vol.348 千葉県台風被害応援 全線復旧!小湊鉄道&いすみ鉄道で房総横断(沿線街ブラ付) | 旅ブログ Wo’s別荘

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 先般の九州各地、岐阜県等における豪雨の甚大な被害に対し、心からお見舞い申し上げます。

 

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一向に収まる気配がないコロナ禍ですが・・

昨年、千葉県を中心に大変な災害があった事が、もう忘れられがちになっています。ご記憶でしょうか・

 

昨(2019)年、台風15号や19号等、超大型の台風が繰り返し日本各地を襲いましたよね・

被害は全国各地に及びましたが、特に千葉県(房総半島)は強風による被害が甚大で、ゴルフ練習場の巨大なフェンスが根こそぎ倒れた衝撃的な映像を覚えているかたもいると思います。

 

当地を走るローカル私鉄、小湊鉄道も甚大な被害をうけ、ほとんどの区間が不通になってしまいました。同社は少しずつ復旧に取り組み、最後まで残っていた不通区間だった養老渓谷~上総中野間が、台風から約半年経った今年1/27に再開しました。

全線で復活した小湊鉄道に乗ってまいりました^グッド!

・という事でやってきました、JR内房線・五井駅(※千葉県市原市)

市原市を代表する駅のひとつですビル

元・京浜東北線等を走っていた209系、菜の花色の”千葉カラー”にお色直しされ、一部クロスシートも付ける等の改造をされて、千葉県内で第二の活躍をしていますチューリップ黄

ちょうど朝の通勤時間だったんですが、もうすっかり日常のラッシュ風景に戻ってました。会社や学校へ行くためには3密とか言ってられない状態(汗)あせる

そしてホームの東側に目を移すと~↑

小湊鉄道のDCが停まっています。五井駅は小湊の駅と隣接しています電車

改札を出て、さらに小湊鉄道を見ていきます目

(※改札に『チバニアン決定!』との横断幕もみえますが、チバ二アンにまで話を広げると収拾がつきませんので(笑汗)、次の機会に譲りますあせる

改札外の自由通路(跨線橋)から↑、小湊鉄道の構内が見渡せます。小湊の車庫は、ここ五井にあります電車

車庫にズームすると・・

↑左から2列目、JR東のDCが停まってます。最近譲渡されてきたばかりだそうです(※只見線で使用されていた)

それと、一番右は、土日等に運行されるトロッコ列車用の車両ですが、現在コロナ禍の影響で運休中です汗

 

また通常便も、この日(2020.6)現在コロナ減便されていて、終点の上総中野まで行く便は、早朝の始発が出たあと、次は11時までありません。あと2時間半程あるので、駅周辺を歩いてみたいと思います^

(※区間運転は毎時1本程度あります)

小湊鉄道については、後程たっぷりご覧頂きます^

 

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駅前広場に出ました(東口)

駅前からは、新宿・横浜へ高速バスも出ています。新宿へは「乗換なし」、横浜へは「アクアを通る快適さとスピード」で、JRと真っ向勝負していますバス

そして五井駅というか、市原市ならではの時刻表が↑

これ『各ゴルフ場への送迎バス時刻表』で、この駅前から10ヵ所以上のゴルフ場へ送迎バスが出ています。市原市はゴルフ場の数が、1市町村としては日本一だそうですゴルフ

 

先程から『五井駅』と『市原市』という2つの名前が交互に登場し、なんかモヤっとしているかたもいる(?笑)と思うので、ここで市原市の概要をチラッとおさらいしますクリップ

 

千葉県・房総半島のほぼ中央を占める市原市、人口約27万人、石油コンビナートが並ぶ工業地帯の臨海部から自然豊かな内陸部まで広い市域を持ち、その面積は千葉県市町村で一番広い(約370㎢)んだそうです。ご存じの通りゴルフ場が多数ある千葉県、その中で同市が全国一多いというのも納得です霧

 

昭和の大合併時に旧五井・市原・姉崎町など7町村が併合、市原市となりました。そのため『五井』・『姉ヶ崎』・『八幡宿』3つのコアがあるのが特徴で、なおかつ南部内陸の緑豊かな地域や、ちはら台等のニュータウンも持ち、バラエティある市域を形成しています(※八幡宿駅の周辺が旧市原町)

