寝台特急「北斗星」の深き沼 その12 | 夜汽車の汽笛への憧情

寝台特急「北斗星」の深き沼 その12

毎度ご覧いただきありがとうございます。

 

気がつけばもう7月ですねw

長々とご覧いただいている「北斗星の深き沼」シリーズ。まだまだ続きますw

 

今回は「ソロ」及び「デュエット」を紹介したいと思いますが、両方とも車両を持っていないので、写真は「ロイヤル・デュエット」や「ソロ・ロビー」からの代用となることを予めご了承ください。

 8月中頃半ば衝動買いで入手してしまいましたw

と言うわけで、画像を差し替えのうえ、すこし記事内容も変更します。

 

 

第七章 「ソロ」「デュエット」

 

「ソロ」及び「デュエット」はB寝台の個室寝台です。

「ロイヤル」絡みで一度記述していますが、もう一度概要を書きますと、「ソロ」は安価なB寝台料金で利用できる一人用の個室、「デュエット」は同じくB寝台料金で利用できる二人用の個室です。いずれも廉価であるためスペースはカプセルホテル並ではありますが、プライベートな空間を占有できることで人気コンテンツとなっていました。

 

さて、「北斗星」における「ソロ」及び「デュエット」は「ロイヤル」や「ロビー」併設でスタートしましたが、その売れ行きに自信を深めたJR北海道は1991年以降に自ら担当する1・2号のB寝台を順次全個室化する計画を立てました。その際に登場したのが全室の「ソロ」及び「デュエット」車です。

もう一方の運行事業者であるJR東日本は収容力を重視したためか、開放B寝台を引き続き使用することにしたため、全室の「ソロ」・「デュエット」はJR北海道車のみとなりました。

 

さて、「北斗星」の「ソロ」及び「デュエット」は一社のみと言うこともあって、それぞれ1形式番台区分のみです。

さすがにオロハネ25形550番台のように「ソロ」と「デュエット」が続き番号と言うことはありませんでしたが、デュエットについては2期に分かれて登場しているので、細かな仕様の差異が発生しています。

それでは、それぞれ見ていきましょう。

 

・オハネ25形550番台

 

1991年に登場した全室「ソロ」客車です。24系25形を名乗っていますが、JR北海道得意の14系改造車ですw

デッキ横に車掌室がついているのが特徴で、元々オハネフが連結されていた5号車に連結されていました。

ソロの構造は「ロイヤル・ソロ」や「ソロ・ロビー」と同じ、上下の部屋が互い違いに配置される中二階構造で、全部で17部屋。元のB寝台の約半分の定員と言う事になります。

北斗星1・2号のみで使用するため2両だけの少数派です。運用で必要な両数ギリギリしか無いため、検査等で外れる時は「デュエット」車で代用したり、解放B寝台車を使ったりしたようです。

上で少し触れたとおり、2両はいずれもJR北海道お得意の14系改造車ですが、なんと座席車のオハ14形500番台からの改造でした。そのため車体は新製に近く、551と552で殆ど差違は無いようです。

 

外観上は客室側は小窓が上下互い違いに並ぶ「ソロ」特有の窓配置で、トイレ窓は当初存在しましたが、比較的早期に埋められたようです。

デッキ横には車掌室の小窓が付いています。
 
 
通路側は車掌がドア扱いするための確認用小窓がデッキ横にあるのが特徴で、また、方向幕が通路窓近くに配置されているなど、一見普通の14系寝台車の様でありながら、細かく見ると独特なレイアウトとなっています。

帯はいわゆる「アルコン帯」でJR北海道の北斗星車両特有のエンブレムも付いています。

B寝台車ながらちょっとリッチな感じですねw

他に面白い特徴としては、号車札が種別サボのような幅広のものになっています。

 

室内のレイアウトは基本的に「ソロ・ロビー」や「ロイヤル・ソロ」と同じですが、扉のロックがテンキー式だったり、押さえ金具の色が異なったりと細かな差違があるようです。

模型ではこんな感じです。

2階部分は導光材を通すため省略されてしまっていますが、狭い部屋が上下交互にズラリと並んでいることがわかります。
 

Hゴムについては、ドアのみ黒色。ドア上の行灯と方向幕は灰色です。模型メーカー泣かせですねw

 

さて、模型はTomixは「北海道編成セット」及び「混成編成セット」で模型化しています。いずれもトイレ窓の消えた2000年頃以降の姿になってるようですね。KATOはDX編成で製品化しており、やはり晩年のトイレ窓無しの姿です。両社製品ともHゴムは黒なので、気になる方は方向幕の方を色差ししましょうw

 

・オハネ25形560番台

 

