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リゾートしらかみ
2014年2月乗車(初代ブナ編成)
2019年7月乗車(くまげら編成)
2021年7月乗車(CRUISING TRAIN)

運行区間:秋田~弘前・青森

 今回も前回に引き続き「リゾートしらかみ」の紹介です。今回は2006年に登場した「くまげら編成」、2003年にデビューして2016年に引退した「初代ブナ編成」、そして「初代青池編成」だった「CRUISING TRAIN」について紹介します。
※2021年8月5日、「CRUISING TRAIN」に関して追加しました。



くまげら編成
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デビュー:2006年3月
車両:キハ48形3両(2010年11月まで)→キハ48形4両(2010年12月より)

 「くまげら編成」は2006年にデビューしました。2021年現在、「リゾートしらかみ」の中で一番古い車両となります。「リゾートしらかみ」に新車が入る際は、デスティネーションキャンペーンなどの観光キャンペーン、もしくは新幹線延伸開業といったイベントに合わせることが多いですが、この「くまげら編成」は特にそういったイベントとは関係なく導入されました。この「くまげら編成」の導入によって「リゾートしらかみ」は3本体制となりました。『五能線の旅』のパンフレットによると白神山地に生息するクマゲラと、五能線沿線の夕陽をイメージしたとの事です。


側面ロゴマーク
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車内
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1・3・4号車の座席はこのようになっています。他編成と同様に肘掛にテーブルが収納されています。

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天井はモニター等がないのですっきりとした印象です。

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上が1号車の、下が4号車の展望スペースになります。車内イベントはここで行われます。乗車記念スタンプはここで押せます。

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また展望スペースの近くにはモニターがあり、この時は「リゾートしらかみ」の観光案内の動画でした。

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3号車にはフリースペースがあります。

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2号車のコンパートメント席。フルフラットにできます。

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フルフラットにするための手順。

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2号車通路。白神山地など沿線の写真が飾ってあります。

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トイレは車いす対応です。

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キハ48形が改造の種車なので2号車と3号車の間には運転台が残っています。



ブナ編成(初代)
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デビュー:2003年4月
引退:2016年7月(2018年4月よりあきたクルーズ号として運行開始)
車両:キハ48形3両(2010年11月まで)→キハ48形4両(2011年4月より)

※「ブナ」という漢字が変換で出てこないので片仮名での表記となります。

 「初代ブナ編成」は2003年4月にデビューした車両で、2002年12月の東北新幹線八戸延伸開業と2003年4月1日~6月30日にかけて行われた北東北デスティネーションキャンペーンに合わせて導入されました。この車両の導入により「リゾートしらかみ」の本数は1往復から2往復にまで増加しました。その後2016年にHB-E300系の「2代目ブナ編成」が導入されたことに伴い、この編成は「リゾートしらかみ」から引退しました。その後、2018年4月からは秋田港に入港するクルーズ船の乗客を秋田駅などへ運ぶ「あきたクルーズ号」になりましたが、2020年9月1日付で廃車となりました。


側面ロゴマーク
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車内
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写真がブレていていますが、1・4号車の座席はこのようになっています。色以外は「くまげら編成」と同様の座席です。

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展望スペースのレイアウトも「くまげら編成」と同様です。上が1号車で下が4号車の画像となります。

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2・3号車はコンパートメント席で全席フルフラット化できます。車両毎で若干デザインが違うのは、上の2号車が2011年に「初代青池編成」から転用された車両に対して、下の3号車は2003年のデビュー当時から組み込まれていた為です。

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こちらも2号車と3号車の間に運転台が残っています。


あきたクルーズ号(初代ブナ編成)の現在
あきたクルーズ号
2020年9月1日付で廃車となった「あきたクルーズ号」の一部車両は、2021年7月現在、秋田総合車両センターに留置されています。



CRUISING TRAIN (初代青池編成)
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デビュー:1997年4月
引退:2010年11月(2011年2月より「CRUISING TRAIN」として運行開始)
車両:キハ48形4両(2005年11月まで)→キハ48形3両(2006年3月から2010年11月まで)
→キハ48形2両(2011年2月より「CRUISING TRAIN」として)

 「初代青池編成」は1997年の秋田デスティネーションキャンペーンに合わせてデビュー、当時は秋田~弘前間を1日1往復運転していました。車体の塗装は1997年に「リゾートしらかみ」としてのデビュー時から現在まで変更は無く、白神の白と日本海をイメージした深青の塗装が施されています。
 デビュー時は「青池」という愛称がつけられていませんでしたが、2003年に「初代ブナ編成」が導入された際に「青池」という愛称が与えられました。2010年12月の「2代目青池編成」導入に伴い、「リゾートしらかみ」からは退きましたが、2011年2月より「CRUISING TRAIN」として再デビューして現在に至ります。

側面ロゴマーク
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「五能線クルージングトレイン」での運行時は専用のサボも用意されています。側面のロゴマークはシンプルに文字のみですが、「初代青池編成」時代は「2代目青池編成」と同じロゴマークが描かれていました。


車内
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他の「リゾートしらかみ」と同じくリクライニングシートになっていますが、構造は他の編成と若干異なります。肘掛にはテーブルが収納されています。1997年に「リゾートしらかみ」としてデビューした際は座席のモケットの色が現在とは違うものでした。

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展望スペースの構造も1号車(画像上)と2号車(画像下)で異なります。

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お手洗いは1号車と2号車にそれぞれ1ヶ所ずつ設置してあります。


かつて「初代青池編成」だった車両
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どちらも「初代青池編成」から転用した車両なので座席のモケットを除けば殆ど同じです。上は2006年に「くまげら編成」へと転用されたキハ48 1521で、下が2011年に「初代ブナ編成」へと転用されたキハ48 1543です。「くまげら編成」は2006年3月デビューですが、キハ48 1521は1997年4月の「リゾートしらかみ」運行開始時から使われているので、同列車の車両の中で最古参であると言えます。



 以上が「リゾートしらかみ」の「くまげら編成」と「初代ブナ編成」、そして元「初代青池編成」こと「CRUISING TRAIN」の紹介です。この1年の間に「初代ブナ編成」こと「あきたクルーズ号」が廃車になったり、五能線の普通列車にも使われるキハ40系が2021年3月のダイヤ改正で引退したりした一方で、「くまげら編成」と「CRUISING TRAIN」は現在も運行を続けています。ただしどちらの車両も老朽化が進行しているので、いつ引退してもおかしくない状況にあります。今後、引退や置き換えの話題が出てきたら、また更新していきたいと思います。

次回は『五能線の旅「リゾートしらかみ」3【観光編】』についてです。



補足
 「初代青池編成」は4両編成でデビューしましたが、2006年に「くまげら編成」がデビューする際、当時の2号車であったキハ48 1521を「くまげら編成」に転用したため3両編成になりました。2010年「(2代目青池編成」デビューに伴い「リゾートしらかみ」から引退、中間車両のキハ48 1543を「初代ブナ編成」へと転用、残った2両が秋田支社のジョイフルトレイン「CRUISING TRAIN」へとなりました。



参考文献・資料
『鉄道ダイヤ情報』1997年5月号、P24~25
『五能線の旅』2019年7月~9月
『鉄道ファン』2011年9月号
トレたび、デスティネーションキャンペーンの歴史
鉄道ニュース「リゾートしらかみ/青池」先頭車が「クルージングトレイン」に
鉄道ニュース“リゾートしらかみ”が運転再開
マイナビニュース「JR東日本、秋田港クルーズ列車デビュー! 秋田駅へ直通、写真53枚」