こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

今週に入り急に忙しくなってきたため、ブログ更新・ホームページ更新はしばしスローペースとなりますことご了承願います。

 

さて、前回Tomixキハ56系入線整備を公開した際、次の急行紹介として「大雪・紋別・はぼろ」を宣言しておりましたので、本日はこちらをご紹介したいと思います。

 

急行「大雪・紋別・はぼろ」は、その名の通りの3階建て急行列車で、国鉄末期の比較的遅く1985年3月ダイヤ改正まで走っていました。ちなみに同改正でこのうち急行「大雪」が特急「オホーツク」に格上げされ、以後は「紋別」「はぼろ」のみ存続し、1986年11月ダイヤ改正で廃止されています。その後この急行が走行していた名寄本線・羽幌線ともに廃止されてしまうのは悲しい話です。

 

この列車は、「大雪」が消える1985年3月改正まで、札幌‐深川間を3階建てとはいえ13両編成で走行するという非常に見ごたえのある列車でした。1982年11月改正で東北地区の多層建て急行がほぼ全滅し、1984年2月改正で各地で合理化・輸送力見直しで減車が行われた後では随一の長編成列車でした。編成は札幌基準にして旭川方から急行「紋別」「大雪」「はぼろ」の順で、「紋別」「はぼろ」は普通車のみの4両、「大雪」はグリーン車組み込みの5両、所属は「大雪」「はぼろ」が札幌、「紋別」が苗穂でした。札幌は比較的後期車の配置が多く、苗穂は初期車が多かったので、編成にも特徴が表れていました。もしこの編成をTomixさんが模型化するとどうなるでしょうか、考察してみました。セットとしてはこの「紋別」「大雪」「はぼろ」で4両・5両セットが3セットとなる感じでしょうか。Tomixさんは各セットに最低1両は目玉車両を混ぜ、ユーザーへの3セット購入欲を掻き立てる傾向がありますので、このあたりを考慮して編成を組成してみましょう。編成は1982年ダイヤ改正時点、車両の配置も同時点での配置車両で組んでみました。各車の姿も1982年頃のものになります。

 

1~4号車 急行「はぼろ」:<キハ56 206+キハ27 120>+キハ56 151>+キハ27 113>

5~9号車 急行「大雪」:<キハ56 127+キハ56 123>+<キハ27 209+キロ26 18+キハ56 129>

10~13号車 急行「紋別」:<キハ56 37+<キハ27 11+キハ27 125>+キハ56 23>

 

目玉としては、

急行「はぼろ」は、便所窓の横長小窓になった後期車の「キハ56 151」、モデルチェンジ車の「キハ56 206」、通風器の左右が反転している「キハ27 120」

急行「大雪」は、モデルチェンジ車の「キハ27 209」、0番台グリーン車の「キロ26 18」

急行「紋別」は、0番台のキハ56、最初期車でヘッドライトが寄っている「キハ27 11」、北海道用ながら赤帯が本州用に準じて太い「キハ27 125」

です。あれ、目玉車両各セットに1両どころか、大量に入っていますね。それでは各車を見てみましょう。

 

<急行 はぼろ>

1号車 キハ56 206

↑皆さん首を長くして待っているキハ56 200番台です。Tomixさんがキハ58の盛岡色を発売した際に冷房準備車がモデル化され、更に急行色の冷房準備車単品なんかも出ましたのでいよいよ次はキハ56 200かと思い待ち続けましたが結局出ていません。模型化されることに期待しましょう。モデルは標準的な冷房準備車です。北海道用は1980年代に入るとドア下部の丸窓が無くなった車両が大半ですので、これを再現してもらえるとベストですが、時代設定をもうちょっと前にすれば原形の丸窓ありでも良いでしょう。1980年代より精力的に汚物処理装置が取り付けられましたので、別パーツ付属してくれるとありがたいです。

 

2号車 キハ27 120

↑屋根上通風器が8個タイプで外ばめ式テールライトの12次車のキハ27です。119~124が該当しますが、122~124は早期にお座敷車に改造されますので、119~121の3両のみ原形でした。特徴は、4号車で11次車の113番、12号車で13次車の125番も通風器8個ですが、12次車の120番は通風器の左右の向きが逆になっています。キハ56の12次車は逆になっていません。当然キハ58・キハ28の12次車も正規の位置です。なぜキハ27の12次車のみ逆なのかは謎のままです。そんな変形車を目玉として入れてみました。その他特徴は、10次車以降に適用の新型の機関予熱器(形状はモデルチェンジ車に酷似)、FRP製の水タンクでしょうか。もし模型化されるのであれば的確に再現して欲しいポイントです。

 

3号車 キハ56 151

↑平窓最終ロットである14次車のキハ56です。138~151の14両が該当し、比較的両数の多いグループです。キハ58でも見られますが、横長の便所窓が特徴です。あと他のキハ56と共通ですが、屋根上の水タンクが角ばった形状のものになっています。これは1980年代以降の姿を表現するには必須アイテムです。もっと前の時代を再現される方は別売パーツで表現するか、別パーツで付属するというのも良いでしょう。

 

