戻ってきた「夜に到着する踊り子号」

横浜駅7番線に停車中の土休日運転・185系特急踊り子20号東京行き(2020/7/5)

横浜駅7番線に停車中の土休日運転・185系特急踊り子20号東京行き(2020/7/5)

7月に入り、踊り子号の臨時列車も運転再開となった。

その中の一つ、185系で運転される「踊り子20号」は、土休日(と繁忙期)に運転される列車である。伊豆急下田駅を夕方17時前(16:56)に出発し、横浜(19:31着)、東京(19:58着)など都心部には夏でも空が暗くなった時間帯に到着する。

この列車の設定の肝は、伊豆急下田駅を定期列車「踊り子18号(池袋行き)」や週5日運転の臨時列車「サフィール踊り子4号」よりもさらに遅い時間帯に発車するというところにある。土休日や多客期に、少しでも長く伊豆方面に滞在したい観光客らが乗車を狙う列車となる。

この特徴は運転形態が変わった今春のダイヤ改正前から同様で、ただし列車名等が違っており、踊り子20号の時間帯に走っていたのが「踊り子118号」、他の伊豆急下田16時台発の列車として踊り子18号の前身である定期列車「スーパービュー踊り子10号(池袋or大宮行き)」、サフィール踊り子4号の時間帯に設定されていたのが臨時列車「マリンエクスプレス踊り子76号」であった。

スーパービュー踊り子号・マリンエクスプレス踊り子号は全車指定席であり、定期列車で自由席が連結された最終特急は伊豆急下田を15時過ぎに出発する「踊り子114号」(現・踊り子16号)だったので、自由席で帰ろうとする場合には、土休日などは踊り子118号の存在によって2時間近く伊豆方面の滞在時間が延びていたことになる。

現在走っている踊り子18号はE257系充当で自由席もあるため、その意味では(新宿方面行きとはいえ)定期列車レベルでの特急自由席利用前提による伊豆滞在時間は1時間延びているが、依然としてさらに1時間ほど遅い時間帯に、土休日・繁忙期のみ臨時列車が設定されている。それが現・踊り子20号である。

土休日運転の185系踊り子20号と、先日開業したNEWoMan横浜のデッキ(2020/7/5)

土休日運転の185系踊り子20号と、先日開業したNEWoMan横浜のデッキ(2020/7/5)

休日に伊豆をギリギリまで楽しんで乗る列車、そんな踊り子20号には今のところ185系が充当されているが、「伊豆の旅+185系」の組み合わせも早ければ今年度限りとなる。時勢的にまだ気をつけなければならない時期であり、また特に日曜日の自由席は今後混雑していく傾向にあるかもしれないが、落ち着いた頃という前提で一つの風情としてお勧めしたい列車でもある。

 

なお、最繁忙期に限ってはさらに後の時間帯にも臨時踊り子号が設定されている。今年の夏に設定されているのは8/8, 9, 10のみ運転のE257系充当「踊り子58号」であり、「伊豆急下田18:18発、東京21:15着」という時間帯に走る。ダイヤ改正前に設定されていた「スーパービュー踊り子14号」は伊豆急下田発17時台(17:57)・東京着20時台(20:43)だったので、さらに遅い時間帯に設定されていることになる。