みなさんこんにちは。今日の話題です。

 

 

ヤフーニュース(西日本新聞配信)2020(令和2)年5月18日付けより。

 

 

北部九州を走る「JR九州 日田彦山線(ひたひこさんせん)」で、不通になっている一部区間の復旧に当たり、もとの「鉄道」方式ではなく「BRT(Bus Rapid Transit)」という方式での採用で沿線自治体が事実上一致した…というニュースを目にしました。

 

 

ヤフー地図より。

 

「日田彦山線」とは、北部九州の交通の要衝「小倉駅(こくらえき、福岡県北九州市小倉北区)」から少し南、大分・宮崎方面へ向かう「日豊本線(にっぽうほんせん)」の「城野駅(じょうのえき、同小倉南区)」が起点です。

 

 

そこから筑豊地方の東側を通り、同地域の中心地のひとつ「田川伊田駅(たがわいたえき、同田川市)」「田川後藤寺駅(たがわごとうじえき、同)」を経て、福岡・大分県境の険しい山々を長大なトンネルで抜け、九州を東西に縦貫する路線のひとつ「久大本線(きゅうだいほんせん)」の「夜明駅(よあけえき、大分県日田市=ひたし=)」に至るという、68.7kmの路線です。

 

もともとは、沿線の炭鉱から大量に産出される石炭の輸送を主に建設された路線ですが、北九州、筑豊の中心地域では、近年では通勤・通学の利用も多く見られるようです。

 

 

ただしそれ以南、殊に福岡・大分の県境に当たる「田川後藤寺~夜明間」では、山深いのんびりとした雰囲気のローカル線になります。

先ほどの記事にあったように、2017(平成29)年7月の「九州北部豪雨」でその一部区間が大きな被害を受け、うち「添田(そえだ、福岡県田川郡添田町)~夜明間」がいまなお、運休したままの状態になっています。

 

 

運休から約3年、県・地元自治体やJR九州などの間では、鉄路での復旧を第一に模索して来たそうですが、需要に対する復旧費用の問題などがネックになり、不通区間の復旧に当たって、沿線の三町村(同添田町・同東峰=とうほう=村・大分県日田市)が揃って従来の「鉄道方式での復旧」を事実上断念し、今般「BRT方式での復旧」を軸に進める方針が定まった…ということになりました。

 

 

「BRT(Bus Rapid Transit)」とは、簡潔に言うと「バスを使用した高速輸送システム」なのですが、従来のバス路線と異なるのは、専用のバス車両や設備を使用し、鉄道のような高速性・利便性を兼ね備えた運行を行っているという、あたらしいシステムだということです。

 

 

 

具体的には、

・専用のバスレーンや専用道路(場合によっては、BRT化で廃線になった路盤を改修し転用)の使用

・かつての鉄道の所要時間に近づけるために、主要な停留所のみ停車する方式を採る

・BRT区間と鉄道区間との接続を簡略化する

(接続拠点の同じ構内にBRTと鉄道の乗り場を隣接させ、乗り換え時間を極力省く)

・相互の接続を考慮したダイヤを組成する…

 

などの取り組みが行われているものを指します。

 

 

現在、日本で「BRT方式」を採用している事例は、全国でいくつかあります。

 

例を挙げてみますと、宮城・岩手県沿岸で、9年前の「東日本大震災」で被災し不通になり、復旧に当たりこの方式を採用した区間。

以上は「BRT 本吉駅(もとよしえき、宮城県気仙沼市)・気仙沼駅(同)」にて。

 

(参考)

当ブログ↓

「JR東日本 全線完乗への道!その77~前谷地駅からBRTで本吉駅へ」(2017年7月17日アップ)

https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477849021.html

 

 

 

 

 

そして、もともと計画されている地下鉄の延伸計画において、あらためて旅客需要を喚起し、将来、地下鉄を延伸した際の効果を見極めようという目的の「社会実験」として、OsakaMetroが行っている「BRT いまざとライナー」(大阪市)。

 

(参考)

当ブログ↓ 

社会実験BRT「いまざとライナー」の沿線を巡る その1(2019年8月2日アップ)

https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12499466724.html

 

社会実験BRT「いまざとライナー」の沿線を巡る その22(2019年8月23日アップ)

https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12506178632.html

 

 

この2例は、まったく異なる趣旨で採用されていることが特徴なのですが、「日田彦山線」で検討されているものは、前者に当たります。 

 

「不通になっている鉄道を復旧する」ということで、住民の貴重な交通手段を今後も維持するという意味合いのある「BRT化」への方針転換ですが、需要が限られている鉄道路線を復旧・維持するよりかは、BRT化した方がコストは格段に下がるそうですし、鉄道に比べてそれまでは出来なかった小回りな運行が出来る…というメリットも大きいと言われています。

個人的には大変気になる動向ではあるのですが今後の報を注視しながら待ちたいと思います。 

 

 

ところで今回、実質的な「BRT化」へ舵が切られた「日田彦山線」の不通区間ですが、5年ほど前に乗りつぶししたことがありました。

 

 

 

そのようなことなど、考えもしなかったのんびりとしたディーゼルカーの旅でしたが、次回からは、その様子を再編集の上で、当時の様子を回顧しながら、お送りしたいと思います。よろしければおつきあいください。

 

今日はこんなところです。