じゃじゃ~ん!
映画「スターウォーズ」のダースべーダーを彷彿させる、この風貌!
一度見たら、忘れません。
※写真1:かつて夕張で活躍した強者。詳しくは後ほど・・
午後0時11分、列車は清水沢駅に到着。
まずは清水沢駅の「ありがとう夕張支線記念切符」をご紹介します。JR北海道さん発行の「わがまちご当地入場券」風ですね。
JR北海道・夕張市・ありがとう夕張支線実行委員会さんが作成・発行したと思いますが、夕張市内で夕張支線に関する記念グッズを購入した時、幸運にもお店からいただきました。ラッキ~!
※写真2:噂に聞いていた記念切符。沼ノ沢・南清水沢・鹿ノ駅バージョンもあります。
折角なので、清水沢駅で降りてみよう。
・・妄想で・・
清水沢駅を発車して、左に曲がるのが「三菱大夕張鉄道(1911年~1987年)」。
右に曲がるのが「国鉄夕張線(現・夕張支線)」。
かつては駅舎とホームの間に6本の線路があり、多くの石炭貨物列車(運炭列車)がここに集まり、本州に大量の石炭を運んでいきました。
※写真3:ここに立つと様々な思いが巡る清水沢駅
駅舎に入ると・・おや? たくさんの写真が壁に飾られている!これは凄いな~
国鉄・夕張線のホームに停車しているのは、9600型(愛称:クンロク)蒸気機関車。D51(愛称:デコイチ)が活躍する前の主力機関車なので、いつ頃の写真なんだろうか。
※写真4:清水沢駅に停車中のクンロク
あった~!清水沢駅を発車した石炭貨物列車! デコイチは迫力があるね~
そして、赤い羽根が目立つ腕木(うでき)式信号機!懐かしいな~
駅にある長さ約1.2mの鉄製の手動レバーを動かして、信号と線路のポイントを切り替えます。赤い羽根の角度が横だと止まれ、斜め下は進め。
子ども頃、駅員さんがレバーを引き赤い羽根を動かし、視差確認している姿をいつも見ていたので、はっきり覚えています。一度、やってみたかった・・笑
※写真5:清水沢駅を発車し国鉄・夕張線を走るD51(1975年12月・撮影者不明)
次の写真は1972年の清水沢地区。写真下部にあるのが清水沢駅。
上空から見ると、清水沢駅から右(南)に伸びる線路が国鉄・夕張線(現・夕張支線)。右から上(北東)に大きく曲がるのが三菱大夕張鉄道。
※写真6:国土地理院作成の貴重な空中写真(1972年)
清水沢地区には炭鉱(北炭清水沢鉱)があり、炭鉱が活況を迎えていた頃、街はとても栄えてました。
前の写真の上部にある二つの山は、炭鉱で採炭した石炭を、選炭工場で製品として出荷する石炭と不要な岩石と分け、その不要な岩石を積み上げた「ズリ山」です。
おそらく右側が北炭清水沢炭鉱の初代のズリ山で、左側が2代目(1947~1980年供用)のズリ山。
次の写真は2代目ズリ山の現在の姿で、高さは約60m。
頂上付近に育つ樹木の大きさが、供用終了後の長い年月を物語っています。
※写真7:北炭清水沢炭鉱の2代目ズリ山(2015年10月)
「呑み鉄本線日本旅・夏の石勝線・夕張支線」で、六角さんはこの山に登り、頂上から炭鉱住宅街(通称:炭住街)を眺めていましたね。
※写真8:赤と青の屋根が印象的な清水沢地区の眺め
2019年3月に清水沢駅で出会ったのが、このポスター。
清水沢の街や駅の写真を何度も拝見することができ、本当にありがとうございました。
※写真9:心に残る写真展「ありがとう・さようなら清水沢駅展」
折角なので、清水沢駅から約7km離れた所にある、三菱大夕張鉄道の鉄道遺産を訪ねてみよう。
三菱大夕張鉄道の路線図は写真のとおりで、清水澤駅と大夕張炭山駅を結ぶ約17kmの路線。
沿線には大きな炭鉱(三菱南大夕張炭鉱と三菱大夕張炭鉱)がありました。
※写真10:鉄道遺産は清水沢駅から二つ目の南大夕張駅跡にあります。
地域の人々による「三菱大夕張鉄道保存会」さんが「街の歴史と記憶を残すため」様々な活動を展開していて、南大夕張駅跡の鉄道遺産の保存・展示活動もその一つ。
※写真11:「三菱大夕張鉄道保存会」さんの活動紹介ポスター
三菱大夕張鉄道の保存車両はこれです。
※写真12:とてもありがたい解説ですよ(三菱大夕張鉄道保存会作)
それでは、実物の登場です!
