なんと"その2"はちょうど一か月前ということで、時の早さに驚愕せざるを得ないですね。
空模様は早くも梅雨景色ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?

本日は前回の続きで営団6000系の台車や中間車製作、さらに7000/8000系にも手を付け始めた様子をお伝えします。

まずは台車です。
営団6000系の台車は、ダイレクトマウント、クラスプ式踏面ブレーキ、住友ミンデンタイプの軸箱支持形式を採用したFS-378台車を採用しています。
この条件で軸箱支持がアルストムだと以前製作した小田急5000形の台車に近くなるため、ある意味親戚のような台車かもしれません。

他の台車同様、図面や真横からの投影写真をキャンバスに設定しスケッチしていきます。
プレゼンテーション1
台車や複雑な床下機器類は、どのタイミングでソリッドにするか難しいところです。
私の場合は"軸箱ごと"や"側梁ごと"、"ボルスタ部分"というように実車の機構のまとまりごとにソリッドにすることが多いですね。

実車も結局のところ"台車そのもの"が丸々出来ているわけではなく、あくまで軸箱や空気ばね、ボルスタ、基礎ブレーキ装置といった機器類が集合して成り立っているわけですから、そうした機器・機構ごとに作ったほうが収まりがよかったりします。

最終的にすべての台車に関するスケッチを表示するとこのようになります。
プレゼンテーション2
全て一度に見ると複雑ですが、スケッチ1枚ずつは単純なので、あせらずじっくり取組みます。


ソリッドにしたボルスタ無のバージョンがこうなります。
TRTA6000 1-2 Tc6100 v46-2
TRTA6000 1-2 Tc6100 v46
側梁中央より片側のみ作って、ある程度できたらミラーさせて反対側も作ります。
実はこの台車はブレーキ装置あたりが左右非対称なのでこれではエラーだったりします。

残りのボルスタ・ボルスタアンカ部分を作るとこんな感じ。
TRTA6000 1-2 Tc6100 v50-3TRTA6000 1-2 Tc6100 v50
やはりこの台車の特徴は軸箱支持に側梁から伸びる板バネを採用した点です。
本当ならもっと板ばね部分を薄くしたいところですが、強度的にこれが限界でした。(これでも0.2mm程度のはずです)

クラスプ式踏面ブレーキ部やブレーキシリンダ、ボルスタアンカなど、一部は小田急5000形の台車を持ってきて編集しています。
製作した車種が増えると流用できる部品が増えて作業が容易になるのはいいですね。

台車が出来たなら、前面を引き締める連結器周辺が欲しいところ。
TRTA6000 1-2 Tc6100 v55-2
というわけでつくります。

この形式は、ブレーキ制御装置が前頭部側面につくので忘れずにつけてあげます。
TRTA6000 1-2 Tc6100 v55


6000系 CT6100全景
TRTA6000 1-2 Tc6100 v55-3

TRTA6000 1-2 Tc6100 v51-2
受電器周辺の設計はこの後さらに見直していますが、イメージとしてはおおむねこんな感じ。
この姿こそ"The 地下鉄"ですね♪

基準となる先頭車が出来たので、先頭車をコピーして中間車を作ってあげます。
まずは中間車の基礎となるT/M2車を作ります。
TRTA6000 1-2 T6100 v7
TRTA6000 1-2 T6100 v7-2
6000系はキノコ型貫通面が特徴でしたが、平成初期の更新工事で風の吹き抜け防止用に3/9号車代々木上原寄りに貫通扉が設けられました。

平成初期の更新は、8000系用とほぼ同等とみられる側窓と大差ない大きさの貫通扉窓を備えた貫通扉が備えられています。
最初期に更新された6109Fなどは、3/9号車に限らず代々木上原寄りの全車がこのタイプの貫通扉を備えているはずです。

