前回に引き続き2017年2月の夫婦旅行の記事を振り返るシリーズです。

 自宅から東北・上越・北陸新幹線を利用するには上野駅が近くて便利なのですが、早朝だと上野駅の駅弁屋さんは小規模で品数が少ないお店しか営業が始まっていないので、このときはわざわざ東京駅まで行って駅弁屋「祭」で朝食の弁当を購入して行くことにしました。
 前回の秋田旅行では「こまち」の普通車で往復したのですが、このときは生意気にグリーン車で往復しました。
 グリーン車であるものの、秋田新幹線は盛岡駅から分岐して在来線の軌間を狭軌から標準軌に改軌した田沢湖線へと入るので車体は在来線規格の小さいミニ新幹線…シートなどはグレードを高くしていますが、フル規格新幹線のそれよりはちょっと窮屈な感じです。

 盛岡駅までは東北新幹線の「はやぶさ」と併結して宇都宮以北では国内最高速度で走るので速いのですが、田沢湖線に入ると単線になるので通過駅でも対向列車とのすれ違いのための運転停車(客扱いを行わない時刻表のうえでは通過扱いとなる停車)があったりして、のんびりしたものです。

 しかし、2月ということもあって車窓は雪景色が広がり、そんな車窓を楽しめるのでひとつの列車で乗り換えることなく国内最高速度とローカル線をゆく特急列車の走りを楽しめる「一粒で二度おいしい」列車でもあるのです。おまけに大曲駅で奥羽本線に合流する田沢湖線は秋田駅とは逆方向の山形駅方向へ合流するので大曲駅で向きを変えて大曲~秋田間は逆向きで走るという新幹線らしからぬ場面も楽しめます。

 ちなみに母ちゃん「こまち」のことを乗車中の車内で「あきたこまちはどこに停まるの?」とか「あきたこまちはどこではやぶさと分かれるの?」などと訊いてくるので「母ちゃん、あきたこまちはお米、こまちと言いなさい」と、諭すのですが時既に遅く、周囲の座席からはクスクスと失笑が漏れてくるので閉口しました。
 もちろん列車名は秋田小町といわれる秋田美人に因んだものです。E6系の側面に貼り付けられているそのデザインを見てわからないのか…平仮名であきたこまちなんて言われると米俵が思い浮かんできて新幹線のイメージが崩れてしまいます。