若手おいさんの日記

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200713_東海道新幹線を撮る

N700Sがデビューしてからまもなく2週間が経つ。新型車両、特に新幹線のそれを間近に見ることができるというのは、まるで童心に帰ったかのようにワクワクするものだ。

減価償却資産の耐用年数等に関する省令』別表第一によれば、新幹線車両の耐用年数は13年である。思い返せば、N700系がデビューしたのは2007年7月1日。あれからちょうど13年が経った2020年7月1日にN700Sが営業運転を始めたのは、きっと偶然ではないだろう。もちろん、Z編成・N編成を対象として後に施されたN700A化改造工事を考慮すれば、税法上の耐用年数は伸びたのだろうと想像されるが、いずれ発生する除却損などは微々たるもの・・・というのが、JR東海の哲学なのだろうというのは邪推だろうか。

ともかく、N700Sデビューの報を受けて「新幹線を撮ってみたい」と思ったのである。学生時分に小田原駅で、まだ300系新幹線が現役だったころにパシャパシャとやったことはあるが、それも結局は何かの“ついで”であって、純粋に新幹線を撮りたいという気持ちだけを動機とするものではなかった。

それが最近になってようやく、新幹線に対して「面白そうだ」という積極的な気持ちを抱くに至ったのである。どの会社の決算短信を見ても「先行き不透明な~」という文言が並ぶ今日において、たとえ一握りの物好きな人間らだけであっても、それらをして夢のある前向きなワクワク感を抱かせしめる鉄道という社会インフラは、とても明るく素晴らしいものなのだと、個人的に感じ入るところである。

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PENTAX KP + smc PENTAX-A ZOOM 70-210mm F4

1/1000 F5.6 ISO-640

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今日は雨だった。晴れも良いだろうが、こういう日も良い。時速200kmを優に超える新幹線は、もはやその存在自体が“普通”ではないので、一般的には悪条件とみなされる環境であっても、むしろそれを味方につけ、見る者を異次元へ誘ってくれるような可能性を孕んでいると思う。撮り鉄の中には「新幹線しか撮らない」という方々が一部おられるが、きっとその人たちは、まるで星空と対峙しているようなロマンと美しさに魅せられているのではないかと思う。

1964年の開業当時、新幹線はまだ日本固有の文化であった。しかし、長年の実績を買われてその技術の一部が台湾で実用に供され、近い将来にはインドにまで及ぼうとしている。新幹線という輸送モードは、文化から文明へと昇華しつつある。そのフロンティアを東海道新幹線に見た気がした。