2008年から仙台-新庄間を東北本線・陸羽東線経由で走っていたキハ48形観光列車・快速「リゾートみのり」号が、2020年6月28日の運転をもって引退となる。ただし実際には時勢の影響でリゾートみのり号は運休中であり、3ヶ月間運転されないままの引退となってしまった。なお仙台支社の発表*1によると、改めて最終運転が検討されるとのことではある。
リゾートみのり号は長い間乗りたい列車であったが、昨年6月に鳴子温泉に旅行する機会があり、帰りに仙台まで乗車することができた。思えば引退(予定)のちょうど1年前の乗車となったが、本記事ではその時のことを簡単に振り返ってみたい。
リゾートみのり号は土休日を中心に運転されていた。運転時刻は概ね午前中に新庄行き、夕方に仙台行きが走る形で、2020年度のダイヤで言えば「仙台9:13→12:26新庄」「新庄15:01→17:39仙台」という運転時刻であった。
途中の鳴子温泉駅は新庄駅から1時間ほどの位置にあり、下りのリゾートみのり号は長時間(23分)停車するが、上りの停車時間は3分程度(実際に乗車した2019年度は2分程度)である。
今回は、上り列車の鳴子温泉→仙台間を乗車した。せっかくなら新庄から(まで)乗車してみたかったが、再び乗ることはできなかった。
リゾートみのり号の停車駅の一部だと思われるが、「ようこそ○○駅へ」と書かれたリゾートみのり号10周年記念の横断幕が飾られていた。
鳴子温泉駅には、リゾートみのり号専用の乗車位置案内が示されていた。
16:00を過ぎ、鳴子温泉駅にリゾートみのり号が入線してきた。「深緋色」と「漆黒」をベースとした車体に「メタリックゴールド」のラインが入り、豪華さを思わせる配色を生で見たときの感動は大きかった。
乗車するなり鳴子温泉駅を出発し、まず3分ほどで鳴子御殿湯駅に到着した。
陸羽東線には「奥の細道湯けむりライン」という愛称が付いていることからも分かるように、多くの温泉地を経由する。リゾートみのり号は今回乗車した鳴子温泉駅の他にも、瀬見温泉、赤倉温泉、中山平温泉(以上、新庄-鳴子温泉間)、鳴子御殿湯、川渡温泉といった駅に停車していた。
個人的にはめずらしく旅行商品を利用してリゾートみのり号に乗車したが、乗車してしばらく経ったところで旅行商品の特典として地域の食品詰め合わせを受け取った。
東北本線合流前、古川駅に停車する。仙台や東京方面・盛岡方面へは、ここで東北新幹線に乗り換えるとより早い(ことが多い)。今回は、せっかくの観光列車なのでこのまま仙台までリゾートみのり号に乗車する。
鳴子温泉駅から 1時間ほどで小牛田駅に到着し、ここからは東北本線に入る。小牛田駅は石巻線にも乗り換え可能な交通の要所である。
せっかくなので車内散策。JR東日本の「のってたのしい列車」を始め、各地の観光列車には大抵イベントスペースなど通常の座席以外のスペースが設けられている。
リゾートみのり号は3両編成で、真ん中2号車の一部(座席3列分程度)がイベントスペースとなっている。モニターが設置されているのは独特かもしれない。また、リゾートみのり号を模したクッションが置かれていたのが興味深かった。
17時39分、仙台駅5番線に到着した。
仙台駅の在来線ホームには、今春以降は復旧した常磐線を走る特急「ひたち」号が毎日顔を見せているが、それ以外だと寝台特急北斗星号等が廃止になって以降は、基本的に普通・快速列車のみが発着している。そんな仙台駅の在来線ホームで観光列車のリゾートみのり号を見るのは、なかなか不思議な気分でもあった。
リゾートみのり号は引退となるが、また仙台駅の在来線ホームから観光列車に乗車できる日が来たら是非乗ってみたいと思う。また、鳴子温泉や陸羽東線沿線も改めて観光してみたい土地である。
追記:7月以降、リゾートみのり号と同時刻でキハ110系の「快速湯けむり号」が運転さるとのことである。
「快速湯けむり号」が地域の魅力をのせて走ります!(JR東日本仙台支社 2020/6/26)
*1:「ありがとう『リゾートみのり』キャンペーン」一部実施のお知らせ(JR東日本仙台支社 2020/5/13)