こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

先日はTomixさんの新製品である急行「のりくら」セットのレビューをしましたが、その前後から他のキハ58系セットも続々入手しており、なかなか整備後もブログにまとめるパワーが残っていませんでした。このような中、今日は急行色の急行「砂丘」セットを整備しましたのでご紹介いたします。


相変わらずカッコイイケースですよね。これだけで購入欲がそそります。

 

セットは、基本の3両編成である<キハ58+キロハ28+キハ65>にキハ58を増結した4両編成となっています。初めから増結車込みで4連になっているのはTomixでは珍しいかと。「砂丘色」のセットも同じ構成でしたね。四国の急行「土佐」「うわじま」セットは3連なのに。あれこそ増結して4両で発売して欲しいものです。

 

では中を見てみましょう。

 

ハッキリ言って、あまり突っ込みどころがありません。付属品を取り付けて一部小加工をして済みそうです。

 

↑キハ65です。鳥取には、キロがキロハになった後の1989年の時点で、「3・9・80・81・85・513・515」がいましたが、大半が「エーデル」シリーズの種車になり転出し、一部がJR四国からの購入車で補充され1990年の時点では廃止時と同じ「3・42・68・80」の4両となっていました。Hゴムが黒い仕様であることから、「3・42・68・80」から選ぶとよいでしょう。キハ65の実車は、模型で分かるほどの大きな個体差はあまりないためどの番号を選んでも問題ないです。タブレットキャッチャーを使用していたため、ドア窓の破損を防ぐべく2枚折戸の前位側の窓は鉄板で塞がれていました。これは赤色の塗装で再現されています。

 

↑整備後です。付属パーツとして列車無線アンテナと種別幕(もちろん急行)を取り付けています。あと、毎回恒例で乗務員室ドアと後位側客室ドアのステップを黒く塗装しています。それ以外は特に加工点はありません。アンテナが若干浮いていますが、ゴム系接着剤が固まりかけたら上から「グッ」と押すとしっかり固定されます。

 

↑キロハ28 100番台です。キロ28 2500番台の改造で半室が普通席となりました。よって窓割の合わないボックスシートとなっています。ボックスシート車をアコモ改造して窓割が合わなくなる例は多々ありますが、リクライニングシート車をボックスシートにして窓割が合わなくなる例なんてこのキロハ28くらいなのではないでしょうか? この新断面のキロ28やキハ65は妻板と屋根板の合わせが若干気になりますが、埋める改造をするパワーも無いので、このままです。

 

↑加工点は、デッキの乗降ドア床下ステップを成形色のグレーから黒く塗るくらいです。これにより目立たなくなるので、何をしたのかも良く分かりません。

 

↑M車で基本編成のキハ58です。単品と似た仕様ですが、テールライトが外ばめ式になっていて、9・10次車(549~654)に該当します。次の11次車は通風器が増えたグループですが、冷房化の際に撤去されている例が大半であるし、デッキ通風器が別パーツで付属しているため、この11次車(655~733)としても使用可能です。12次車以降はテールライトが外ばめ式になるため該当しません。

 

 


↑T車で増結用のキハ58です。便所窓が横長になった平窓車の最終モデル14次車(794~799、1000~1052)になります。鳥取には1041~1048がまとまって在籍していましたので良い選択でしょう。しかし折角の目玉車両なのだからT車で増結用ではなくM車にすれば良いのに。まあ、床下を入れ替えるだけですが。番号と時代によってはデッキの通風器が残っていますので、付属の通風器パーツで再現します。私は面倒なので通風器撤去車を選んでいるため特に加工はしません。

 

↑左が14次車、右が9・10次車です。テールライトの他、標識灯掛けの形状も再現されているので、特にコメントはありません。山陰地区では2000年頃までタイフォンを改造することがありませんでしたので、この当時は模型のシャッター式タイフォンが大半になります。

 

加工後です。

↑M車は基本編成であるため実車に即しホロ付きとしています。山陰地区では黒ホロが主流でしたので、幌の枠の部分を黒く色入れしてあります。これだけでそれっぽく見えます。その他は、いつものごとく、乗務員室床下の機器箱をカットし、乗務員室ドアステップを黒く塗装しています。あとは付属品(排障器・種別幕・アンテナ)を取り付けて終了です。そんなに手を入れる箇所はありません。

 

乗務員室床下の機器箱は、Tomixさんの模型レビューの際には毎回話に出ますが、室内蛍光灯用の電源を入れた箱になります。これは400番台の初期、5次車の440番までにしかありませんので通常はカットして使います。しかし、キハ58の1044と1048にはこれと似た箱が床下にありました(何の箱なのかは今となっては不明)ので、これをモデルとするのであれば切らなくても良いでしょう。

 

あと、お手軽な加工で済むポイントは・・・

 

↑写真は鳥取のキハ58 1047です。2000年の撮影なので屋根上を中心にすでに色々改造されていますが・・・。後位側で見にくいですが便所窓に注目すると、完全に白色ガラスです。JR化後はこのように白色ガラスが主流でしたので私のイラストも全て白で描いています。ですので模型のガラスも白く塗ると効果的でしょう。私はまだ白色塗料を入手していないし失敗すると怖いので手を付けていません。

 

最期にインレタを見てみます。

9・10次車に該当するキハ58のM車は、「638・639・640・652」で1990年当時鳥取にいた10次車すべてが入っています。

14次車に該当するキハ58のT車は、「1041・1042・1044・1049」が入っています。1041~1048はもともと鳥取の生え抜き車で、1049は1989年にキハ28 2199と共に小郡からやって来たグループになります。そして1049は1994年には米子へ転じます。1049は元小郡車であることもあり細部が1041~1048と異なり、前位側デッキ上にも通風器が残っていますのでどこからか箱型ベンチレータを持ってきて付ける必要があります。

キハ65は前述の「3・42・68・80」と、当時いた4両全てが網羅されています。

キロハ28も存在していた101~104全てが網羅されています。

よって、インレタはどれを使っても問題なさそうですね。Tomixさんの実車研究ぶりには頭が下がります。

 

いかがでしょうか。基本的に大きく手を加えなくてもそのまま楽しめるセットになっていますね。キロハ改造された1988年3月から1989年3月の間は、まだ急行「みささ・みまさか」なんていうのもあり、このうち「みささ」は津山で分割後「砂丘」と併結して鳥取まで行っていました。こんな分割併合を繰り返す急行がJR化後も残っていたなんて少し驚きです。この「砂丘・みささ」の編成は、

 

砂丘 :米トリ<キハ58+キロハ28+キハ65>+みささ:本ムコ<キハ58+キロ28+キハ65>

 

となっており、砂丘はキロハになっていたとはいえ、グリーン車を2両も連結した超豪華編成になっていました。「みささ」のキロは後の急行「たかやま」と同じで、ユニットサッシの2100番台と新断面の2300番台・2500番台でしたのでこれも曲者です。Tomixさんが急行「みささ・みまさか」を模型化したらこの「砂丘」セットとの併結も楽しめますね。

 

是非私のホームページ

 

http://kami-kitami.sakura.ne.jp/index.html

 

にも各車の解説がありますのでご覧になってください。