川越の市内観光向け循環バスの「小江戸巡回バス」に新型の電気ボンネットバスが運行を開始したというので乗りに行ってきました。
このバスは、当初の予定では3月28日に行われる予定だった「小江戸川越春祭り」に合わせて運行開始予定だったそうですが、祭り自体の中止に加えてこのバスもしばらく運休になってしまい、6月19日の運行再開とともに新車も営業運転を開始しました。


行きは東武東上線で来た電車がTJライナーに使われる50090系だったのはいいのですが、側面のオレンジ色の帯がハゲて何だかみすぼらしい状態になっているのが残念でした。この編成は以前は川越特急のPRラッピングになっていたそうですが、剥がし方がまずかったのでしょうか?


いい加減早く直さないと、最近「バイキング」に出演した沿線選出の元議員の豊田真由子に「このハゲ~!」と言わせることになると思います。
また、途中で踏切安全確認があって急停止してしまい足止めを食らってしまいましたが、数分で運転再開したので川越には何とか無事に到着。


イーグルバスが運行する小江戸巡回バスの乗り場は川越駅西口にあり、発車時刻まで若干時間はありましたが、新型の電気バスが早めに到着して手前のほうで待機しているのを見ることができたのでその間に撮影。


そして、発車5分前くらいにはバス停に横付けされたため乗車しました。
ドアは前扉のみで、うっかり乗車時に払いそうになりましたが、この辺の他の路線バスと同じで後払い方式です。また、イーグルバスは路線バス事業では新規参入組で歴史の浅い会社ということもあり、同社の他の路線も含めて今までICカードが使えなかったのですが、3月からついに使えるようになったとのことです。


入口には1段ステップがありますが、車椅子リフトがついているので車椅子での乗車は可能です。但し、リフトが横に大きく張り出すため歩道が狭い停留所だとリフトを出せないこともあるそうです。
このバスは中国の「揚州亜星客車(ヤーシン/アジアスター)」というメーカーの電気バスで、同社製のバスは八王子にあるオノエンジニアリングという会社が輸入して「オノエンスター」という名称で販売していますが、もしかしたらこれの輸入を手掛けたのも同じ会社かもしれません。

また、ボンネットバスとして完成状態で輸入したのか日本で改造したのかは不明だし、詳しいスペックなども不明ですが、今までのマイクロバス(日産シビリアン)ベースのボンネットバスに比べると明らかに幅は広く、座席は横4列になっていました。
車内は前方にロングシートが片側4席ずつ、後方に2人掛け×2の前向きシートが3列12席あります。
そして、内装は壁などが木目調で落ち着いた雰囲気がいいし、照明もステンドグラス風になっているのが面白いです。
バスは私だけの貸切状態で川越駅を出発。レトロ調の外観に反して電気自動車だけに近未来的な走りで、ほとんど音もなくスムーズに発車。
乗る前に写真を撮っていたことから運転手にそういう趣味の者だというのがバレバレで、「電気バスの乗り心地はいかがですか?」とか色々話しかけられて恥ずかしかったですが、電気バスだけに走行音は静かだけどエンジン付きのバスに慣れている者だとまだちょっとこの操作に慣れないとか、バッテリーが本当に大丈夫か不安になることもあると、マニアックというか現場目線の話まで聞けたのがよかったです。
バスは蔵の街などを抜けて市役所前を通過。郭町の交差点から氷川神社までの間は道が狭く、小型のバスでないと通れないというのが実感できました。


そして川越駅から20分ほどで氷川神社に到着。
中国製の車ということで、品質その他色々な面でどうしても変な先入観を持ってしまいがちですが、走行音が静かだったり内装の雰囲気などがよかっただけに意外と快適だったし、最近は中国のBYD製の電気バスが増えていて各地で導入されているのを見ると、日本の市場でも認められ始めているのかと思いますね。
そして、徐々に導入が進む電気自動車であることや個性的なデザイン、日本車にありそうでないマイクロバス以上中型バス未満的なサイズなど、架空バス趣味的にも非常に気になるところで、架空バス・沙白浪漫自動車などでもこれを導入してみたくなりました。


ただ、細かいところを指摘すると、ロングシートと前向き座席の間の仕切り板は木目調で一見すると高級そうに見えるのですが、国産車だとゴム製のパッキンのようなもので囲われているところそれがなく、角がところどころ若干ささくれているのでもしかしたら危ないのではと思ったし、新車のうちはいいけど経年劣化すると木目調のシートが端から剥がれやすくなるのではという心配もありますね。

(こちらが国産車のいすゞ・エルガの仕切り板。縁がゴムの枠で覆われています。)