・なので、「市原市には市原駅がない」という状態なんですw虹

では列車の時間まで、駅前から内陸方向へ歩いてみます。↑の広い前通り、『さらしな通り』といいます。

菅原道真の子孫の女性が著したというご存じ「更級日記」は、ここ市原市にあった上総国府から、著者の父に従って京へと上洛するところから始まります。市原市は更級日記ゆかりの地でもあります。これからその「上総国府」の面影が感じられる歴史スポットを訪ねます・走る人

駅からすぐ、公園がありました。上総更級公園といいますチューリップ赤

中央部に池を配した、かなり大きな公園です宇宙人

池には木道もあり、よく整備されている印象です。先程のさらしな通りをはじめ市内の道も広くつくられ、臨海コンビナートを持つ同市は財政力があるようですコスモス

上総更級公園の隣には、巨大なショッピングモールプレゼント

首都圏とはいっても、やはりこのあたりまで来れば郊外型ですね・

さらしな通りの1本北、市役所通りをさらに歩くと~

「上総国分尼寺跡」の標識

これから訪ねるのはここです

上総国の国分寺・国分尼寺はここ、市原市に置かれていました。地名にも国分寺の名が残る市原市、歴史薫る街でもありますキラキラ

静かな住宅地の中に~

ポッカリとある緑の空間

上総国・国分尼寺跡ですクローバー

なにか建物が・・

回廊等の一部の建物を復元したものをつくっていました。奈良時代の工法も採り入れた本格的なものです。これまで僕が訪ねた全国の国分寺・尼寺跡でも”建物が復元してある”のは珍しいですグッド!

各地に残る国分尼寺跡の中でも、ここ上総のものは全国トップクラスの大きさだそうです。古来より豊かな海山の幸に恵まれた上総国は、日本有数の強大な国力があったとの事です星

住宅地、臨海部の工場、南総地区の自然、そして悠久の歴史まで、大変奥の深い街、市原市です・あじさい

 

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五井駅へ戻ってきました、いよいよこれから小湊ですグッド!

小湊乗り場へは、JR改札を通ってから小湊鉄道跨線橋にある連絡改札を通ります。その改札係のかたに教えてもらったのが・↓

企画切符『房総横断乗車券』チケット

小湊と、上総中野で接続するいすみ鉄道を片道全線乗れる切符で、各々普通券で乗るよりかなり安いですOK

ホームに降りると~

なんとなく国鉄時代のDCを彷彿とさせる顔・・

同鉄道の主力車、キハ200形です

JRの最新車両を横目に、ディーゼルエンジンを轟かせる昭和の気動車w

発車しました!終点・上総中野まで約40kmの旅です^

内房線を遠ざけながら、東へカーブしていきます右上矢印

五井を出て数分で、もう↑の田園風景カエル

まずは1駅目、上総村上駅に停車

もうJRでは見られない、昭和のまま時が止まったような駅舎・

 

ちなみに小湊鉄道、全18駅の内10駅が国有形文化財に指定されているという、まさに”現役文化財”状態の貴重な路線です。そのうち最も雰囲気ある駅を別取材してますので、後程ご覧頂きます星

2駅目は~

同鉄道では一番の難読駅、海士有木(あまありき)駅ですにひひ

前述の通り終点まで走り通す便は少ないですが、区間運転は多数あり、時々対向車とスライドします(※全線単線)

↑も久々に見る光景、バラストが溶けてしまっているような線路、昔国鉄でよく見かけましたw

同鉄道は地方私鉄にしては珍しく、全列車車掌が乗務してます。車内で補充券を切る懐かしい光景もメガネ

五井を出て約30分、同鉄道途中駅で一番の主要駅へ入ります

上総牛久駅

五井からの区間運転列車はほとんどがここまでですベル

牛久で大量に下車

ちゃんと需要に対応したダイヤになってますクリップ

学生たちがほとんど降り、ガランとなった車内w

キハ200は、エンジンを轟かせながら緑の中を快調にすすみますDASH!

