南小樽から 札幌ゆき/急行券 南小樽→100kmまで 連綴券 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和52年12月に函館本線南小樽駅で発行されました、「南小樽から 札幌ゆき/急行券 南小樽→100kmまで」の連綴券です。

 

 

札幌印刷調製の券となります。

 

当時の南小樽駅に停車いたしました定期の普通急行列車は、上り札幌ゆきの急行「らいでん1号」と下り目名・岩内ゆきの急行「らいでん3号」の1往復のみで、上り「らいでん1号」は朝、下り「らいでん3号」は夜の停車でしたので、南小樽から札幌方面への用務客の利用を想定して、南小樽に停車していたものと推察され、この連綴券は左側の乗車券部分が「南小樽から 札幌ゆき」となりますので、上り札幌ゆきの急行「らいでん1号」専用の券であった事になります。

 

 

 

 

 

券番は4130となります。

 

 

この券の運賃と料金は昭和51年11月6日改訂のもので、発行日は改訂から1年程が経過しており、単純な日割り計算ですが、この券が発行されました南小樽駅のA窓口だけでも1日あたり10枚近くが発売されていたものと推察され、運賃270円の区間に400円の普通急行料金を支払う旅客が結構存在していたように思われます。

 

 

 

 

当時の時刻表です。

 

 

「らいでん1号」は蘭越始発で倶知安までは普通列車として運転され、小沢で岩内線岩内始発の車両を連結する、倶知安、岩内方面から札幌へのビジネス列車で、南小樽を発車すると終点の札幌まで停まりません。

 

急行「らいでん1号」の前後の普通列車を見ますと、8時02分発の829列車の後は8時51分発の快速3853Mまで50分程間隔が開いており、8時02分発に乗り遅れた札幌までの旅客が後続の「らいでん1号」に乗車するような事もあったかも知れませんが、例え札幌までの定期乗車券を持っていたとしても、当時は定期乗車券での優等列車への乗車は不可で、急行券の他に乗車券も必要でしたから、南小樽駅では今回ご紹介いたしました券を発売したものと思われます。