7月になりました。
相も変わらず全く仕事しない空にお気持ち表明を飛ばしながら今日も雑記です。

家の棚を整理していたら環状線関連の資料が結構出てきたのでそれらをまとめる前に、まず軽く環状線について書いてみます。


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今更大阪環状線って何?っていう話は必要ないとは思いますが、その名の通り大阪中心部をぐるりと一周するJR西日本の環状路線です。
国鉄時代から民営化を経て現在に至るまで一貫して国電屈指のドル箱路線ですが、2014年まで車両だけで無く色々な設備が更新されず時代が止まっていた所でした。というか関東だと山手線のポジションにあたるような路線に国電が2019年まで走ってるのはもはや事故の域ですね


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改めて路線図。
山手線が複数路線の集合体であるように、こちらも複数路線が合わさってできあがった路線です。
ただ、山手線と違って「ここからこの区間は所属的には別路線」という区間は少なく、新今宮~天王寺の1駅間のみが関西本線の扱いで、それ以外は全て環状線の所属となっています。
また、西九条からニュッと西に伸びる路線は「ユニバに行くやつ」ことJRゆめ咲線です。ただこの名前は愛称で、正式名称は桜島線と呼びます。


先にも軽く述べたとおり環状線は複数路線の集合を繋ぎ合せたもので、1961年に「大阪環状線」として環状路線が生まれています。それまでは各路線が別の扱いになっていました。
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各路線がどういう分かれ方をしていたかについてはおおかた図の通りになっています。
この図にある城東線や西成線、関西線はいずれも私鉄として開業した路線ですが、1906年発布の鉄道国有法(大規模もしくは重要となり得る全国の私営鉄道を強制買収し、国有化するもの)によりいずれも国有路線となっています。

このうち、城東線は開業当時は非電化の地上線でしたが、1932年に高架化と電化が行われ、それにあわせて寺田町、鶴橋、森ノ宮の3駅が追加で開業しています。
また環状線開業前まで西成線福島駅~西九条駅も地上線でしたが、1964年までに高架化工事が行われました。

また、環状線の駅開業年を見ると大阪城公園駅と今宮駅の開業年が突出して新しくなっています。大阪城公園は単に新設駅ですが、今宮駅については同駅の高架化にあわせて新しく環状線ホームを設置し乗降できるようになったのがこの年であり、今宮駅自体は1899年の関西鉄道時代から存在しています。



続いては車両について。
環状線開業前でも全線電化の後から城東線と西成線の直通運転は行われており、時期によって異なりますが旧型国電2~6連で運行されていました。この頃は両路線内完結の折り返し列車も多数設定されていたようです。
1958年からは全列車6連化が行われ、ここから101系が投入される1961年までの3年間は旧型国電による編成に統一されています。


大阪環状線が開業した1961年4月はまだ旧型国電のみで、この後11月に101系が投入されました。
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開業当時は旧西成線区間である西九条駅~福島駅がまだ地上のため周回運転はしておらず、桜島~西九条(地上ホーム)~大阪~京橋~天王寺~西九条(高架ホーム)という特異な形態で運行されています。
そのため、環状線開業直後の方向幕の掲示はこうなりました。どう見ても桜島線ですが、環状線です。

この翌年に環状線と桜島線の車両が全車101系となり、更に2年後の1964年に西九条駅の高架化が完了したことでようやく環状運転が始まっています。
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そして環状運転直後の101系の姿がこれ。まさかの白幕。
あらかじめ用意しとけよって話なのですが、環状運転開始直後は「大阪環状線」の幕は入っておらず、完全に開き直って白幕で運行されていました。
大阪鉄道管理局初の環状路線で幕の記載方法に迷ったのでしょうか。環状運転開始の記念装飾が駅に施された下に並ぶ白幕の101系は滑稽とも言えます。


その後環状線は1969年に103系導入、70年8連化開始、76年全列車8連化と変化していきます。

民営化後は1991年に101系引退、2005年に201系導入と続きますが、ここまで他路線から流入してくる車両はさておき自路線の普通列車にJR車の導入される気配は全くありません。
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結局、肝心の環状線の車両が所属する森ノ宮電車区は2016年までずっとJR車所属率0%という驚異の数値を叩きだしていました。この頃既に山手線ではE235系が導入されています。ここ大阪の中心部だぞ…


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そして2016年、ようやく新車の323系が導入されました。
先の201系が東海道線からのお古なので、新車の直接投入は形式としては約45年ぶり。車両単位では昭和54(1979)年のクハ103-806およびモハ4両以来実に36年ぶりとなっています。車両寿命1巡分間隔空いてるんだけど、何かのバグかな。

なおここ10年の車両運用についてですが、ユニバラッピング編成(桜島線専属)以外は基本的に共通運用となっていました。それから更に323系の登場以降3ドアと4ドアで運用に分かれています。
103系が消える直前は4ドア車10運用、3ドア車7運用にゆめ咲線専属3運用(4ドア)の20運用で構成されていましたが現在は全て323系による共通運用で、環状線と桜島線の運用分けもやや曖昧になっているようです。


というわけで環状線について軽く書いてみました
環状線という大きな括りだと鬼ほど内容がありすぎて書くのにかなり困りますがとりあえずという感じです。
これを踏まえて、今後気まぐれに環状線についての話なども扱っていければなと思っています。