6月の中頃、久しぶりにまとまった小旅行をすることにしようと思い立った。行先はまだ特に決まっていないけれども思い立ったらなんとやら、すぐに最近支給された10万の束から1枚抜き取って駅に向かい、土日有効の週末パスを買った。とりあえず基本的に課題に追われて暇が無い土日ではあるが、前乗りで購入することが義務付けられているこの切符のおかげで、近年稀に見る集中力を発揮し、晴れて明日明後日の終日オフ日を獲得できた。そして結局、掲題の通り新潟地区の115系を乗り回しに行くということでこの旅の主旨は一応落ち着いた。

 

 

 

 

そして翌朝、雨が降っており、起き抜けに早速うんざりするハメになる。振り返ると今年の6月の土日はいつも雨が降っていた気がする・・・。

 

ともあれ、最寄りの駅まで歩き、雨の粒子が纏わり付いた電車を乗り継ぐこと2時間、高崎駅に着いた。

ホームに漂う国鉄独特の匂いは、今は寂れてしまった信越本線、上越線の二大幹線のジャンクションであった頃の荘厳な風格を未だにそこに誇示しているかのように思えた。その匂いに、雨に濡れたコンクリートから立ち込めるペトリコールが混ざり合うと・・・あー、すこぶる良い心地になってきた。

 

ここより先は上越新幹線で長岡に出る。

新幹線ホームにはほとんど人がいなかったため、吹き抜ける風を肺いっぱいに吸い込むことができた。

 

上越国境の霧深い山岳部をトンネルでやり過ごすと、すぐに越後湯沢に着いた。

越後湯沢といえば、苗場スキー場の最寄り駅である。毎年2月に我らがユーミンがそこでコンサートを開くのだが、ここ近年はずっとご無沙汰していた。来年は久しぶりに応募してみようと考えている。まあ出来れば今年のvol.40に行きたかったのだが、色々とあって叶わなかった。ただメモリアルな年ということで、初の試みとなるライブ映像の有料リアルタイム配信を実施してくれたため見れたには見れたのだが・・・大分話が逸れた。

 

ちなみにここまでまだ一枚も写真を撮っていない気楽さ、こんな旅も悪くないだろう。

 

 

長岡の駅ビルは思っていたよりずっと栄えており、無印もジュピターもマツキヨもある。そうなると旅行趣味などとは全く無縁そーなイマドキ風の若者が多いためなのか、心無しかカメラを持った場違いなオレにjcjkの視線が刺さってくる(ような気がする)

 

周囲を軽くぶらついてから在来線ホームに入場する。すると、居た。本日のメイン(まだ午前10時だけれども)

 

 

弥彦線色の500番代クモハがなぜ4両なんだ、と一瞬真剣に考えてしまったが、これは復刻塗装なのだった。

この3481Mは信越本線に残る数少ない115系を使用した運用の一つであり、しかも快速のため、うるさいくらいMT54を堪能できるというわけだ。この列車に乗ることを前提としてこの旅をスケジューリングしたのだ。この列車に乗っている間はイヤホンで音楽を聴くなんてもってのほかである。轟くブロワ音に耳を澄ませ、モーターを肌で感じろ。

 

沿線には撮り鉄もちらほらいたが、分別の無いガキ鉄は居らず、まったりとしていたのもまた良かった。それはそうと、こうして国鉄型車両で、ボックスシートの旅が出来るというのも貴重になってしまったのだなあと感慨に浸りつつ、新津に着いてしまった。

 

 

短い間ではあったが、とにかく満足、これに尽きる。J東でこうした115系に乗車できるのももう最後かもしれない。次なる目的地はJ東の115系が動くもう一つの区間、越後線に乗車する。