ことでん「幻の高架化」存廃含めて検討 都市計画の検討業務委託を公告



香川県は5月26日、「琴電連続立体交差事業都市計画検討業務委託」を公募型プロポーザルで公告した。履行期間は契約締結日から2021年3月26日までで、業務費の目安は500万円(税別)。

ことでんの高松築港駅。高架化に伴いJR四国の高松駅の南側に移設する計画だった。【撮影:草町義和】

香川県は5月7日に公告したが、「資料に不備があった」(同県土木部都市計画課)として中止し、改めて公告した。今回の公告によると、業務委託の概要は、10年前に中止された高松琴平電気鉄道(ことでん)の連続立体交差事業(連立事業)について、1998年の都市計画決定からの社会情勢の変化などを踏まえ、連立事業の都市計画のあり方について存廃も含め検討する。

入札のおもな参加資格は、香川県内に本社や営業所があり、測量・建設コンサルタント業務などの資格を持っている単体企業。2005年以降の連立事業の計画策定業務や検討業務の履行実績も求められる。締切は参加申請書が6月9日まで。技術提案書は6月17日から7月1日まで受け付ける。

この連立事業は、高松市内のことでん琴平線(2856m)と、ことでん長尾線(956m)を高架化し、28カ所の踏切を解消するもの。事業区間内にある高松築港駅と片原町駅、瓦町駅が高架駅になり、このうち高松築港駅は高架化にあわせてJR高松駅の脇に移設する計画だった。

ことでんの経営悪化や香川県・高松市の財政難を受けて2010年に事業中止となったが、都市計画上はいまも維持されており、連立事業の存廃も含めて検討されることになった。

10年前に中止された連立事業の高架化区間(赤)。【作成:鉄道プレスネット編集部/国土地理院の地図を加工】