里見駅でしばし停車コーヒー

この駅は上総牛久に次ぐ主要駅です。ちなみに同鉄道全18駅のうち半数の9駅が『上総』を冠していますクリップ

緑のトンネルも↑

山深くなってきます霧

そして五井を出て1時間余、終点の1つ手前、養老渓谷駅に到着

この駅、そして養老渓谷については、昨年(2019)のツーリング始めでバイクで訪ねてます。↓のリンクからご覧下さい目

https://ameblo.jp/maruwo26/entry-12450005683.html?frm=theme

(19.4.28up vol.309)

そしてついに~

五井から約40km内陸へ入った、房総半島中央部、終点・上総中野駅に到着しましたフラッグ

 

↑の駅名標、両隣に駅名が書かれています。「にしはた」は小湊の駅ではありません。この駅はいすみ鉄道と共同で使用している駅なんですおひなさま

小さなかわいい、上総中野駅舎

2つの鉄道が接続する駅なのに、無人駅ですあせる

駅舎より隣の↑、巨大な土管を竹の如くスパッと切ったようなトイレのほうが目立ちます(笑)

中野駅前の観光案内板、けっこう名所多し、一日ここで過ごせそうです^しっぽフリフリ

中野駅東方の、小湊線の終端部↑

右側の線路はいすみ鉄道です。軌間は同一ですが、相互乗入はしていませんガーン

いすみ鉄道のDCが入ってきました!菜の花色です^チューリップ黄

1日数回だけの、小湊といすみの揃い踏みですw

いすみの駅名標にも、小湊の隣駅・養老渓谷がちゃんと書かれています目

いすみの車両は比較的新しいDC、長々とロングシートが伸びています椅子

沿線の子供が書いた絵を掲示してるのが3セクらしいです・アート

発車しました!小湊とはここでおわかれですグッド!

車両は違いますが、沿線風景は小湊線と変わらず緑の丘陵地、という感じです霧

いすみ鉄道は↑の通り全14駅、約27kmのローカル線です。

1988(昭和63)年、旧国鉄の木原線を引き継いで発足した3セクです。この「木原」の名、「原」はJR外房線と接続する大原駅の事ですが、「木」は・?

国鉄時代、久留里線と繋いで木更津駅まで直通させようという計画がありました。その「木」です(※計画はその後頓挫)

 

また、小湊鉄道もかつては単独で半島横断させる計画が存在、現在の外房線・安房小湊駅付近まで繋ぐ予定でした。なので社名が『小湊鉄道』なんです。

 

房総横断を成し遂げられなかった2つの鉄道が、奇しくもその終点を共有し、計らずも実現した・・

大げさに言えば”奇跡”ですよw

 

国鉄末期、地元の人々の努力により廃線の危機を乗り越え、新生スタートしたいすみ鉄道、↑駅ホームに幾重にも置かれたプランターが、沿線の人が同鉄道によせる愛情を感じます・キラキラ

田植えがおわった水田

こういう光景を眺めると、束の間ですがコロナ禍の現実を一瞬忘れさせてくれます・カエル

同鉄道の主要駅、路線のちょうど真ん中にある大多喜駅で途中下車します。ここに同社の車庫・本社があります電車

6月らしく、アジサイが咲くホームあじさい

駅舎には大多喜城、そして城主だった本多忠勝が・・^

駅前に出ます

僕がこの駅で降りた目的は~

この駅の車庫に↑、国鉄型DCが置いてあるんです電車

JRから譲渡をうけた車ですが、土日等に観光向けの”急行”として走らせてます(※2020.6現在はコロナ禍で運休中)

それ以外は何の予備知識もなく降りた大多喜ですが、実はこの駅周辺、街ブラに最適の歴史ある街だったんですあせる

元々は城下町の大多喜、車庫横の門↑は、大手門を模して復元したものですグッド!

