経済性を重視しつつ、2200形と同等の高加減速性能を持つ車両として製造された小田急2400形。
後に2600形と同様の大型車体を採用した5000形へと発展し、増加し続ける乗客の輸送を担っていました。

小田急では、その2400形と5000形にのみ採用されていた、高性能な制御装置がありました。
それが今回ご紹介するバーニア制御を実現する制御装置です。

一昔前の鉄道車両においては、安価で保守が容易な抵抗制御方式が広く用いられました。
しかし、抵抗進段時のショックが大きいことや、粘着性能の関係で電動車の比率が低いと加速度を上げられないという欠点がありました。

そこで、主抵抗器に加えて副抵抗器(バーニア抵抗器)を搭載し、切り替える段数を増やすことで、2400形では超多段抵抗制御を実現しました。
2200形が力行を21段で制御していたのに対し、2400形は83段での制御を実現しており、無段階に近かったといえます。

このようにして2M2Tを実現した2400形ですが、理論と実際では異なっていた部分もあり、空転に悩まされることとなりました。
2400形の発展形式である5000形では、同様にバーニア制御を採用していますが、起動加速度を抑えて中高速域の加速性能を高めています。

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5000形も超多段抵抗制御となっていますが、力行は63段に抑えられています。
また、廃車が開始された頃の文献では、2400形の段数も63段となっていることから、後に変更が行われているようです。

大型車体で同様に抵抗制御だった2600形や4000形と比較すると、5000形の乗り心地はとても滑らかで、搭載されている機器の違いを感じることができました。