こんばんは。ブログおよびホームページ管理人の神@北見です。

 

日本に帰国後はコロナ自粛による在宅のため、とうとう10年前に卒業した鉄道模型に再入学してしまいました。

 

この2か月ほどで雪だるま式に増殖中ですが、そんな中6月19日にTomixからキハ58系急行「のりくら」セットが発売されましたのでご紹介します。

 

この新製品は、Tomix待望の117系と同時発売となったため皆さんこの117系の話題で盛り上がっており、この急行「のりくら」セットはあまり注目されていません。。。 悲しい話ですが。

 

始めにお断りしておきますが、Tomix、KATO共にキハ58系Nゲージの出来栄えは素晴らしく、そのまま走らせて楽しむには十分のクオリティーと言えるでしょう。ここでは時々重箱の隅を突っつくような突込みがございますが、あくまで実車の特徴をご紹介し、興味のある方は更にディテールアップや改造をされる際の参考にされればと思っております。決して製品の悪口を言っているわけではありませんのであらかじめご承知おき願います。

 

 

いやー相変わらずカッコイイですね。Tomixさんのケースのデザインなども購入欲をそそります。

 

 

今回のセットの特徴を上から1両ずつ紹介すると、、、

 

1両目 キハ65 寒冷地向けの500番台をモデル化。シャッター付きタイフォンが特徴です。

 

2両目 キロ28 車体断面がキハ65と同じになった最終製造グループ(19次車)のうち、窓がユニットサッシ化された車両もモデル化。

 

3両目 キハ28 便所窓が横長の長方形となったグループをモデル化。シャッター付きタイフォンの車となっています。

 

4両目 キハ58 同じく便所窓が横長の長方形となったグループですが、タイフォンがスリット状の車をモデル化。このタイフォンが曲者です。

 

では各車の整備と共に、形態の特徴や加工のポイントをご紹介しましょう。

 

キハ65は、特に大きな加工はありません。

制御用ジャンパ栓納めはタイフォン下部で左右寄り添う位置にあるため17次車に該当し、キハ65 503~507に該当します。インレタは503・504・505・507・509が用意されていますので、509以外がベストでしょう。509は18次車に該当しジャンパ栓納めの位置が左右離れますが、気にしない方は放っておいても構わないでしょう。

スカートには、キハ58系と異なりキハ65ではステップが追加されますが、模型ではこの表現はありません。気になる方は追加されるとよいでしょう。

乗務員室ドア用のステップは、スカートと同じ部材のため成形色のグレーとなっていますが、実車では黒となっています。目立つポイントですので私は黒く塗装しています。これによりこのステップは全く目立たなくなります。

私は趣味で国鉄仕様としているため、列車無線アンテナは取り付けませんでした。(面倒なだけという話もある。。。) そのためJRマークも貼り付けておりません。JR東海では発足後他社と同様白色のJRマークが貼り付けられますが、すぐにコーポレートカラーであるオレンジに変更されました。そのため白色は1987年の数か月のみの姿となります。

後位側では前位側と同じくステップが成形色のグレーとなっていますので、黒色に塗装しました。これで少しは実車っぽくなります。

KATO Asseyパーツのキハ58系用ジャンパ栓が手に入れば取り付けたかったのですが、市場在庫薄なのでそのままです。

実編成ではキハ65に幌が付く向きが多かったので、当車前面には幌を取り付けています。名古屋地区ではグレー枠の幌が多く見られましたので、そのまま取り付けています。

名古屋地区のキハ65は名古屋第一機関区→名古屋車両区配置でした。

 

キロ28は、前述の通り最終製造グループでユニットサッシという車をモデル化しているので、キロ28 2309か2516がプロトタイプとなります。2516は「60-3改正」以降余剰となり四国へ転じてキハ28 5220となりますので、キロ28 2309がベストなのでしょう。付属インレタにもキロ28 2309しかありません。1車しか該当しないのであれば車番は印刷しておいてくれれば良いのに・・・。

模型を見て気づいたのですが、4VK発電機関用の吸気口が、幕板部から腰板部へ変更されています。私のホームページのイラストには反映されていません。私はこの吸気口が写った側の写真や資料等を見たことがないため、詳細ご存じの方はご教示いただけると幸いです。

当車は車番インレタを貼り付ける以外特に手を加えていません。

 

次はキハ28です。

キハ28の便所窓小窓車(14次車)は、486~494のみが該当する少数グループとなっています。

手を加えたのは乗務員室ドア下のステップで、模型では成形色のグレーとなっていますが実車は黒色のため、黒く塗装しています。

また、模型では乗務員室床下(1位側)に機器箱の表現がありますが、これは5次車までに付いていた蛍光灯サービス電源用の機器箱で、14次車には当然ありませんのでカッターなどで切断します。これはTomix製のほとんどのキハ58系に必要な作業となります。これで後期車っぽい表情となります。