そして、今のところ輸入車の電気バスは大部分が中国製に頼っているし、日本でメーカー純正の電気バスはなく改造とか試作のみですが、業界のニーズに応えて輸入車ばかりだった連節バスにようやく日野といすゞが参入したように、そろそろ国産のメーカー純正の電気バスも登場してほしい気がします。

バスを降りた後は氷川神社に行きました。
川越氷川神社といえば良縁祈願で知られる場所ですが、「あい鯛みくじ」や「一年安鯛みくじ」という鯛を象ったおみくじがあるのが面白いです。


その後は市役所前を通って蔵の街方面に移動し、途中で東武バスの「小江戸名所めぐりバス」を見かけました。スカイツリーシャトルで使われているバスと同様の天窓付きのバスが走るなど、こちらのほうもボンネットバス同様に乗るだけでも楽しめるバスです。
そして蔵の街は一旦通過して、菓子屋横丁に寄ってから新河岸川の高沢橋を渡り、工芸品の製造やカフェなどを手掛けるもっこ館に行ったのですが、残念ながら閉店中でした。
その後は、橋を渡って戻ったところにある六塚稲荷神社に寄ってから、蔵の街に戻って色々散策。


小江戸横丁の隣の龜屋元町店は、店の入口から数メートルだけですがトロッコ(横丁鉄道)のレールが残っていましたが、残念ながら店が開いていなく中までは見ることができませんでした。
横丁鉄道は道路から奥にある蔵まで重い荷物を移動するのに使ったトロッコで、昔ながらの奥行が長い商店で多用されていたそうで、川越だけでもいくつかこうやって残っているそうです。


そして時の鐘を見てから食事にし、すぐそばにある近江屋長兵衛商店でおぼろ豆腐ご飯を食べました。


食べている最中に鐘の音が聞こえてから気付いたのですがちょうど12時で、時の鐘が鳴らされる時間で、食べながらではあるけど間近で鐘の音を聞くこととなりました。
食後は時の鐘周辺を散策してから中央通りを駅方面に移動したら、信号の近くでもう1軒の横丁鉄道を発見。


陶器などを売っている「陶舗やまわ」という店で、カフェも併設していてその名も「陶路子(トロッコ)」です。


表通りに面したレールは撤去されていますが、店内から裏口の蔵の前までのレールが残されていて、終点には雑巾干しの台にされてしまっていますがトロッコの車両も残っていました。
現役時代はこれに重い荷物を載せて表通りからここまで手押しで運んでいたというのがよく分かりますが、せっかくトロッコも残っているのならもっと見栄えのいい使い方をしてくれると有難いです。


その後は隣の長喜院&雪塚稲荷神社、大正時代築の埼玉りそな銀行の旧・川越支店、3棟並んだ2階建ての古い和洋折衷の長屋風の建物内にあるトルコ雑貨の店を見ました。


次いで、通り沿いでレトロなバスを発見と思ったら、昔のシトロエンのワンボックス「Hバン」が置かれたカフェでした。あくまで置物なので動かないと思いますが、小江戸巡回バスのボンネットバスとの並びを撮りたくなりますね。
ちなみにこの車、こう見えて前輪駆動(FF)なのだそうです。そして、日本でもかつていすゞが、これを真似たのかは分かりませんが、「エルフ・マイパック」というFFにすることで超低床化を実現させたトラックを売っていたことがあったのですが、昭和40年代当時では先進的過ぎて理解されなかったのか、全く売れなくてすぐ消えたそうです。


次いで蓮馨寺に立ち寄りました。以前にここで開催されている「かわごえ国際交流フェスタ」に行ったことがあり、毎年11月頃に開催されていますが、今年は無事開催できるのでしょうか?
その後は、蓮馨寺のすぐ隣にあるも一般住宅の敷地内にあるように見えて入ってはいけなそうな雰囲気があった本阿弥稲荷神社に寄りました。
本阿弥稲荷の名前は、かつてこの場所で「本阿弥陀仏」という名前の遊行の出家者が鉦を打ちながら念仏を唱えていたことに由来するそうで、この辺一帯も元々は蓮馨寺の境内だったそうです。


最後は駅前商店街のクレアモール内にある丸広百貨店に立ち寄りました。
丸広百貨店といえば全国で数少なくなった屋上遊園地があり、名物の小型観覧車などで親しまれていたのですが、残念ながら昨年に閉園となってしまい、今は屋上に立ち入ることはできません。
川越では例年だとこれからも祭りやイベントが盛り沢山なはずですが、今年はいつになったら安心して開催できるようになるのでしょうね。一日も早く安心して観光や祭りなどを楽しめる日が戻ることを祈るばかりです。
 

今回の日記、その他写真は、こちらにもアップしております。

 (1)http://blog.livedoor.jp/silkroad_vx/archives/6348578.html

(2)http://blog.livedoor.jp/silkroad_vx/archives/6348735.html

 

 

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