箱根登山鉄道の興味深いところ 三線軌条と小田急の直通運転 | 模工少年の心

 箱根登山鉄道が数ある鉄道路線の中でも特異な存在であり、魅力的と思う理由は、もちろん、箱根湯本-強羅間の、登山電車ならではの運転方式や車窓の景色が見られることが、まず第一に挙げられます。

   それだけでなく、箱根登山鉄道が興味深いところは、箱根湯本から小田原方面に向けても、小田急電鉄の車両の乗り入れに伴い、三線軌条という希少性のある鉄道施設が見られるということもあります。

    現在は、小田急車両が小田原-箱根湯本間を走行していて忘れてしまいそうですが、この区間は小田急ではなく、箱根登山鉄道線に属しています。事実、2006年(平成18年)3月17日までは、箱根登山鉄道の車両が小田原まで直通していました。

 


 

「敷かれていた」と過去形になっているのは、残念ながら2008年3月15日のダイヤ改正で、小田原-入生田駅間の1435mmの方のレールが撤去されてしまったからです。

   ただ、今も入生田には箱根登山鉄道の車庫があり、乗客が乗ることができる車両はありませんが、入生田駅のホームに降り立てば、「三線軌条」の面白い線路を見ることができます。

 

  ※三線軌条の様子がわかる写真が見つからず、言葉だけではわかりにくかったと思います。秋本敏行さんが「首都圏でも見られる三線軌条」(20162月)と題して当時の状況をルポされていますので、興味のある方は、ご 覧になられるとよろしいかと思います。

 

 

   箱根登山鉄道と小田急との直通運転が今のような形になるまでには、紆余曲折がありました。

 箱根登山鉄道と小田急線との接点がいつごろから、どのように変遷してきたのかについて、少し調べてみました。

 

箱根登山鉄道と小田急電鉄の沿革(相互の関係に関わること抜粋)

1888年(M21小田原馬車鉄道東海道線 国府津-箱根湯本(当時の駅名は違っているかもしれません)間を馬車鉄道が結ぶ。

1896年(M29小田原馬車鉄道が小田原電気鉄道と改称される。

1900年(M33321小田原電気鉄道が電化完成する。

1920(T9) 小田原電気鉄道、熱海線が建設され、国府津-小田原間が廃止される。

1927(S2)1015小田原急行電鉄(小田急)新宿-小田原間開通。

1928年(S3)小田原電気鉄道から鉄道線が箱根登山鉄道として独立する。

1935年(S10新宿から小田原まで、ノンストップ週末温泉特急の運行が開始される

箱根登山鉄道箱根湯本-箱根板橋間の軌道線が廃止され、小田原を出て箱根板橋までは新線、箱根板橋付近で既存のルートに付け替えられ箱根湯本へ向かう線形となる。

1950年(S2581小田急が箱根湯本まで乗り入れ運転を開始する。

箱根登山鉄道小田原-箱根湯本間600Vから1500Vに昇圧される

1951年(S2621小田急ロマンスカー1700形が就任。

1956年(S31531小田原電気鉄道小田原-箱根板橋間の軌道線が廃止される

2006年(H18318日 小田原-入生田間2線軌条化

2008年(H20315日 箱根湯本行きの直通急行が廃止される。

 

えんじ色 … 箱根登山鉄道関係  青色 … 小田急関係

 

 年表を整理していて、いろいろな気付きがありました。

☆小田急小田原駅は、小田急が開通して小田急の駅として作られたこと。

☆小田原駅開業当時は、小田急の線路が現JRの線路とつながっていて、貨物の受け渡しが行われていたこと。

☆箱根登山鉄道の前身は、小田原電気鉄道で、そもそもは馬車鉄道であったこと。当時の小田原駅は、軌道線の駅として海側にあったこと(小田急とは接続されていなかった)。

 

 その後も紆余曲折はありました。このような波乱万丈の歴史があって今に至っています。

 1950年から2006までの比較的長い期間、小田急、箱根登山鉄道相互の基本的な運行形態に大きな変化はありませんでしたので、当たり前のように思っていたようです。

 

模型で再現  〜箱根登山鉄道と小田急ロマンスカーの列車交換〜

 


〇 MODEMO 箱根登山鉄道 モハ2

  HT-2 M車、T車 の2両編成 1989年発売

 MODEMOが自社で開発した、MPギヤに近い動力伝達方式を採用しています。ジョイントの触れに対応できるようジョイントカバーが太めに作られているため、やむをえませんが、プラ製の床下機器の表現は薄さが気になります。。窓枠のシルバーがピカピカ輝いていて、個人的には好きです。

 

〇 小田急 NSE 中村精密 ショーティー7両編成)

        冷房強化前の原型タイプ  1977年発売

 
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 ボディーだけのジャンクを中古で購入したため、下回りは、カツミのFS-346台車を使用し、床板との取付は、台車に合うように調整しました。

 エンドウのMPギヤシステム(先頭車2両の片側台車 妻側を駆動)を採用。力不足を心配しましたが、ピボット台車の転がりが滑らかなので牽引力に問題ありません)

 パンタ碍子台を自作する必要があり、まだ手をつけていないため、パンタはまだ付いていません。模型は走りますが、パンタがないと、本当は、走行することはできません。

   以前ジェイズから発売されていたロマンスカーのオルゴールの音源モジュールが、再販売されることを心待ちしています。