では急遽、次の列車まで1時間だけ、駅周辺を歩いてみます走る人

駅前には↑、2つの観光客向け建物があります。ひとつは・

”観光本陣”

お土産販売のほか、観光案内もしてくれますヒヨコ

そしてもう一つは、大多喜ならではの↑”天然ガス記念館”

コロナ対策か、受付はお人形さんwあせる(※無料)

社会科で習った覚えもありますが、千葉県は天然ガスが産出します。

江戸期には既に発見されていたとの事ですが、記録として当館で紹介えているのは、1891(明治24)年、井戸開削していたら、水ではなくガスが出たという史話ですメラメラ

また、天然ガス採取の際に出る水分からヨウ素を抽出でき、千葉県は世界有数のヨウ素産出地だそうです星

短い時間ですが、急ぎザッと歩いてみます走る人

大多喜町、千葉県夷隅郡のまちです。役場がありました。どうってことなく見えるコンクリの庁舎ですが、実は・・

なんとこの庁舎、ユネスコから文化遺産保全賞を受けていますひらめき電球

1959(昭和34)年築との事で、そんな古いものではありません。看板によると、モダニズム建築の好例として価値ある建物だとの事。一時取壊しの話もありましたが、2012年に修復、今後も末永く使われるとの事です・キラキラ

本多氏10万石の城下町、大多喜クローバー

こんな街ブラ最適な街だったとはつゆ知らず、この日は鉄分目的だったので時間をとっておらず、ここについてはまた改めて訪れたいと思いますあせる

コンビニの向こうにチラッと見えた大多喜城(※復元)、内部は千葉県立の博物館になっているとの事、また次回訪ねる日が楽しみです・しっぽフリフリ

再び大多喜駅から乗車、外房へ走りますDASH!

今度の車両はボックスシート椅子

山間部を抜け、次第に住宅が増えてきました。そして~

JR外房線と接続する終点、大原駅に到着しましたフラッグ

五井からの”私鉄で房総横断”、完結です!

大原駅外観↑

JR駅といすみの駅が仲良く並んでますおひなさま

大原駅前、ひなびた静かな駅前通りですチューリップ紫

駅前のベンチで列車待ちしていると~

ネコが近づいてきましたネコ

僕の前でしおらしく座り、さわらせてもくれたのでパンをちぎって与えると、一言「ニャ~」と鳴き、すぐ去っていきました。現金な大原のネコでした(笑)ブタネコ

接続の外房線電車で帰京しますリサイクル

 

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前述しましたが小湊鉄道の駅のうち、10駅が国有形文化財に指定されています。そのうち『関東の駅100選』にもダブル選定された素晴らしい駅、上総鶴舞駅を別取材してきたのでご覧下さい目

↑、上総鶴舞駅です。後日別件で千葉へバイクで行った時、撮ってきました。前出の上総牛久駅の2つ隣ですクローバー

1925(大正14)年開業。1世紀の間、南総の人々の生活を見つめつづけた駅舎家

現在無人ですが、出札・改札口等、当時の姿をよくとどめています。さすがは文化財指定の駅ですキラキラ

ここでもニャンコ発見w

なにかを達観しているような顔の老猫、先程の大原のネコのように餌ねだりもなくw、無償でさわらせてくれました(笑)ネコ

ホームの佇まいも素朴そのもの、多くの映画やTVドラマのロケでも使われたそうですカチンコ

東京からわずか1時間ちょっとでこの光景、是非千葉を、小湊を応援しに乗りに行って下さい^ニコニコ

 

ラストに、僕から小湊&いすみ鉄道に提案があります。

過去検討された事もあるそうですが、是非、上総中野で両社の線路を繋いで、相互乗入を実現して下さい!という事合格

 

ご覧の通り、両社は同じ軌間、中野駅も共有していて、やろうと思えば物理的には簡易な工事で出来ます。その上両社とも観光列車(小湊はトロッコ列車、いすみは国鉄型急行)を持っています。この2列車を五井~大原で直通させれば『1+1=2以上』のブースト効果があると思います。

 

小湊には養老渓谷、いすみには大多喜と、観光資源にも不足ありません。また、朝夕の通勤列車も直通させれば新たな需要喚起にも希望をつなげます。両社は歴史の経過が異なり、一筋縄でいかないのはわかりますが、前述の通り企画直通切符の共同発売までしている両社、更に協力を前にすすめてほしいです。

千葉県の「青春知事」さん、先日会見で「Go To 千葉だ!」と言ってましたが、それならまずこういう事から取り組んで下さい!虹

 

愛すべき2つの鉄路、大切に守り、そして南総の活性化に資してほしいと思います^さくらんぼ