その①より



2019年11月26日(火)


昨年11月の日帰り旅、京阪の石山坂本線に乗車して石山寺駅にやって来ました。


ここの鉄道むすめは「石山ともか」という方でした。

キャラクターの人気投票でも上位なんだそう。



さて、石山寺の最寄りであるから石山寺駅。

ですが、門前までは10分ほど歩きます。


折角なので、瀬田川に下りて水際をぶらぶら歩こうかな。



琵琶湖に流入する川は数あれど、流れ出る川は瀬田川の一本のみ。

京都に入ると宇治川、大阪に入る桂川と木津川の合流点で淀川に名前を変えます。


滋賀県民が大阪府民や京都府民と言い争いになると「琵琶湖の水止めたろか」と怒る関西では鉄板?のネタがありますが(私は使ったことがない)

つまりは、この瀬田川を堰き止める訳です。


...無理だな。



穏やかな流れの瀬田川。

薄い曇り空を川面に映します。

確か、今日は雨は降らないはず。


そうそう、少し上流の唐橋では毎年夏に花火が上がります。

対岸にある建物大社の船幸祭です。

唐橋の向こうで上がる花火は、趣があって綺麗ですよ。



あと、ボートの練習をチラホラ見かけます。

川沿いには大学や企業の艇庫があり、JRが川を渡る北側には大会が行われる漕艇場もあるのです。



そんなこんなで、西国巡礼十三番札所の石山寺に到着。

宗派は東寺真言宗で大本山、創建が747年とかなり古く、代々朝庭の尊崇あつい由緒ある寺院です。



東大門の両脇には、仁王像がいらっしゃいます。

自然と「お邪魔します」と小さく呟きながら、低姿勢で横を通ってしまいます。


筋骨隆々で怒った顔は寺院内に仏敵が入ることを防ぐ守護神としての性格を表しているので、簡単に言うと門番みたいな感じでしょうか。



石山寺は、また枕草子や更級日記など多くの文学作品に登場する寺院としても有名です。

かの源氏物語も、紫式部はここで着想を得たそうな。

作家や画家にとって、何か惹かれる場所なのかもしれない。




今回は紅葉の写真が多いので、文字は少なめになります。

色付きもピークで、ちょうど良いタイミングで訪れることができました。



大津市のゆるキャラ「おおつ光ルくん」がひっそりと隠れていました。

21世期版光源氏という設定で、市は石山寺を源氏物語ゆかりの地でPRすることに力を入れているのが窺える。



うん、さすが紅葉の名所。

たくさんの色鮮やかな木々に圧倒されます。

屋根に落ちたイチョウに被さる、真っ赤な紅葉は色合いが素敵でため息もの。



柔らかな朝の光を受けた木々は、目の前がパッと明るくなり自然と気分も上がります。



参道脇の灯籠を見ても分かりますが、夜になると境内がライトアップされます。

しかし、ライトアップが日本夜景遺産に認定されているのは知りませんでしたね。

夜まで滞在しないのが残念です。



いつもは近くに行くと丸い口をパクパクと開けて寄ってくるコイも、ここでは悠々と泳いでいます。

ちょっかいを出しにいったのに、格の違いを見せつけられた気分。



拝観料を納めて手水舎へ。

手水の作法は都度確認しているのですが、たぶんいつも100点満点の正解は出来ていない。



辺りは、山の中といった雰囲気に変わりました。

標高239m伽藍山の麓、背の高い針葉樹で見上げた空も狭くなります。



池の水面に映る、さかさもみじ。

錦鯉が空を泳ぐ様は、どこか神秘的であります。


ライトアップはさらに美しいのでしょう。

ほんと夜まで滞在しないのが悔やまれる。




本堂っぽい建物が見えたので坂を上ってみましたが、こちらは順路でない様子。

気が向いた方へ歩きながら、新たな発見に一喜一憂するのもまた一興。


そもそも、ここは境内の何処かな。



薄暗い林に光が差し込むと、紅葉はまた違った顔を見てせくれます。

光と影のコントラストがはっきりした感じです。



気ままに歩いていましたが、さすがに時間も押してきたのでパンフレットを広げます。

ふむ、少し戻った所の長い階段を上ると、本堂の前に出るようです。



横を通り過ぎた、荷台に大量の落ち葉を乗せた軽トラック。

焼き芋を連想してしまった自分、そろそろ甘いものが欲しくなってきた?



次回も引き続き、石山寺を散策します。

ではではノシ


【メモ】

石山寺本尊の御開扉が今月6月末迄です。

33年に一度および天皇即位翌年のみに扉が開かれます。

新型コロナウイルスで閉門していましたが、HPによると6月1日から時間を短縮して拝観を再開しています。

県を跨いでの移動は6月19日から徐々に緩和されるので、機会があれば三井寺の御開帳と合わせて訪れてみようと思います。


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