所有事業者:じょうてつ (北海道)

仕様・用途:一般路線仕様

登録番号:札幌22 か ・986

配置:川沿営業所

初年度登録:1990年

シャシー製造:三菱自動車工業

搭載エンジン:三菱6D22T型

車体架装:新呉羽自工

車両型式:P-MP618P(T)改

車名:三菱ふそうエアロスター・K

撮影日:1993年2月25日 (木曜日)

撮影場所:札幌駅前バスターミナル

※・・車両型式については、あくまでも 「もはね的便宜呼称」

 

北海道、特に札幌市内で路線バスを運行している事業者というと、北海道中央バスをまず思い浮かべます。次いでJR北海道バスになりますが、もう1社、忘れちゃなんねぇバス会社があります。そう、じょうてつですね。社名だけ聞けば、 「・・・?」 となりますが、元々は札幌の奥座敷・定山渓温泉まで鉄道を運行していた定山渓鉄道がそのルーツになります。北海道の鉄道としては珍しい電化路線で、国鉄函館本線よりも早い段階で、戦前には既に一部区間で電化が完成していました。また、国鉄線に乗り入れて札幌駅まで乗り入れていましたが、私が生まれた1969年11月1日に廃止されまして、この区間は真駒内まで札幌市営地下鉄南北線の建設用地となりました。

 

同社は1957年に東急の傘下に入って、北海道におけるグループの一翼を担っていますが、前述の鉄道線廃止以降は、バス事業を中心とした事業形態となり、1973年に社名を現在のじょうてつに改称しました。

鉄道線廃止後、運転士や車掌等、その事業に従事していた社員を札幌市交通局に移譲させ、バスに関しても路線や営業所 (真駒内営業所) を譲渡しましたが、2003年には逆に札幌市交通局のバス事業撤退に伴って、同局の藻岩営業所の路線と車両を受け入れました。

 

じょうてつの乗合仕様車は、特に自社発注車に関しては長距離運行であることと、その途中に勾配区間があることなどから、長尺で高出力エンジンやエアサスを搭載したバスを採用し続けてきました。画像のエアロスターも然りで、WB6mのP尺、直噴式エンジン6D22型をベースにターボで武装した6D22T型を搭載しています。私の記憶が確かならば、6D22T型エンジンはカタログモデルではなく、いわゆる改造扱いの “特注車” だったと思います (ターボ付きエンジンがカタログモデルになったのは、平成6年排ガス規制適合車 (記号:KC) から) 。

観光・高速路線用のエアロバスもターボ付きは採用事業者が限られていますが、路線用のエアロスターもまた、ターボエンジン車は採用事業者は知れていると思います。

 

じょうてつのふそう車は代々、呉羽ボディを採用していましたが、エアロスターが採用されたのは1990年が最初です。1993年にボディデザインの集約によって、エアロスターのボディは名古屋製ボディ (エアロスター・M) のデザインに統一されましたが、それまでは独特の “呉羽デザイン” のボディを愛用していました。

そして、ボディカラーをこちらも長らく親しまれてきた赤白のデザインから、東急グループの共通カラーである 「マーキュリーカラー」 をアレンジしたデザインとなり、以降の同社の標準カラーとなっています。札幌市交通局から移籍した車については、札幌市時代のカラーをそのまま継続していました (一部で塗り替えられたものもあり) 。

2007年に除籍されました。

 

【参考文献・引用】

バスラマインターナショナル No.159

BUSRAMA EXPRESS No.12 「三菱ふそうエアロスター」

(いずれもぽると出版社 刊)

HRIB北海道バス総合研究所

ウィキペディア (じょうてつ、定山渓鉄道線、三菱ふそうエアロスター)