NO.2331 休止から間もなく3年です、日田彦山線休止区間探訪(その3最終回、彦山~添田間編) | コウさんのコウ通大百科 PART3

コウさんのコウ通大百科 PART3

在住する九州を中心に、鉄道・バスを中心としました記事を毎日更新しております。
(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)

 

 平成29年の「九州北部豪雨」によります災害で休止となりましてから間もなく3年になろうとしますJR日田彦山線夜明~添田間の各駅の現況をNO.2329より皆様にご紹介しておりますが、前回NO.2330では大行司駅・筑前岩屋駅に関しましてご紹介しておりました。

 

 いずれも福岡県東峰村にあたりますこの両駅は、大行司駅に関しましては旧宝珠山村の中心部の所に存在しておりまして、恐らくは利用者もあっていたのではないかと思われますし、筑前岩屋駅も田川寄りの所に釈迦岳が控えておりますので、そちらの方に行かれる方や、駅前で汲む事ができます「岩屋湧水」を頼りに来られる方もいらっしゃったのではないかとも思われます。

 

 そんな両駅といいますと、「九州北部豪雨」では大行司駅が駅舎が土砂崩れによりまして崩壊しまして、キハ40系気動車(キハ147形)2両がこの駅で約3ヶ月間にわたりまして足止めされておりましたし、筑前岩屋駅に関しましては山からの土砂がホームや線路にまで流れまして非常に大きな被害を受けている所さえもあるのが現状でもありまして、それほど「九州北部豪雨」の被害がひどかった事を伺わせておりました。その後、以下画像にもありますように大行司駅は昨年地元の方の手によりまして新たな駅舎が設けられましたが、

 

 筑前岩屋駅に関しましては現在も放置されたままとなっておりまして、線路上には花が咲いている所さえも見られているなど、3年と言う時が伺わせております。

 

 (花が咲いている所もあります)

 

 

 そして、この大行司~筑前岩屋間のうち、筑前岩屋駅寄りの所では絶景スポットとされる場所もありますが、ご紹介しておりますように、この部分も現在は列車が通らない事もありまして非常に寂しい姿となっております。

 

 (宝珠山橋梁)

 

 (栗木野橋梁)

 

 尚、今後彦山~筑前岩屋~宝珠山間に関しましては自治体案ではありますが、バス高速輸送「BRT」が導入される予定との事でありまして、列車ではなくバスがこの区間を走る予定でもあります(JR案ではその下の釈迦岳トンネルを通る彦山~筑前岩屋間)。今後自治体案では大行司駅など高い所にある駅の部分をどうするかなども課題になるとは思いますが、鉄道としての運行を断念している以上は、やはり線路を活用するなりしまして「BRT」へと動いていただきたい所ではあります。

 

 (今後活用される事になります釈迦岳トンネル)

 

 

 ここまで、前回の話題に関しましてご紹介しましたが、今回最終回は彦山駅から、添田駅まで全ての駅の現状に関しまして、長いですが皆様にご紹介してまいります。

 

 

 今回の訪問時、番外でもご紹介しましたように、県道52号線の釈迦岳の近くを越えるルートではなく、代行バスの区間を通ります小石原(上の画像は道の駅小石原)を通るルートで彦山駅へとやってきておりました。この回でもご紹介しましたように、この代行バスでは3月の改正におきまして小石原庁舎にも停車するようにもなっておりまして、画像のようにバス停が設けられている事もお分かりいただけます。

 

 (小石原庁舎の所にバス停が設けられています)

 

 

 こうして、大きく回りまして、添田町の彦山駅へとやってまいりました。この駅が英彦山への玄関口とも言われておりまして、後述のように駅自体は大きな駅でもあります。尚、この駅から添田駅までは全て添田町に属しております。

 

 (駅板)

 

 もちろん、代行バスも駅前の所に停車しますので、代行バスのバス停も設けられております。尚、後述のように添田~彦山間の区間便も運行されております。

 

 

 画像は、彦山駅前であります。彦山駅前には、英彦山の登り口でもある事もありまして、料理店や土産物店などもありまして、この日も営業している店が見られておりました。このような賑やかな姿も日田彦山線の寸断区間では(この時点では)なかっただけに、まさに英彦山への玄関口ならではな所ではないかとも思います。

 

 

 駅構内は、画像のように広く、使用可能でもあります自動券売機の姿もある事から利用者が多い駅である事を伺わせております。やはり、元々が急行・快速列車の停車駅でもありましたので、こういった大きな駅ならばわかる所ではないかと思います。尚、それでも昭和55年に無人化、平成6年に駅構内にカフェができた事から委託駅として復活するもその後閉店に伴い再び無人化されておりまして、駅構内の変化は寂しい方へと見られていたようであります。

 

 (自動券売機)

 

 

 彦山駅のホームです。ホーム自体は2面3線でありまして、これまでもこの駅での折り返し列車も設定されておりました。私自身も、日田彦山線の列車に乗車した際にこの駅に停車した際に広いなと思った事がありましたが、正直災害前に来ておきたかったなとも思ったほどでありました。

 

 (田川後藤寺方)~手前から1~3番ホーム

 

