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鈍行のみで九州の全駅を制覇する旅4日目。

九州に入ってから2日間、長崎県と佐賀県を制覇して熊本入りしたのが前回までのおさらい。

 

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4日目 2月11日(火)

 

 

 

熊本市内 5:10

 

おはようございます。

時刻は朝の5時10分です。

これから乗る肥薩線が楽しみ過ぎて寝られなかったので朝の散歩......なわけありません。

 

 

 

 

 

昨晩の宿泊地は上熊本駅近くにある快活でした。

上熊本駅から歩いて数分のところにあり、アクセスも抜群。

なのにどうして歩いているのでしょう。

 

 

 

それは熊本駅の始発列車に乗らなくてはならないから。

熊本駅の八代方面への始発列車は5時59分に出発します。

しかし、快活の最寄り駅、上熊本駅の熊本・八代方面の始発列車は6時23分発。

これでは熊本駅5時59分発に乗ることはどう頑張っても無理です。

 

 

 

 

 

ということで、列車がなければ歩く。

ただそれだけ。

 

 

上熊本駅から熊本駅まで3.5km44分。

朝の散歩は気持ちいいなぁ。

 

 

 

 

 

ねみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熊本(JR鹿児島本線) 5:59

 

熊本駅もだいぶ再開発が進み、一番最初に来たときとは随分と姿を変えました。

早朝から酔っぱらって楽しそうに騒いでいる兄ちゃんたちに冷たい視線を送りながら、4時半に起きて上熊本から歩き、死んだ魚のような目をした鈍行遠征魔は熊本駅に吸い込まれていきます。

 

 

 

 

 

人なんて乗っているわけもない5時59分発の八代行き。

 

 

 

 

 

宮崎、鹿児島へアクセスするため、鹿児島本線をさらに南下します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八代(JR肥薩線) 6:38/7:08(10分遅れ)

 

八代に着きました。

ここも3年前のクリスマスが蘇ってくる場所...。

そして2年前の夏以来ということになります。

 

 

 

 

あの山々を越えていく列車、肥薩線。

鹿児島本線の一部がおれんじ鉄道となって以降、18きっぱーが宮崎、鹿児島方面へ抜けるメインルートとなりました。

もちろん列車本数は少なく、特にこの先の人吉~吉松間は1日3往復しか走っていません。

 

 

そんなものすごい路線も、実は2年前の夏に鹿児島から熊本入りする際に使っています。

死にそうになりながら日豊本線、肥薩線、鹿児島本線を使って九州を一周しつつイベントへ行った2年前の夏、もう二度と使うことのない路線だと思っていました。

 

しかし人生というのはわからないもの。

こうしてイベントがあるわけでもないのに、自ら好き好んで肥薩線に乗車するときがくるのです。

 

 

 

 

 

 

 

この日の肥薩線は朝っぱらから鹿と衝突したようで、10分遅れでやって来ました。

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり乗客はぼくしかいない。

 

 

 

 

 

 

人吉へ向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

球磨川が綺麗に見える車窓なのですが、霧がすごすぎて何も見えませんでした。

 

 

 

 

 

 

晴れていたらこんな感じということで、2年前の夏の写真を貼っておきます。

いいねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人吉(くま川鉄道) 8:17(5分遅れ)/8:23

 

人吉に到着しました。

八代出発時10分の遅れがあったので心配していましたが、5分遅れまで回復し、無事に乗り換えも間に合いそうです。

 

 

 

 

 

くま川鉄道に乗り換えます。

 

 

 

 

 

先ほど申し上げた通り、肥薩線自体は既に2年前の夏にアクセスしているので、駅メモの新駅扱いとなるのはくま川鉄道がこの日初めてです。

数名の学生を乗せた列車に乗って終点の湯前に向かいます。

 

 

 

 

 

途中には、日本で唯一「幸福」の名前が付く駅である、おかどめ幸福駅があります。

大半の乗客が学生の路線ですが、ぼくのような観光客(?)も楽しめるような駅づくりをしています。

 