一般のT/M2車が出来たら、次に作りたいのは中間運転台付きのCT車です。
TRTA6000 1-2 T6500 v3
ヘッド・テールライトはあるものの渡り板が無いと素っ気ない印象なので、後で設計する予定です。
この中間運転台のある妻面も、6000系5次車以降?については妻窓隅のRが側窓同様緩くなっていたりするので、設計には気を抜けません。

さらに、平成後期に入って列車火災時の延焼防止を目的としてつけられた貫通扉には、こんな大窓タイプが登場しています。TRTA6000 1-2 T6500 v3-2
貫通扉窓を縦長にしただけで近代感が出るのは面白いですね(笑)

ここまで出来たら、最後にパンタ配管が面倒なM1車を作ります。
TRTA6000 1-2 M6300 v4
TRTA6000 1-2 M6300 v4-3
TRTA6000 1-2 M6300 v4-2
この段階では配管の足を付けておらず、宙ぶらりんですがイメージとしてはこんな感じ。
キノコ型貫通扉を避けるように這う妻配管もいい感じに設計できました。

ここまできて欲が出てしまい、7000/8000にも成果を適用してみます。
TRTA7000 1-2 Tc7100 v2
7000系は簡単で、以前お遊びで作った前面種別窓に乗務員扉高さを修正し、黄色帯化と前面ナンバーを下げてCT7100完成!
なんてそこまで簡単ではないですが、雰囲気はおおむねこのような感じとなります。
本当はさらに逆L型アンテナが1本増える代わりにJR列車無線アンテナと信号煙管が消えたり、前頭部床下受電器周りの形状が違ったりします。

新線池袋という言葉が無くなって早7年ですか……


8000系は一筋縄ではいきません。
TRTA8000 1 Tc8100 v18
TRTA8000 1 Tc8100 v19-2
まずなんたって前面意匠が大幅に変わりましたし、側面も乗務員扉枠にRがつき、側窓は製造当初より一段下降窓化され寸法も拡大しました。

特に特徴的な額縁付き前面意匠は難解で、ただの額縁形状ではなく、R10.000程度のRがまくらぎ方向につく形状となります。
直上2枚目の画像を見ると、前面まくらぎ方向にわずかに円弧を描いているのが見て取れると思います。

Hゴムを付けてレタリングもペタリと……
TRTA8000 1 Tc8100 v23
TRTA8000 1 Tc8100 v23-2
TRTA8000 1 Tc8100 v19-3
東急田園都市線の建築限界に合わせて付けられた裾部のテーパーもいい感じにすり付けられたのではないかと。

そして完成イメージ。
TRTA8000 1 Tc8100 v26
さすがにそりゃないだろ!
って思いますよね。
8000系の特徴の一つであるボルスタレス台車は後ほど設計いたします。
クーラーも角型クーラーの設計がまだでして、かまぼこ上の箱が載っているだけですが、実車写真をトレースしているので雰囲気は出ているかと。

そのくせちゃっかり連結器は並形自連を付けています。
まあ並形自連は3450形で既に設計済みなので、小加工で済んでいるのでした。

快速水天宮前……懐かしいなぁ……


最後に3並びで。
TRTA678000 v1
TRTA678000 v1-2
傾斜のついた前面、左右非対称で窓無しの非常扉、細長い車掌台側窓のこの形式たちは私にとって地下鉄の代名詞的存在です。
個人的にはこれに東西線の5000系が加わります。

営団団章のSマークが本当に似合っていますね。

何故だかレンダリングすると実車以上にカッコよくみえてしまいます。
困ったものです(^^;)


本日はここまで!
次回は梅雨明けになってしまうのでしょうか?
出来れば梅雨明け前に3Dプリント&6000系発売といきたいところです。


特に要望がないならそれはそれで構わないのですが、各車両の製作記のうち"この形式のこの部分の設計の様子を詳しく知りたい!"、"この部品のこの形状はどうやって作っているのか?"といった質問がございましたら、設計履歴が残っておりますのでお答えしていきたいと思います。

どの記事でも構いませんのでコメント欄に書いていただければご紹介します。
お気軽にご相談下さい。