ここで皆様にお詫びをせねばなりません。プロジェクトSHIMONADAの初回に「塗料、とりわけ世のお母さん達が眉をしかめる有機塗料を一切使わない」と堂々宣言したのですが、撤回です。フレキシブルレールの塗装だけは、例外をお許しください。プリントアウトした紙を枕木に1本ずつ貼り付けることも考えたのですが、すごく手間がかかる割にほとんど効果が期待できないので。

 

ただし、言い訳がましく言うと、いずれは、小学校低学年向けに、塗料を使わない方法もご紹介したいと思っています。何のことはない、既製の組レールを使う方法で、ポポンデッタのトレッサ横浜店ではトミックスの旧レール(中古)を1本30円で売っていますから、直線レール4本、計120円で、このセクションができてしまいます。実際にテストしたのですが、レーザーソーでプラの道床だけを3㎝毎に切り離せば、下灘駅のホームにあわせた緩やかな曲線にすることも可能です。

 

ともあれ線路を塗装するわけですが、ハテ、枕木やらレールは何色で塗ればいいのでしょう。過去のTMSやらウエブやらをいろいろ調べたのですが「これは素晴らしい」と思う作品ほど「線路は錆色で塗装しました」とか書いてあって、思わず「あのなあ、オレはその錆色がどのペイントの何色か知りたいんじゃ」とつっこみたくなります。

 

小生の場合、アメリカ型のHOでは、まずタミヤスプレーの「タン」を全体に吹いて、枕木を黒インクのアルコール割りでウォッシングして、最後にレール側面にタミヤカラー(エナメルのやつ)のレッドブラウンを筆塗りする、というのを標準工法にしていました。ところがこれだと空気の乾いたカリフォルニアの路面みたいになって、われらが国鉄型の感じがしません。実際、下灘駅の実物写真をみると、枕木の色はもう少し濃いようにみえます。

 

ただし、写真というのも微妙なもので、枕木やらレールの色は、その日のお天気や時刻、さらにカメラのCCDと画像処理エンジンのキャラクターによって、さまざまです。さらに言えば、パソコンのモニターや部屋の照明によっても、印象が変わるかもしれない。下灘駅の線路の写真を何枚かご紹介しますが、貴兄だったら何色に塗りますか?

 

2019年3月15日 SONY AX-30にて撮影

 

2019年9月8日 SONY AX-30にて撮影

 

201811月3日 Nikon D-300にて撮影

 

2010年6月10日 Canon IXY200Fにて撮影

 

で、小生がどうしたか、というと、実に安直なことに、手元にあった10年以上前の、タミヤスプレーの「レッドブラウン」を使ってしまいました。これが正解かどうかさっぱりわかりませんが、とりあえず何かやってみないことには評価できません。このセクションは「試作品」という位置付けにして、前に進むことにします。

 

こちらが塗装前の状態です。

 

手元にあったマスキングテープで、路面以外をマスキングします。

 

貼り終わりました。

 

手元にあったタミヤスプレーのレッドブラウンです。10年以上前に買ったものなのですが、ちゃんと使えるのでしょうか。作業はマンションのベランダで行ないます。ご近所さん、シンナーが匂ったらすみません。

 

塗り終えました。

 

マスキングテープを勢いよく剥がしたら、地面シートの一部がはがれてしまいました。あと、マスキングテープを貼らなかった部分にも、うっすらと塗料が飛散しています。このあと隠れちゃう部分だから問題ないのですが、マスキングはしっかりせねばならないのですねえ。

 

必要もないのにホームと車両をのっけて、眺めながらいろいろ妄想するので、なかなか作業が進みません。

 

薬局で売っているエタノール(ただし直近はコロナのせいで品薄かも)にパイロット社の黒インクをスポイトでポタポタ落としたものを小瓶に入れておきます。デイブ・フレーリーの教科書にでていたウォッシング液です。このインクは、たぶん20年くらい前に買ったものですが、一生かかっても使いきれないかも。

 

ウォッシング液を枕木に塗ります。

 

スプレーしたときには老眼で見えなかったのですが、しっかり塗れてなくてレールの銀色が透けている部分あるので、筆塗りで補正しました。工作のカンが完全に鈍っちゃってますね。ああ、お恥ずかしい。

 

またまた車両を置いて、妄想にふけっています。なお、ここまでの作業が正解だったかどうかは、バラストを撒いてみるまでわかりません。バラスト散布は線路まわりの地形が整ってからの作業になるので、結果は将来のお楽しみになります。