 

 

 

 

 

 

くま川鉄道の車内はこんな感じ。

田園シンフォニーという名のついた色違いの車両が5両あり、観光列車としても運行されていました。(この遠征の翌月に定期観光列車の運行は終了)

 

 

 

 

 


色の違った車両はそれぞれ季節のテーマを設定しており、内装も異なっているようです。

ちなみに今回乗ったこの車両のテーマは「白秋」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯前(くま川鉄道) 9:06/9:13

 

新規獲得駅:相良藩願成寺、川村、肥後西村、一武、木上、おかどめ幸福、あさぎり、東免田、公立病院前、多良木、東多良木、新鶴羽、湯前

 

終点の湯前駅に着きました。

湯前という名の通り、温泉もありますが、このあと1日3本しかない肥薩線に乗らなくてはならないため、7分で折り返します。

相変わらず乗ってきた列車で折り返すのは虚しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人吉(JR肥薩線) 9:55/10:08

 

人吉に戻ってきました。

くま川鉄道では人吉温泉駅と呼ばれていますが、JRの人吉駅と同じ駅です。

 

 

 

 

 

さあ、ここからは待ちに待った肥薩線。

ループ線やスイッチバックを駆使しながら山を越えていきます。

 

前回鹿児島から訪れた際に乗ったのは普通の車両でしたが、今回乗車するのは...

 

 

じゃーーーん!!

 

 

 

こんなの絶対鈍行遠征魔みたいな貧民乗れないだろ、ガハハ!!!とでも思いました?

 

 

 

 

 

よーーく見てください。

 

熊本⇔人吉は特急と書いてありますが、人吉⇔吉松は普通とありますね。

そう、人吉~吉松間は普通列車扱いになるのです。

 

そもそもこの区間は1日3本しか列車が来ないと書きました。

その3本のうち2本がこの観光列車「いさぶろう・しんぺい」です。

 

 

 

 

 

そうは言ってもやっぱり鈍行遠征魔には人権はありません。

本来特急列車である車両に特急券も買わずに乗る不届き者は、この写真の左下に写っている申し訳ない程度の椅子にしか座れないことになっています。

一応ここが自由席扱いです。

 

 

 

 

 

ちなみにこれから乗る「いさぶろう1号」ですが、ぼくのように人吉~吉松間の普通列車区間だけ、特急料金を支払わずに乗ろうとするクソ野郎には厳しいダイヤを設定しています。(それはそう)

というのも、「いさぶろう」に乗るためには、ここ人吉駅に着いていないと話になりません。

特急料金を渋る奴はもちろん八代方面からも普通列車で来ようとするわけですね。

 

しかし、八代~人吉間の普通列車は、先ほどくま川鉄道に乗る前に乗っていた列車以降走っていません。

八代駅6時58分発の次は12時49分発まで、およそ6時間普通列車はないのです。

 

つまり、八代から普通列車のみでこの区間を抜けるには、八代6時58分発に乗り、人吉に8時12分に着いてから2時間待って「いさぶろう」に乗る。

これしか方法がないのです。

言ってしまえば、青春18きっぷのみでこの区間を通過しようとするとこうなるわけですね。

 

 

 

 

旅名人のぼくはその2時間待ちの間にくま川鉄道を往復するという荒業に出ました。

くま川鉄道を往復したらちょうど肥薩線と接続されているなんて、このために設定されたダイヤかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがは観光列車。

各駅に止まって数分の自由時間があります。

旅情ですねぇ。

 

 

 

 

最初の停車駅、大畑。

この駅の駅舎に名刺を貼ると出世するとかなんとか。

 

 

 

ちなみにこの大畑駅、1日3本しか列車が来ないのは言うまでもないのですが、車で行くにもこんな道を通らないと行くことができません。

すれ違えるのか、これ。

てか誰がこの駅から乗るんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて停車するのが矢岳駅。

 

 

 

 

