インドネシアへの譲渡のために元武蔵野線205系の千葉貨物駅への甲種回送がここ半年の間で何度か行われた(これからもあるのかな?)のは周知の通りだが、それらの車両たちが輸出待ちの状態で今も千葉港の片隅に置きっぱなしになっているという。このようなことはまたと無いと思い、行ってきた。

 

 

京葉線の千葉みなと駅ガード下の道路を直進するとすぐに千葉港の敷地内に入ることができる。既にTwitterに上がっている写真より特定した地点に向かう。埠頭を半周する道路沿いに居るはずだが、なんとその入口には侵入禁止の立て看板が・・・。一瞬困惑したものの、Twitterに上がっている写真は大体数日前とかだしそんなはずは無いと思いつつ、その一つ手前の道から裏に回ってみる。

 

 

 

 

予想していたよりも、周りの風景に溶け込んでいる印象だった。初夏の日差しが照りつけるアスファルトの慣れない熱さを前にして、なんとなくぐったりしているように見えたからだろうか。ちなみに事前に得た情報によると、手前の金網に触れると警報が鳴り、警備員が飛んでくるらしい。本当にそうなのか試したくなったが、国際問題にもなりかねないのでやめといた。とはいえど、輸出においては(少なくとも鉄道車両の輸出においては)相手国側との折衝の後の段階で問題が生じることが多いように感じる。最近では輸出予定だった24系が相手国側の都合で数年間港で待ちぼうけを食らい、結局おじゃんとなってレールの上にまた引き戻された、なんて顛末の事例もあったりした。まあ鉄道車両譲渡におけるインドネシアとの取引の実績はかなりあるため、今回に至ってはその心配は皆無と言っても良さそうである。ともあれ、205系の活躍はまだまだ続きそうで何よりだ。

 

 

 

千葉港を出て、京葉臨海鉄道の撮影に向かう。本数は少なめだが、丁度良い時刻に列車がやって来るため、あの北袖分岐点での有名な撮影地で撮ろうと思う。

 

 

この北袖〜京葉久保田付近は高圧電線と並行しているため、もれなく画面上部がうるさめの写真が撮れる。でもこれはこれで幾何学的で良いかもしれない。

 

 

そして有名なのはこのアングル。今回は京葉久保田に向かう列車であるから機関車を前面に見据えた写真は撮れなかった。それにしても線路以外に余計な物がほとんど見られないこの構図は、上手い人が撮ればさらにその良さが際立つのにと口惜しく思う。しかしとにかく本数が少ないため、こういった貨物線の撮影には丸一日費やさないと満足したものは得られないだろうことを痛感した。

 

 

最後は問題となったいつかのキハ40(キハ40自体は問題ではないが)を見に、五井駅へ移動。相変わらずの国鉄時代然とした構内には感に堪えざる思いがするが、赤の中に混じった緑はやはり目立つ。ところでキハ40の重量だと小湊鐵道のレールを走れないみたいに言われていたけれど、あの問題はどうなったのだろうか。

しかしこの譲渡のおかげで、現在房総半島にはキハ52、キハ28、キハ40といった国鉄型気動車のスリートップというべき車両たちが同時に存在していること思うと、やはりこれからの千葉の鉄道事情からは目が離せない。

かつての國鉄広島、國鉄新潟のように國鉄千葉なんて呼ばれる日もそう遠くないかもしれない。