[秩父紀行27] 秩父を支える石灰石鉱業に触れる | ドリームハウス南蘭得 - 秩父とダムと鉄道と。

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また、1~2か月に1回程度「秩父紀行」を投稿します(予定)。

こんばんは。

 

先日、都知事選がありましたね。

私は都民ではありませんが、Twitterで小池さんに対する批判的な意見を多く見かけたのでどうなるのかな?と注目していましたが、やはり知名度の高さから (?) 元のままになったようです。公約達成ゼロで再選したということは、都民にとって他の候補者はマイナスってことなんですかね?それと同時に、多数派だと思っていたTwitterでの批判意見が世の中では少数派になるのだと思い、ネットの世界の狭さを実感しました。

都知事選といえば、どっかの新しい太郎さんが満員電車での感染リスクを訴えていましたが、夜の街で大人の遊びをした人たちの中にも電車で帰った人はいるでしょうし、仮に満員電車が感染の要因だとしたらもっと急激に増加してるのでは?と思います。それに、最近の電車はほぼ全員がマスクをしていて窓開け換気もされていますから、少しも3密ではありませんからね。

 

実際のところ、「マスクや手洗いうがいなどの感染対策を正しく行っている人」と、「マスクさえ着けていればいいと思っている人」と、「マスクを付けずに物理的濃厚接触ばかりしている人」では感染率がどれくらい違うのか気になるところ。差が無ければ感染は運ゲー、暑さを我慢してマスクをするのは無意味ってことになりますし、逆に大きな差があるのなら「正しい感染対策ができていれば自粛しなくても問題ない」ということになります。まあきっと後者でしょうが、いずれにせよこれまでの「イメージだけの自粛要請」が覆されることは確かです。

 

 

雑談が長くなりました。

 

今日は、

 

【秩父紀行#27】秩父バス乗り潰し旅~三沢線前編~ (2020/6/27)

 

【秩父紀行#27】秩父バス乗り潰し旅~三沢線後編~ (2020/6/27)

 

の続きです。

後編は時間の都合上未作成ですが、そのあとの話の方がすぐに終わりそうなので先に書くことにします。

 

皆野駅からあの花ラッピングのバスに乗車。

「乗りつぶし旅」ということなので、これまでバカみたいに歩いてきたバス通りの道のりを一気に戻ります。

 

☆乗車記録

西武観光バス三沢線 西武秩父駅行

皆野駅 (14:23) → 坂氷 (14:55)

 

秩父駅の少し手前の坂氷でバスを降り、羊山公園にある武甲山資料館にやってきました。

 

秩父のシンボルともいえる武甲山。

秩父市街側 (北側) の半分だけが削れている不思議な形をしていますが、あれは山の北側と南側で構成成分が違うことに起因しています。

 

北側の部分は、かつて秩父が海底に沈んでいた頃の名残である石灰岩 (←いちおう補足、石灰岩はサンゴや貝などが堆積してできたものです) で、反対側の南側の半分は、火山堆積物由来の凝灰岩で出来ています。凝灰岩はもろく劣化しやすいため用途は少ないのですが、石灰石に含まれる炭酸カルシウムはセメントの原料になりますから、産業の発展により石灰石が求められると採掘が行われるようになったというわけです。

ちなみに、セメントに石や砂などの骨材 (簡単に言えばコストを抑えるためのスペース稼ぎ) や混和剤 (硬化時の強度を上げたりする薬のようなもの) を加えたものがコンクリートになります。

 

コンクリート工学の授業で学んだことがここで初めて活かされました笑

 

もちろん、採掘が行われる前までは、武甲山もハゲ山ではなく普通の山。「武甲山 昔」と検索すれば写真はいくらでも出てきますし、この武甲山資料館にも飾られていますが、今の武甲山の姿を先に見てから元の写真を見ると、少し不思議な感覚になります。

しかし、ハゲ山は土砂災害のリスクがありますし、最近は環境問題が注目されていることもあり、昔の武甲山の姿に戻すための緑化プロジェクトも行われているそうです。

 

※撮影許可済

授業で習った色んな種類のポルトランドセメントを生で見れて感動しました。

セメントを構成する成分は性質の異なる4種類に分かれていて、使う目的に応じてその4つの成分の割合を変えて作られています。例えば写真の右にある「早強セメント」であれば、4成分のうち早い段階で強度を発現する成分が多く配合されているということです。授業で習ったものでいうと、他には「中庸熱セメント」「低熱セメント」 (ひび割れの原因となる反応熱の温度を下げる) 、「耐硫酸塩セメント」 (海水などとの化学反応をしにくくする) がありました。

 

さて、秩父の石灰石輸送といえば秩父鉄道の貨物列車が有名ですが…

一番驚いたのは、採掘された石灰石をベルトコンベアで輸送するルートがあるということ。中でも、同じ秩父地域にある叶山鉱山のものは全長23 ㎞ もあるようです。

 

これがそのベルトコンベア。

 

もちろん一般人は中を見ることは出来ませんが、試しにググってみると、秩父橋付近でベルトコンベアが地上に現れて橋がちょっとだけ見れるとのこと。

本来はこのへんで早めに切り上げるつもりだったのですが、バスのフリーパスもあることですし、これは見に行かないわけにはいきません。

 

ということで、あの花の聖地である秩父橋を横目に通り過ぎ、現地へと向かいました。

 

川の向こう側に工場が見えます。

今回見に行くベルトコンベアはあそこまで石灰石を輸送しています。

 

ところが、行きあたりばったりで来てしまったので川沿いに出る道をなかなか見つけられず…。

 

途中、市街地なのに腕くらいの太さのヘビにも遭遇しました。ペット○コ以外で見たのは初めてかもしれません。アオダイショウだったので近づいて観察してしまいましたが、秩父にも毒ヘビはそれなりにいるようですから、むやみに近づかない方がいいかもしれません。

てか、一人で秩父を歩くうえでクマに出会ったときの対処法はチェックしたことがあるのですが、よく考えたら毒ヘビに遭遇した場合はどうすればいいのか、今まで全く知らないまま生きていました。

 

40分くらい歩いてようやく発見。

 

見つけたけど遠い。遠いけど凄い!

こんな山奥なのに、あの中に23 ㎞ もの長さのベルトコンベアが通っていて、そこを石灰石がひたすら流れて送られてくると考えると本当に凄いですね。

トンネル工事というと、黒四ダムのように工事の苦悩がドラマとして伝えられることがありますが、そのような道路や鉄道のトンネルと比べると超マイナーなこのベルトコンベアでも、それと同じかそれ以上に凄い技術と苦悩が詰まっているような気がします。

 

小鹿野町にもう1か所見れるところがあるらしいので、機会があれば見に行きたいです。

 

今回のさまよいマップです。ご参考までに (?)

無駄に4 ㎞も歩いていたようです。

 

そして、この日は1日で23 ㎞も歩いていたようです。渋谷~横浜間が25 ㎞なのでそれと同じくらいですし、偶然にも先ほど紹介したベルトコンベアの長さとも一緒でした笑

 

おかげで翌日は両足が上から下まで漏れなく痛くなりました。

長い長い自粛生活明けの一発目にやることでは無かったですね。

 

 

ということで、今回は以上になります。

今日もご覧いただきありがとうございます。

 

訪問日: 2020/6/27

 

 

 

――― 秩父紀行について ―――

 

秩父に魅力を感じ、地元横浜から月に1回ほど通っている私が、秩父の魅力をお届けしています。過去の記事も併せてご覧いただけると嬉しいです。

 

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※番号は個人的な記録用として訪れた順番に付番したものであり、記事の順番とは無関係です。