Go Toキャンペーンを批判する前に、地方の公共交通機関に、もっと目を向けて | 模工少年の心

 海外旅行が、事実上できない状態で、修学旅行等の団体旅行もキャンセル、延期と、旅行業界、交通事業者、旅館、ホテル、お土産屋さん…、関係の皆様は、生きている心地もしないのではないかと、察せられます。

 

 新型コロナウィルスのため、様々な業界で、多くの方が困難の中、懸命に営業努力を続けきました。

 今年、2月以降、マスコミは、そうした困難な状況に遭遇している場面を順次、光を当てて報道してきました。

 一番はじめは、医療関係者、それから非正規の職員、保育園、学校と子ども、食料品を扱うスーパー、テレワーク環境の整っていない企業、飲食店関係、老舗旅館、ゴミ収集に当たられる方々、薬局、農家、留学生、動物園や植物園、博物館、劇団、デパート、野球やサッカーチーム…、見逃している業界等もあるかもしれませんが、1つ話題になると、どのメディアも競って同じ話題を繰り返しだったので、その順番も頭に残っています。

 当然、マスコミで取り上げられれば、救済策等も政治問題の俎上に載りやすくなるのでメリットもあります。

 そうでなくても、例えばテレビでゴミ収集車が話題になっていた時期にゴミ袋に、丁寧な文字で「いつも、収集して下さりありがとうございます」と書かれた一筆箋が貼られているのを目にして、共生意識をもたせてくれるものと思い、影響力の大きさを感じました。

 

 そのような中で、数日前に、旅行業界や交通機関関係のマスコミの報道に、考えさせられる場面がありました。

 7月から、新型コロナウィルス影響による旅行需要低迷から脱却、地域経済の復興支援を期して、国による「Go Toキャンペーン」が実施されます。

 そもそも、すでに今年4月7日に、国土交通省から出された補正予算案の中の目玉の事業です。

 順調にいけば7月にスタートしますが、マスコミ(ワイドショー)では、「コロナが収束していないのに、本当にできるんですかねえ。」「補助金額にしても、あまりに安すぎる。」とコメンテーターの方々は言いたい放題。どんなにか、今か今かと心待ちしている関係者の気持ちを考えれば違った感想も出てくるはずでは…と思いました。

 そして、たまたま同日に、コロナのため乗客が減り、収入源少を補うため、オンラインショップで濡れ煎餅を販売している銚子電鉄の模様を何かのTV番組で目にしました。懸命な努力をしている銚子電鉄の取組が評価されることは喜ばしいことです。しかし、「大元は、そこじゃない」と。「コロナの前から、銚子電鉄の取組は始められているものだし。」

 Go Toキャンペーンに対する取り上げ方もあったので、ついつい、そう言いたくなりました。

 

   公共交通機関には、物言わず、黙々と働くというイメージがありますから、ここでみんなで考えないと、そのうち、どこかで廃業、廃線といった事態が起きかねないとも言えません。 

 ウィズコロナで生きていかなければならないならば、今考えるべきは、まさしく、新しい公共交通機関の在り方(運行方法(乗客定員制を含む)、乗車マナー等)だと思います。 

 

   残念ながら、銚子電鉄には、まだ乗車した経験がありません。

   写真は、広島電鉄宮島線の主力、5000系です。20年少し前、羽田空港から広島市に入り、朝、タクシーで目的地に向かう前に市内を歩いていて、走行してきた電車に思わず、シャッターを切りました。

 広島電鉄は、超床下車両に、日本で初めて目をつける等、先を見据えながら経営を続けている会社です。5000系は、1999(平成11)に、ドイツ シーメンス社から輸入された連接車です。この時広島電鉄の車両を撮ったのは、これ1枚きりで、デビューして2年くらい過ぎた頃になります。