 (日田方)

 

 

 しかし、この駅も3番ホームの所が土砂が流出しておりまして、その下の画像にもあります平成30年撮影時からしますとそのままでもありますので、雑草も生えているなど残念な姿が見られておりました。しかも災害から3年近く経過しましてのこの姿でもありますから、より残念な所ではないかとも思う所ではあります。

 

 (平成30年撮影)

 

 

 それにしても、先述のようにこの駅舎は広い事が伺わせておりますが、調べますと昭和17年に建てられたものでありまして、英彦山神宮を模している所がいいのではないかと思います。ただ、ご紹介しておりますように現在列車は運行されておりませんが、今後「BRT」化されますと変化も生じる事になるのではないかとも思われますので、それを期待したい所ではあります。 

 

 

 こうして、彦山駅を出まして先へと進みますが、行く途中にはこのような看板が見られるようになります。やはり地元の方にとりましては鉄道としての復旧を期待しているようであります。しかし、現状は「BRT」へと進む事にもなるようですので、やはり現実のようには行かないのかなとも思う所ではあります・・・。

 

 

 そして、やってまいりましたのは豊前桝田駅であります。

 

 (駅板)

 

 この豊前桝田駅は、元々駅舎も存在していた駅でありましたが、その後老朽化によりまして解体されまして、現在は待合室が残るのみの駅であります。また、画像のように島式ホーム1面1線の駅でもありますが、元々は石炭の積み出しもこの駅付近で行っていた関係で1面2線でもあったそうです。この姿からも、かつての賑わいと言うのはあまり感じさせられないのは正直残念な所ではないでしょうか。

 

 (ホーム、田川後藤寺方)

 

 (ホーム、日田方)

 

 それでも、画像にもありますように雑草もあまり見られず、きれいさはほぼ保っているようであります。恐らくは地元の方が掃除でも行っているのではないかと思われますが、やはりそう言った手入れをしてくれる方がいらっしゃるのは正直いい所ではないかとも思います。

 

 尚、代行バスは駅前の道路沿いにあります既存のバス停に停車するようになっておりまして、画像のように新たなバス停も設けられております。したがって、代行バスからは駅全体の姿を伺う事はできなくなっております。

 

 

 次にやってまいりましたのは、日田彦山線で最も新しい駅であります歓遊舎ひこさん駅をご紹介してまいります。

 

 この駅は、日田彦山線でも最も新しい駅でありまして、平成20年に開業しました駅であります。この駅の目的は、添田町の地域自立促進プロジェクトの一環として平成17年に設けられておりました上の画像の道の駅「歓遊舎ひこさん」内に新設されておりまして、寸断前も列車利用で道の駅で販売されております物産品を購入される方もいらっしゃったようであります。

 

 

 駅自体は、道の駅の裏側に設けられておりまして、ゲート・橋を過ぎますと1面1線のホーム・待合室へと至る事にもなります。それにしても、以下画像のようなゲートがありますと、駅があると言う事がアピールできる訳ではありますが、ご存知のように列車は来ず代行バスのみでありますし、後述のように代行バス乗場も異なりますので、それを考えますと駅が活用されない分残念ではないかと思う所ではないでしょうか。

 

 (その下の画像にありますように、裏に待合室もあります)

 

 (駅板)

 

 先述のように、ホームは1面1線のホームであります。駅自体は、平成20年に開業しておりますので、その分ホームも新しい訳ではありますが、この間にも今回・その前にも休止を余儀なくされていた事がありましたので、災害によりまして運休となると言うのは、駅としての活用が短い事を思いますと正直残念な所ではないかと思います。それでも、平成30年訪問時と比べても線路は錆びてはいるもののあまり雑草が生い茂っていない事は幸いかなと思う所ではないでしょうか。

 

 (日田方)~上が今回撮影、下が平成30年撮影

 

 (田川後藤寺方)~上が今回撮影、下が平成30年撮影

 

 また、この時道の駅側では多くの方々がマイカーで買い物に来られていた方がいらっしゃいました。それでも、自動車利用が主とは言いましても、列車でも来られる方もいらっしゃった訳ではありましょうから、この道の駅の方々にとりましても鉄道としては断念となりましたが、「BRT」となりましても再開は待ち遠しいのではないかと思ってならない所ではあります。

 

 

 歓遊舎ひこさん駅の代行バス乗場です。ここは地元コミュニティバスであります添田町バスのバス停と同位置に設けられておりまして、先述のように駅入口には設けられておりません。この時にはトヨタハイエースで運行されますその添田町バスの姿もありまして、まさにコミュニティバスとしての姿も見られておりました。

 

 (バス停)

 

 (筑豊200さ33-33(白ナンバーですが、有償運行のためナンバーも隠さず掲載しております))

 

 

 そして、日田駅へと向かいます藤山観光バス運行の代行バス(大分230く22-87、日野ポンチョ・形式不明)の姿も、歓遊舎ひこさんにて収める事ができておりました。しかし、この時の乗客はわずか1名で彦山方面へと向かっておりまして、JRの代行バスの姿としましてはやはり正直寂しいなと言う事を実感させられておりました。