4号車 キハ27 113

↑現行セットと同じ、通風器8個で11次車の車両です。内ばめテールライトとなっています。とりたてて特徴はありませんが、床下機器は12次車と同じですので、ちゃんと再現してくれることを期待します。

 

<急行 大雪>

 

5号車 キハ56 127

↑オーソドックスな12次車のキハ56です。通風器8個で外ばめ式テールライトです。125~137の13両が該当しますので、これも比較的両数の多いグループです。

 

6号車 キハ56 123

↑こちらは11次車となります。121~124の4両のみという少数派ですが、Tomixさんのセットのモデルはこのタイプです。12次車との違いは、11次車は内ばめ式テールライトとなっている点です。

 

7号車 キハ27 209

↑モデルチェンジ車のキハ27です。札幌には標準的な17次車が配置されていました。冷房発電機の取り付けスペースの空いた床下が特徴です。

 

8号車 キロ26 18

↑従来模型化されていたのは冷房準備工事の施工されていたキロ26 104~107でしたが、ここでは0番台の18番を選んでみました。1982年当時札幌の0番台は18のみでした。由布セットに入っているキロ28同様、当初非冷房車で冷房改造後クーラー脇に通風器のある姿が特徴です。床下も0番台のキロ28と大差はありません。当セットの目玉となるでしょう。

 

9号車 キハ56 129

↑5号車のキハ56 127と同じく12次車で、形態もほぼ同じです。

 

<急行 紋別>

10号車 キハ56 37

↑10号車以降は苗穂車で急にオンボロになります。3次車となります。乗降扉下部に丸窓が無く、運転席側窓のバランサー点検蓋も新製時は無いタイプがモデルになります。ただ点検蓋は後に改造で形状の異なるものが取り付けられますので、ここまで再現するかどうか・・・。あと、100番台以降は精力的に施工された汚物処理装置取付は、0番台にはほとんど見られません。もともと別パーツですので選択式としてくれるとありがたいですね。

 

11号車 キハ27 11

↑当セット目玉の、1次車のキハ27となります。側面図では分かりづらいですが、直線的になっている腰折れ、長い乗務員室ドア手すり、内側に寄ったヘッドライト、短い正面手すり、タイフォンの上にある足掛け、窓のない妻面などの特徴があります。これらを反映して模型化してくれるととてもインパクトのある車両になるでしょう。ちなみに実車は小樽市総合博物館(旧北海道鉄道記念館)に現在も保存されています。

 

12号車 キハ27 125

↑更に変形車が続きます。苗穂と釧路にいたキハ27 125~129は、便所窓が横長になった平窓最終グループである14次車ですが、さらにこの5両は側窓周りの赤帯の太さが本州用と同じ太さとなってしまった変形車(エラー)です。正式・公式な理由は不明ですが、私の推測では、それまで北海道用を製造していたのはキハ56は新潟鐵工のみ、キハ27は帝国車両と東急車両のみであったのが、このロットは初めて日本車輌が製造したため、塗装の際に間違えたのではないかと思っています。非常に細かい話ですが、赤帯がずれた関係で他のキハ56・27と比べサボ挿しの高さも異なります。(赤帯が上下に50mm太いので、サボ挿しの位置も50mm高い) しかも1967年の製造から廃車まで修正されることはありませんでした。微妙な差ですが、編成中に混ざっていると目立ちました。ちなみに日本車輌はこの後18次車であるキハ27 215~217も製造しますが、こちらの塗り分けは正規の北海道用のものになっています。

 

13号車 キハ56 23

↑ラストは10号車と同じ3次車のキハ56です。10号車の37番と同仕様です。ちなみに当車も小樽市総合博物館で保存されています。

 

各車解説中にも書きましたが、共通事項として、キハ56の水タンクは全車角ばったものになっています。角型と原形両方を選択できるようになっているとありがたいですね。また、キハ56・27の100番台・200番台は汚物処理装置の取り付けが行われていますので、こちらも選択式としてくれるとありがたいです。その他、絵では細かくて良く分かりませんが、晩年の冷房準備車はクーラー部の蓋の形状が原形と異なっていました。原形はアングル材でリブが付いていましたが、晩年は無くなりただの平板です。1980年代には100・200番台もほとんどがドア下部の丸窓が無くなっているので、どっちで表現するかは悩ましいところです。これはさすがに選択式という訳にはいかないでしょうから。。。

 

いかがでしょうか。普通車は非冷房車のみで本州用に比べるとバリエーションが少ない北海道用ですが、こうしてみてみると意外と変化がありますね。さすがにこんな編成を模型化してくれるとは正直思えませんが。。。 頑張って加工するしかないのですかね。せめてモデルチェンジ車の200番台だけでも出してくれると幅が広がるのですけどね。気長に待つことにしましょう。

 

なぜこのような地味な3階建て急行を選んだのかというと、有名定番の急行「宗谷」「狩勝」は意外と編成が短いため、面白みが欠けるかなと思ったからです。しかしやはりキハ56系急行というと「宗谷」「狩勝」や、「天北」「すずらん」「ちとせ」などがありますので、機会があればまたご紹介したいと思います。

 

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にも各車の解説がありますのでご覧になってください。