まずは冒頭に登場した「キ100形鋼製ラッセル車(1941年入線)」。
ラッセル車の後ろに連結したSL(蒸気機関車)が、ラッセル車を前へプッシュし、ラッセル車が線路上の雪を左右に飛ばす除雪スタイル。
夕張岳山麓に位置する大夕張地区は多雪地帯なので、冬期間(12~2月)は毎日のように活躍していたんでしょうね。
除雪時の姿は、きっと迫力があっただろうな~
※写真13~16:南大夕張駅跡に保存・展示しているラッセル車・客車・石炭貨車
次は、歴史を感じる茶色のスハニ6(旅客荷物車)。
1912年に製造され転籍や改造を繰り返し、1967年三菱大夕張鉄道にやってきました。100年以上も前に造られた車両とは・・凄い。
車内です。これは歴史を感じるな~
戦時中も走っていたビンテージ車両。朝ドラや映画のシーンで出てきそう。
お~これは珍しいサボ(行先表示板)、デザインがいい!
そして何と言っても「三菱」のマーク!自前の鉄道ということが、よ~くわかります。
※写真17・18:ラッセル車に連結されているスハニ6。凄い年代物で、営業用の3軸ボギー客車としては日本最後の車両とのこと。
そして石炭貨車のセキ。
1934年製造で国鉄デビュー。その後、旭川電気軌道を経て、1954年、三菱大夕張鉄道に転籍。
室蘭本線ではかつて、D51が50両以上のセキを牽引していたと聞きますが、一度見たかったですね。
※写真19・20:今でも使えそうなセキ。下部の斜めのカバーが少し開き、積載された石炭が下に落ちる仕組み。
夕張支線を訪ねて沿線を散策していた2018年9月1日、街中で思わぬポスターを発見!
えっ!このようなイベントがあるの? 知らなかった・・
よし、「前夜祭・夜間ライトアップ」に参加しよう!
※写真21:三菱大夕張保存会さんの主催イベント「汽車フェスタ2018」
ということで「汽車フェスタ2018」で撮った写真が、これです!
スハニ6の車内はレトロな雰囲気・・まるで昔にタイムスリップしたみたい。
※写真22~26:夜はとても幻想的!夢のような時間を与えていただき、ありがとうございました。
三菱大夕張鉄道を走るSLの姿を見たいな~と、ず~と思っていたら、三菱大夕張鉄道保存会さんが作成した2019年のオリジナルカレンダー「汽笛の響いた夕張」の裏表紙に、遂に発見!
お宝カレンダーを購入して本当によかったです。
※写真27:三菱大夕張鉄道大夕張炭山駅での客貨混合列車(1971年7月)
三菱大夕張鉄道保存会さんの保存・展示活動に、とても感謝しています。
また時間を見つけて、六角さんも訪れた南大夕張駅跡にある「キ100形鋼製ラッセル車」に、会いに行きたいですね。
(つづく)
*追伸
「北海道ローカル線旅日記!夏秋の石勝線・夕張支線」をご訪問いただきまして、ありがとうございます。
北海道は今「蝦夷梅雨」の季節に入り、肌寒い曇天の日が続いています。
本州の梅雨が明けたら、北海道も爽やかな夏の季節に入ります。その日が待ち遠しいです!