 

1991年に登場した全室の「デュエット」客車です。

こちらは車掌室なしで個室が13部屋備わっており、「ロイヤル・デュエット」車のデュエット部分同様、上下互い違いの中二階構造になっています。「ソロ」よりは若干人口密度高めといったところでしょうかw

模型の室内はこんな感じです。
模型はライトユニットの導光材をとおすため2階の室内が省略されてしまっていますが、二人用の部屋が上下交互に配置されてる様子がわかります。
 

客室側の外観はこんな感じです。「ソロ」とよく似ていますが、「ソロ」と比べると窓が横に広く、ゆとりのある配置になっています。
 

さて、このオハネ25形560番台は、個室化を始めた1991年改造組と、追加で連結された1997年改造組が存在し、それぞれ種車が異なるJR北海道得意?のカオス構成ですw

 

1991年改造グループは2両で、番号は561,562になります。こちらはソロ同様、座席車のオハ14形が種車となっており、車体はほぼ新製されています。各部の特徴は「ソロ」と共通部分も多く、14系由来のHゴムドアや、車掌窓が無いことを除けば通路側の一見普通でいて特異な窓配置も同じです。
 
客室側の外観はこんな感じ。客室側に比べてずいぶんとシンプルですねw
帯はいわゆる「アルコン」帯で、エンブレムも誇らしげに装備していますw

方向幕が特異な位置にあるのも550番台と同様ですが、同時期に改造されているためか、561と562の間での差異はほとんど無いようです。また、「ソロ」同様、号車札が種別サボのような幅広のものになっています。「ソロ」同様、トイレ窓については早期に埋められたようです。

Hゴムについては、「ソロ」同様、ドアのみ黒色。ドア上の行灯と方向幕は灰色です。こちらも模型メーカー泣かせですねw

室内は基本的にオロハネ25形550番台の「デュエット」と同じですが、やはり扉のロックがテンキー式に変わっています。

 

一方、1997年改造グループは、これまで種車となっていた14系が枯渇したのか、JR北海道では珍しく「北斗星」で使っていたオハネ25形が種車になりました。こちらは正真正銘の24系25形というわけですねw

 

客室側の外観はこんな感じです。オハネ25形の窓配置が生かされていて、デッキ寄りに狭い窓が見られます。

こちらは4両の勢力で、番号は563〜566となります。例によって例の如く、種車違いで続番号という旧型客車のような構成になってますw

外観や内装の仕様は基本的にオハ14改造の561,562と同じですが、種車の違いによる細かな差異が発生しています。

大きな差異は通路側の窓配置で、14系改造車(上)が大窓9個なのに対し、オハネ25改造車(下)は種車を引き継いで狭窓+大窓8個となっています。窓のピッチもちょっと異なっていますね。通路側の方向幕については、24系改造車は14系改造車に比べてさらに内よりに配置されており、元非常口があった場所に取り付けられています。このため非常口の痕跡は全くなくなっています。
客室側については先行2両とはあまり差がなく、ドア窓が金具固定であることと、号車札が通常サイズであること位でしたが、なぜかこのグループはトイレ窓が埋められることなく運行終了まで残ったままで、窓が埋められた先行2両との大きな差異となっていました。

基本的に563〜566の中では差異はほとんど無いのですが、564だけは種車が0番台(他は100番台)であるためか、種車同様車番の位置が異なっていました。

Hゴムの色は1997年改造にもかかわらず全て灰色のようです。よくわかりませんねw

 

さて、模型はTomixは「ソロ」同様、1991年改造車、1997年改造車とも「北海道編成セット」及び「混成編成セット」で模型化しています。いずれも1991年改造車はトイレ窓の消えた2000年頃以降の姿になってるようです。両方が入っているのでナンバーを付ける際は注意が必要です。弾数はそれなりにあり、それほどバカ高いわけではないですが、発売時期が結構前なので、中古市場からも枯渇気味のようですね。

KATOはDX編成セットで製品化しており、こちらはナンバー付きで562,563,566がセットに入っています。ちゃんと562とそれ以外は作り分けされています。DX編成は2008年以降なので、562はトイレ窓無しの姿です。

両社製品ともHゴムは黒なので、気になる方は方向幕の方を色差ししましょうw

 

以上、今回はここまでです。

予め申し上げたとおり、模型を持っていないので写真が少なく、しかも代用ばかりですみません。

 念願叶って?入手したので写真特盛りになりましたw(8/19)

 

さて、いよいよ車両紹介シリーズも終わりに近付いてきました。

次回は電源荷物車について書いてみます。一見縁の下の力持ちですが、「北斗星」の電源車はなかなか曲者揃いですw