ここにはSLの展示館があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして最後に停車する真幸駅。

真の幸せと書く縁起の良さから、入場券も人気らしい。

写真に写る鐘は、幸せの度合いに応じて鳴らすもののようです。

 

 

 

 

 

 

そんな駅名とは反して、ホームには山津波の痕跡が残っています。

昭和47年7月豪雨によって斜面が崩壊し、土石流となってこのあたり一帯を飲み込んだとのことです。

この後、周辺に住んでいた世帯は移転を余儀なくされ、現在真幸駅周辺に建物はほとんどありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いているときにもまた災害が起きてしまいました。

まだ終わったとは言えない状況である今般の令和2年7月豪雨。

特に球磨川の氾濫で、この日に乗ってきたJR肥薩線とくま川鉄道は甚大な被害を受けました。

 

 

 

 

 

 

 

目を疑う光景です。

あの綺麗な球磨川が姿を変え、線路や橋を流し、車両までも飲み込んでいったなんて信じられません。

 

 

復旧には乗り越えなくてはならない壁が多くあります。

自分自身も少しでも復旧の力となれるよう、取り組んでいこうと思います。

そして、また球磨川沿いに鉄道が戻ってきたそのときには、必ず乗りに行きます。

 

 

 

被災地の1日も早い復興を願っています。

 

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吉松(JR吉都線) 11:22/13:06

 

終点の吉松駅に着きました。

 

 

今乗ってきた「いさぶろう」は、鹿児島方面に向かう観光列車「はやとの風」に接続されます。

熊本から「いさぶろう」で吉松に行き、「はやとの風」に乗り換えて鹿児島に行く。

これが普通の人のゴールデンルートでしょうね。

肥薩線をこよなく愛している人は、「いさぶろう」の折り返しとなる「しんぺい」に乗って人吉に戻るという選択肢もありますけど。

 

どちらにせよ、「いさぶろう」に乗ってきた人たちは、「はやとの風」に乗るか、「しんぺい」に乗るかの2択なわけです。

 

 

 

 

 

さぁ、鈍行遠征魔は...?

 

 

 

 

 

 

 

1時間40分待って普通列車。

 

 

 

 

 

 

ホームで「いさぶろう・しんぺい」と「はやとの風」が出発するのを見届けようと立っていると、駅員さんに度々煽られました。

 

 

 

「発車しまーーす!早く乗ってくださーーい!閉めますよーー!」

 

 

 

乗らないってのに。

そんなに乗らない奴が珍しいか。

 

 

 

 

 

この時間を利用してお昼ご飯探しに出ます。

何かあるかな。

 

 

 

 

 

 

この展開はまずい、コンビニ1軒見つからないパターンか。

あーあ、せっかく時間あるのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...あった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローソンのイートインにお世話になり、吉松駅に戻ってくると、誰一人いなくなったホームに普通列車が止まっていました。

 

 

 

吉都線に乗り、都城を目指します。

 

 

 

 

 

ちなみにこの列車が8時20分以来5時間ぶりの列車。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都城(JR日豊本線) 14:36/15:05

 

新規獲得駅:鶴丸、京町温泉、えびの、えびの上江、えびの飯野、西小林、小林、広原、高原、日向前田、高崎新田、東高崎、万ヶ塚、谷頭、日向庄内

 

都城に到着しました。

 

 

 

 

日豊本線に乗り換えて宮崎方面へ向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南宮崎(JR日南線) 15:56/16:47

 

南宮崎に着きました。

 

 

 

 

日豊本線の北側、大分方面は既にアクセスが済んでいます。

ということで、ここからは日南線となるわけですが、終点の志布志へ行く列車までは2時間以上あります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青島 17:12

 

宮崎で短時間の観光と言ったら青島。

このブログの愛読者様なら、前も来てたじゃんとツッコミを入れてくれるでしょうか。

 

 

 

 

その前回訪れた際の青島の様子がこちら。

あの有名な鬼の洗濯板が波に飲まれて見る影もありませんでした。

 

 

ということで、青島リベンジです。

 

 

 

 

 

さぁ、鬼の洗濯板は...

