今回は35年前にデビューした、伊豆急行のリゾート車両2100系について紹介させていただきます。
2100系は、伊豆急行が誇る観光用車両で、8両編成5本(R-1~R-5)製造され、1986年ブルーリボン賞を受賞しました。
先頭車には展望席、海側には窓向きバケット型ロングシート、山側には2人がけ固定式クロスシートが設置されるなど伊豆半島観光の足として特別な内装になっているのが特徴で、土休日を中心に運転される特急「リゾート踊り子」から伊豆急行線、JR伊東線の普通列車まで幅広く運用されています。
伊豆急2100系の登場によってJR東日本は251系の製造に踏み切った
運転席まわり先頭車展望席
両先頭車には階段状になった展望席があり、運転士の頭越しに前面展望を楽しむことができます。
海沿いに向けられたシートからの眺めは最高です
R-3編成は、デビュー間もない1988年4月20日運転の快速「リゾートライナー21」で、私鉄車両として初めて東海道本線 東京駅まで入線を果たす偉業を成し遂げ、2011年には開業50周年記念として100系をイメージした塗装に変更され、「リゾートドルフィン号」となりましたが、2017年2月からは、伊豆の特産品である金目鯛をPRする「Izukyu KINME Train」へリニューアルされ、赤を基調とした外観に変更しました。
二代目「黒船電車」として活躍中のR-4編成は、前面窓を大きな1枚窓へ変更、愛称も「リゾート21EX」と呼ばれ、JRのグリーン車に相当する「ロイヤルボックス」を新製から設けたほか、トンネルに入ると天井に星空のイルミネーションが展開される特殊照明を採用しました。
黒船電車は渋いですね
フカフカした快適な座席にも関わらず、普通列車用の車両だからスゴいの一言に尽きます
「黒船電車」車内
1993年に登場したR-5編成は、車体形状を丸みを帯びたものにし、塗装の配色パターンも赤と青が交互に入ったストライプに変更され、「アルファ・リゾート21」の愛称が与えられていました。
改造工事のため長津田工場へ(八王子駅にて)
DE10ディーゼル機関車に牽引されJR横浜線内を走るアルファ・リゾート21
2017年7月からR-5編成「アルファ・リゾート21」が、水戸岡鋭治デザインの観光列車「THE ROYAL EXPRESS」へ大幅にリニューアルされました(写真は改造が行われた東急長津田車両工場への輸送風景)
観光列車「THE ROYAL EXPRESS」
(画像参照元:Wikipediaから)
海岸近くを走る路線の特性上、塩害の影響が強いため老朽化が早く進み、R-1編成とR-2編成が2006年と2009年にそれぞれ引退し、東急電鉄から譲り受けた8000系車両(上写真)に置き換えられました。
R-2編成の4号車2102
「THE ROYAL EXPRESS」を今年にもJR北海道の路線で運行する計画がありますが、新型コロナウィルス感染拡大やJR北海道の経営状態から運行が危ぶまれていましたが、8月14日から運行開始となります。
塩害の影響を受けやすい路線で活躍する3本の2100系には長く活躍して欲しいと願います。