当該14次車で急行「のりくら」に該当するのは、名古屋所属のキハ28 2493のみになります。インレタではオマケで九州の2488や四国の2491が入っています。これらの車両にしたい場合は、デッキ上の通風器が撤去されずに残置されていますので、手持ちのパーツ等を取り付けるとよいでしょう。(但しタイフォンカバーを暖地向けのスリット式にしなければならないというハードルの高い作業がありますが・・・) のりくら用の2493はデッキ上の通風器が撤去されているので、模型の状態が「正」となります。

2493とした場合の正面の表情では、外ばめ式のテールライトや車体溶接式の標識灯掛け、シャッター式のタイフォンカバーなどがよく再現されています。当車は新潟時代の1970年に郡山工場で冷房化改造を受け、初期(1972年以前)の冷改車であることから冷房電源用KE8ジャンパ栓納めの位置が低い位置に設置され、最後までそのままでした。(この状態は同じく新潟で14次車冷改車のキハ58 1009・1010・1012・1019~1021も同じ) しかし模型では標準的な位置にあります。気になる方はKATOのジャンパケーブルを取り付ける際などに移設するとよいでしょう。

側面では、通常モデル車と異なり10次車以降で車体中央寄りに寄った機関冷却水給水口がバッチリ再現されています。これはグッドポイントです。しかし、床下の機関予熱器の表現は初期車のままで(本来14次車はモデルチェンジ車と同じ形態)、また床下の水タンクも鋼製のままです。実車は1980年代中盤にはFRP製タンクに交換されていますので、気になる方は改造・交換されるとよいでしょう。

当車のポイントである小型の便所窓は、模型ではすりガラス表現ですが実車は白ガラスでした。気になる方は白く色挿しするとよいでしょう。

 

最後にキハ58です。

 

キハ58の便所窓小窓車(14次車)は名古屋地区には比較的多く存在しました。796・797・799・1003・1004・1033の6両です。しかし当ロットは新製時よりシャッター式タイフォンを装備しており、シャッターに不具合のあったキハ587 796が例外的にシャッターを外されたのみでした。そのため模型ではわざわざスリットタイフォンをモデル化していますが、これで796にしかならないことになります。名古屋で標準的であったシャッター式のまま模型化して欲しかったのは私だけでしょうか? また当車は1986年頃までは助手席側のみシャッターを外しており、1990年には両側ともシャッター無しとなっています。またスリット式カバーの形状も一般的な(模型にもなっている)形状とは異なります。そのためこだわりの強い方は改造されるとよいでしょう。インレタは名古屋向けにはこの「796」のみが入っており、他は他地区の1007・1008・1012・1013・1014・1022・1024・1025・1032が入っています。このうちタイフォンシャッターを外したのは九州の1007・1008・四国の1013・1014・向日町の1024のみとなります。これらに変更する場合はデッキ上の通風器を設置する等の改造が必要になります。

手を加えたのはキハ28同様乗務員室ドア下のステップで、模型では成形色のグレーとなっていますが実車は黒色のため、黒く塗装しています。

また、模型では乗務員室床下(1位側)に機器箱の表現がありますが、これは5次車までに付いていた蛍光灯サービス電源用の機器箱で、14次車には当然ありませんのでカッターなどで切断します。これはTomix製のほとんどのキハ58系に必要な作業となります。これで後期車っぽい表情となります。

正面は、タイフォン以外のポイントとして、外ばめ式テールライトや14次車で採用された溶接式の標識灯掛けなどが的確に表現されています。ただ制御用ジャンパ栓納めの位置がタイフォン下で左右寄り添う位置となっているため、名古屋っぽい顔ではありません。気になる方は移設されるとよいでしょう。

当車のポイントである小型の便所窓は、模型ではすりガラス表現ですが実車は白ガラスでした。気になる方は白く色挿しするとよいでしょう。

 

いかがでしょうか? はっきり言って冒頭にも申し上げましたが模型として楽しむには十分なディテールと変化がある車両で、このまま走らせて遊んでも十分です。キハ58系は後の改造で形態の区分が豊富になっており、模型で完璧に表現するのは困難ですが、工作派の方やこだわりの強い方は加工や手入れにチャレンジしてみてはいかがでしょうか? こだわりの1両が出来上がると思います。

 

しかしながら117系と同時発売で殆ど注目されていないのがこのモデルにとって可哀そうです。とっても良い製品なのに。

 

Tomixのキハ58系こだわりモデルは西日本に偏重した傾向があるので、次は急行「赤倉」や「ときわ・奥久慈」「千秋・陸中・たざわ」なんて出してくれると面白いのですが・・・。

 

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