 

 

 

 

 

ありました!!!

 

 

 

青島リベンジ成功。

 

 

 

 

 

 

 

 

青島の近くには神話の湯という温泉施設があります。

今日の宿泊予定地の快活にはシャワー設備がないということで、ここで温泉にまで浸かってしまおうという旅情の塊のような作戦です。

日帰り入浴も可能で、1日550円入り放題。

タオル類の貸し出しも行っていたので、このように突然行っても大丈夫です。

 

 

 

 

最高すぎた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青島(JR日南線) 18:28

 

まじで帰りたい。

 

 

温泉にまで入ってしまい、もういつでも寝られる体制なのですが、駅に戻ってきたからには列車に乗らなくてはなりません。

何たって今日は5時から行動しているというのに、まだくま川鉄道と吉都線しかアクセスしていないのですから。

 

 

 

 

 

これから日南線の終点である志布志まで行く拷問。

あらためて確認しておくと、何の用事もありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

志布志(JR日南線) 20:31/20:36

 

新規獲得駅:折生迫、内海、小内海、伊比井、北郷、内之田、飫肥、日南、油津、大堂津、南郷、谷之口、榎原、日向大束、日向北方、串間、福島今町、福島高松、大隅夏井、志布志

 

志布志です。

せっかくここまで来たんだし、少し駅前散策を...

 

 

 

 

 

5分でできるわけないだろっっ...!!!

 

 

折り返しのこの列車が日南線の終電。

逃したらシャレになりません。

駅舎を撮影しただけで時間になり、急いでさっき乗ってきた同じ列車に飛び乗りました。

 

 

バカバカしい。

 

 

 

 

 

 

ちなみに、大隅夏井と志布志の2駅だけは鹿児島県の駅になります。

ということで、これで宮崎県もクリア。

 

 

 

 

 

本気で何やってるかわからないのですが、2時間半かけて再び南宮崎に戻ります。

運転手さんに通報されるのではなかろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南宮崎(JR日豊本線) 23:01/23:42

 

.......絶望です。

やらかしました。

 

 

志布志からの暇な暇な列車内で進捗状況を確認していました。

明日訪れる予定の鹿児島県難関廃線、宮之城線。

この路線が非常に厄介で、制覇するには今日もやるべきことがあったのです。

 

 

 

実は明日バスでこの路線の制覇に挑むのですが、バスとそこでのアイテム使用だけではアクセス不可能な駅が3駅存在します。

そしてその3駅のアクセスは、昼間に訪れた肥薩線の吉松駅付近からアイテムを使って取得するしか方法がないのです。

この3駅のアクセスのことをすっかり忘れていました。

 

 

色々代替策を考えましたが、どうやっても明日もう一度吉松に行くしか方法がなさそうです。

もうほんとに絶望。

お先真っ暗。

 

 

 

 

南宮崎駅近くのすき家で絶望の目をしながら夜ご飯を食べました。

 

 

 

 

 

 

 

 

都城行き最終列車。

 

 

 

 

 

都城に戻ります。

 

 

 

 

 

え......?

 

 

そう、都城に戻ります。

昼間、都城から宮崎に入ったばかりなのに都城に戻ります。

志布志まで折り返しただけで都城に帰ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都城 0:47

 

終わった。

やっと終わった。

 

もうこの先列車はない。

終わりだ。

 

 

 

 

 

朝の5時から20時間。

なのに新規獲得駅は40駅くらい。

しかも絶望的なミスをしている。

何の拷問だこれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

もう日付も変わっているので明日的な今日になりますが、本来なら始発を回避し、快活の朝食を食べてから鹿児島入りする予定でした。

7時頃に都城を出発するという、それはまあゆとりのある行程だったのです。

 

 

しかし、先ほど申し上げた絶望的なミスにより、吉都線の始発で吉松に行かなくてはいけません。

吉都線の始発って何時?

え?5時41分?

 

 

 

 

 

 

もういやだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

<その5>に続く