 

 

 こうして、各駅に寄りながら最後にご紹介します添田駅へとやってまいりました。

 

 現在、日田彦山線の鉄道営業を行っております最南端が添田駅でもありますが、この駅は、これまでもご紹介しておりますように、駅舎とホームとは約100メートル離れておりまして、番線も1番ホームが省略されまして、2・3番ホームのみが存在しております。

 

 と言いますのも、実はこの駅からはかつて添田線と呼ばれる路線が存在しておりまして、その旧添田線のホームが1番ホームでありましたが、現在の駅舎も旧添田線のホームがあった所に設けられておりますし、引き続き2・3番ホームを日田彦山線は名乗っている事もお分かりいただけるのではないかと思います。尚、現在1番ホームの線路はありませんが、かつての側線であった部分が留置線として現在も残されておりまして、かつての面影を残しております。

 

 

 画像は駅舎内です。以下画像奥に改札口、その下の画像に待合室・券売機がある事がわかります。また、画像からもわかりますように、現在この駅は無人駅となっておりまして、駅員の姿は見られなくなっておりますが、乗務員が休憩する場所は現在も駅内に設けられておりまして、夜間滞泊も行われております。

 

 

 添田駅の時刻表です。画像のように田川後藤寺・小倉方面の時刻に加えまして、代行バスの時刻までも記載されておりまして、この後代行バスを利用される方向けである事が伺えております。現在は、日田行きが4本・彦山行きが9本この駅から運行されておりますが、やはり添田側・日田側とも区間便が多くて直通便自体が少ないと言うのは、それほど通しの利用者が少ない事を伺わせているようにも感じさせられます。

 

 

 さて、添田駅の2・3番ホームへとやってまいりました。それは、後述のようにちょうど添田駅止まりの列車が入ってきますのでそれを収めるためでもありました。

 

 

 そんなこの添田駅ホームの線路を見ますと、駅の日田方は錆が見られておりまして、それほど休止期間が長い事を伺わせておりました。また、夜間滞泊はありましても留置線までは入らなくなっているようでありまして、そう言った事から留置線まで錆が見られるようになっておりました。やはり、平成30年の改正で減便もありましたが、こういった影響も恐らくはあるのではないかと思います。

 

 (手前1番ホーム・奥留置線)

 

 (2番ホーム)

 

 また、予定されております「BRT」化では、現在の2番ホームの部分をバスホームに整備される事になるようでありまして、今後正式に決まりますと工事される事にもなるようであります。これによりまして、列車とバスとの乗り換えが容易になるようでもありまして、後述の代行バス乗場のように長い距離の移動も行わなくていいようにもなるようでもあります。これによりまして、添田駅では線路が2本失う事にもなるようですが、「BRT」化を思うと仕方がない所ではないでしょうか。

 

 

 所で、このホームの所では、錆びている部分と錆びていない部分との境目も見る事ができます。現在、最高2両編成までしか運行されない日田彦山線の田川後藤寺~添田間でありますが、実際各ホーム2両目の停目より先で錆が見られておりまして、錆びている部分と錆びていない部分の境目も見る事ができております。やはり2両以上の列車が運行されていない証でもある訳ですが、加えましてこんな境目まで見られると言うのもその先へは列車が走らない証でもありますので、正直残念かなとも思う部分でもあります。

 

 (アップ)

 

 

 そして、現在の代行バスの乗場は駅から北側の所にありますバス乗場から発車するようになっておりまして、他の西鉄バス筑豊・添田町バスと同じところから乗車するようになっております。この時には、田川構内タクシー運行のトヨタハイエースによる添田~彦山間の区間便の姿も添田駅着・添田駅発で見る事ができておりましたが、残念ながら乗客の姿はありませんでした。

 

 (乗場)

 

 (バス停(西鉄バス筑豊・田川市バスと共用))

 

 (添田~彦山間区間便、田川構内タクシー、筑豊300あ・・41)

 

 

 こうして、寸断から3年になります寸断されました区間の全駅をご紹介しましたが、手入れがなされていると思われる駅、残念ながら「九州北部豪雨」後もそのままとなっている駅もあったなど、駅によって明暗が分かれてしまっている事がお分かりいただけたのではないかと思います。やはり、一度つながっていた線路が途切れる事になると言うのは本当に悲しい所ではありますが、新たな「BRT」としての姿が動く事にはなりますので、途切れた所を引き続き新たな形で結んでもらいたい所ではあります。

 

 

 けれども、「BRT」化でも冒頭ご紹介しました大行司駅などのように、まだまだ課題が見られている事にも間違いないようではあります。冒頭にもご紹介しましたように、自治体案では彦山~宝珠山間に専用道路をと言われているのに対しまして、JR案では彦山~筑前岩屋間で専用道路と言った案が言われておりますので、新たな「BRT」化への道もどうなるのかと言った動きが今後見られるようであります。やはり、自治体案の方がいいと言う方が多くを占めるようですが、実際はどうか・・・と言う所ではあるようであります。今後どうなるのかはわかりませんが、とにかく決まっている以上はいい形での活用をしていただきたいと思っております。