用土駅から蓮光寺

用土駅(JR八高線)の不思議な駅舎【埼玉県大里郡寄居町】

投稿日:2020年6月5日 | 更新日:2023年9月28日

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駅舎好きとしては、レトロな木造駅舎はたまらん存在だけど、レトロじゃなくても個性的なデザインも好き…。そんな個性部門で抜き出た存在である「用土駅(ようどえき)」を今回はピックアップしたいと思います。

用土駅は、埼玉県大里郡寄居町大字用土にあるJR八高線の無人駅です。無人駅でここまで凝ったデザインの駅舎は、なかなかないかと思います。

あと、野球ファンとしては寄居町というのもポイント高し。寄居町は、阪神タイガースの原口文仁選手の故郷なのですよ~。

こちらの選手でござんす。では、さっそく駅探索を始めましょう。



用土駅の基本情報


所在地:埼玉県大里郡寄居町大字用土1724
路線:JR八高線
撮影日:2015年10月中旬

用土駅から寄居駅、八高線の各停(高麗川行)なら5分ほど。用土駅から高崎駅は、八高線の各停(高崎行)なら41分ほどの位置関係にあります。

私は、「秋の乗り放題パス」っていう乗り放題きっぷを使って訪問しました。このきっぷは連続する3日間使えて、1日目に八高線に乗って用土駅のほか、越生駅や明覚駅も訪ねています。

越生駅を訪ねたときのエピソードは、こちらからどうぞ。

余談ですが、2日目は横浜線、3日目は東海道本線に乗って日帰り旅をしています。

用土駅のホームと改札

用土駅から蓮光寺

では、さっそく用土駅の様子を見ていきましょう。まずは駅名標。なんか色あせていますね。ローカル駅感があってそれもまた良し。

用土駅から蓮光寺

片面のみが乗降に使われる単式ホームで、線路は1つ。1面1線です。周辺は住宅地と田畑に囲まれているのが、写真から何となく伝わるかと思います。

用土駅から蓮光寺

別に用土駅以外でも見られるけど、何となく撮りたくなった鉄道電話。

用土駅から蓮光寺

無人駅の用土駅の改札はこんな感じ。交通系ICカードをタッチする機械がぽつんと置かれています。

用土駅から蓮光寺

そして、改札の奥には広大な田畑が…!

そして壁にはところせましとモニタやら張り紙やら時刻表やらがいろいろ並んでいます。「高麗川方面」と方向を示す案内もさりげなくありました。

ちなみにWikipedia情報によると、用土駅の1日平均乗車数、2010年の時点で89人なのだそうです。周辺の住宅の多さの割に少ないというのが正直な感想です。現在は増えているのでしょうか、減っているのでしょうか…?




用土駅の個性的な駅舎

用土駅から蓮光寺

そして、こちらが用土駅の駅舎外観です。なんとも近未来的というか、個性的というか、一度見たら忘れられないお姿です。

ちなみに右が今しがた出てきた改札で、左は地元の方の憩いの場となる「寄居町コミュニティステーション」となっています。まずは、右手の改札の外観から見ていきましょう。

用土駅から蓮光寺

打ちっぱなしのコンクリートがおしゃれですね。ポストは不要になった切符の回収に使われます。

用土駅から蓮光寺

駅名看板を見ると、おしゃれな葉っぱのデザインをしています。これはなかなか珍しい!

思い返してみると、「高麗川方面」と書かれた案内も葉っぱの形をしていたな…。なぜ?ということで調べてみました。

用土駅の葉っぱの正体はカタクリだった

こちらの葉っぱは、ユリ科で多年草の「カタクリ」の葉っぱなのだそうです。といいますのも、用土駅がある寄居町は、町の花にカタクリを選んでいるのですよ。

町中には、カタクリ体育センターなんて場所もあるらしい。しかし、町の花なのになぜ葉っぱを採用したのか…。この謎は解き明かすことができませんでした。

ちなみに、寄居町の観光スポットのひとつである鉢形城公園にはカタクリの群生地があり、花が咲く様子を見ることもできるとのこと。

寄居駅から徒歩約15分なので、用土駅から行くのは難しいかもしれませんが、機会があれば行ってみてください。私も寄居駅から散策するときに訪ねてみたいなあ。

用土駅の屋根は葉っぱの形?

この話を踏まえて駅舎外観を振り返ると、左手のコミュニティステーションの屋根って、葉っぱの形になってませんか?先っちょが少し反り返ってるのが気になってたんですよ。これ絶対葉っぱだよ!すごいこだわりだなあ。

改札の屋根も葉っぱなのかな?そうかもしれませんね。




用土駅の寄居町コミュニティステーション

用土駅から蓮光寺

つづいて、寄居町コミュニティステーションを見ていきましょう。中に螺旋階段でもあるかのような、斜めった外壁がおしゃれですね。

用土駅から蓮光寺

そしてこちらも、看板はカタクリの葉っぱです!

用土駅から蓮光寺

中はこんな感じで、当然ながら螺旋階段はありません(笑)

大人数入っても座れる長いベンチが壁に沿って設置されています。奥には、地元の情報を知ることができる掲示板的なものがありました。細い紙が並んでいるホワイトボードは、地元の方が作った俳句や短歌を紹介しているのかな?

全体的にやさしい色使いで、まさに憩いの場って感じです。もちろん、駅の待合室としても役立つことでしょう。

用土駅から蓮光寺

コミュニティステーションの近くには、駐輪場もありました。




用土駅の旧駅舎の歴史を伝える案内を発見

用土駅から蓮光寺

コミュニティステーションには、用土駅の歴史を伝える案内もありました。

上の写真は、用土駅が開設された1933年(昭和8年)に撮影されたものです。

そして下の写真は、用土駅の旧駅舎の写真です。白黒だし、だいぶ古い写真なのかなと思ったら、平成18年撮影と書いてあってびっくり!つい最近じゃないですか。

用土駅の旧駅舎は、2010年(平成22年)に解体されたのだそうです。旧駅舎…むっちゃ好みの可愛らしい木造駅舎じゃないすか。三角屋根の小さな軒下が可愛い、たまらん。

写真の横には「祝八高線開通」と書かれており、スタンプや当時の時刻表といった貴重な資料を見ることができました。なぜもっと丁寧に撮影しておかなかったのか…。

個性的で奥深い新駅舎を堪能しつつ、旧駅舎や八高線の歴史も学べる用土駅。なかなか充実した駅探索になりました。

次回は用土駅から歩いた様子をお伝えします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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