三菱重工が日暮里・舎人ライナーの車両を受注 60両、開業時導入の300形を置き換えへ



三菱重工グループの三菱重工エンジニアリングはこのほど、東京都交通局が運営する日暮里・舎人ライナーの車両を60両(5両編成12本)受注した。

2015年に日暮里・舎人ライナーに導入された三菱重工製の330形。【撮影:草町義和】

三菱重工業が6月16日に発表した。納入するのは、同社が開発した次世代タイプの通勤電車向けロングシート「G-Fit」を採用するなどして輸送力を向上した車両。納入予定時期などは発表していない。三菱重工は「他社製既存運転車両との入れ替えにより、朝夕を中心とする混雑の緩和等に貢献」するとしている。

日暮里・舎人ライナーは、日暮里(荒川区)~見沼代親水公園(足立区)間9.7kmを結ぶ路線。2008年に開業した。新交通システムの一種で、ゴムタイヤ式の車両が専用通路を無人自動運転で走る自動案内軌条式旅客輸送システム(AGT)を採用している。

車両は2008年の開業時にクロスシートの300形電車(新潟トランシス製)が60両(5両編成12本)導入されたが、利用者の増加に伴い2011年までに300形20両(5両編成4本)が増備され、一部の座席のロングシート化も図っている。2015年には、車体の軽量化やオールロングシートの採用で定員を増やした三菱重工製の330形電車5両(5両編成1本)が導入されたほか、2017年にもオールロングシートで新潟トランシス製の320形電車5両(5両編成1本)が導入された。

その後、330形は2020年までに10両(5両編成2本)が増備され、320形は増備されていない。現在の車両総数は100両(5両編成20本)だが、すでに車両基地の収容力を超えており、駅への留置などで対応している状態だ。

東京都交通局は2022年度以降、オールロングシートの車両に順次更新することを2019年度の経営計画に盛り込んでおり、三菱重工グループが今回受注した車両は開業時に導入された300形の置き換え用になるとみられる。

開業時に導入された新潟トランシス製の300形。【撮影:草町義和】