が潜んでいた編成だったとは…
それでは特徴的な前面を見ていきましょう。
中間車化に際して前面方向幕窓を板で塞いだ他、2003~04年にかけて
転落防止幌を設置したことにより灯火類を撤去しました。
当区では最初、全通直後である93年頃の仕様にすべく灯火類の復活を行おうかと考えていたものの、
パンタ撤去前にこうなっていた(と思われる)ため、このまま行こうと思います。
付属のステッカー(上)と当区で使用予定のイーグルスモデル製ステッカー(下)です。
付属のステッカー自体もバリエーションには申し分ありませんが、
やはり種類も鮮明さも他社製にはかないません。
当区では名鉄犬山線直通の急行運用をやってみたいと考えているものの
3118・3122Hにおいて2パンで急行なんてあったのか実車写真が見つからないため現在保留中です。
*通常品と同形態である3120Hなら該当する写真を見つけましたが…
というのも、急行運転の新設と3000形の外見変化はほぼ同時期に行われており、
それぞれの出来事に「重なり」があるからです。
具体的には…
・転落防止幌取り付け&灯火類撤去:2003~2004年
・パンタグラフの撤去:2004~2008年
・急行列車の設定:2005年1月29日~
写真を探しても、基本的に2・3次車の写真ばかりが出てくるため
3118・3122Hではなかったのかな…とも思ってしまいます。
大人しく現行仕様にすれば万事解決なのでは?
ということで、以上が鉄コレ名市交3000形(イベント会場販売品)についてでした。
今回は鉄コレということもあり、単純な製品レビューではなくN化に向けた展望を中心に
素人ながらも簡単にですが実車について調べた上で話していきました。
記事の中でも何度か触れたとおり、当区では3118・3122Hを組成したいと考えていて
それらの編成には3つの要素を加え、製品とは違う仕様にするつもりです。
当区で求めている仕様を優先度順に上から並べると…
a. パンタグラフは2基設置時代
b. 3100A形は灯火類撤去後(製品仕様のまま)
c. 2編成の内、最低1つは名鉄犬山線内で急行運用
という計画で行こうと思います。
ただ、これらに関しては時期的に「重なり」があるほか、もしかすると
「a/bの組み合わせの時点でアウト」という可能性も十分考えられます。
ひとまずはパンタ2基設置を最重要事項にして、その状態に他の要素を加えられるかどうか
詳しい方がいらっしゃいましたらご教授頂けると幸いです。
今後のN化作業では、最初はストレートに3122Hを仕立てた上で
中間の3次車(3117・3217)を意識しながら3118Hを再現していきます。
それでは今回はこの辺で。
ご観覧ありがとうございました♪