正味1時間半ほどでしたが、市内観光を終え気分を新たに鉄旅を再開。思えばレンタサイクルを利用してまで市内観光をしたのは、いつ以来かも思い出せないくらい久々でした。今後は鉄道一辺倒だけでなく、観光の要素も多く取り入れ、旅に幅を持たせるのもアリかなと、改めて思い直したほどです。
これから新宮発10時52分の列車に乗りますが、終点多気駅到着は14時10分、おそらくそれまでの間食事はお預けの可能性が大ということで、駅の売店で軽く食料を調達します。私は基本的に外食を好みますが、こうした買い食いやテイクアウトのような類はあまり好まないのですが、お店がまだ開いてないことには仕方ありません。サンドウィッチをベンチで頬張り車内へ乗り込みます。
新宮駅まではJR西日本区間で電化されていましたが、ここから先は非電化のJR東海区間。発車時刻が近づき、入線してきた列車に乗り込みます。
パッと見静岡地区でも走っている313系そっくりですが、これはキハ25形というれっきとした気動車です。パンタグラフがないこと以外は本当に外観はそっくりで瓜二つ、JR東海の車両画一化もここまで来たかと驚きました。車内は残念ながらロングシートで、JR西日本区間同様、足を延ばし体をひねりながら車窓を楽しむことにします。ただシート自体は座り心地もよく非常に快適で、しばしば睡魔に襲われ記憶が飛んでいました。
定刻に発車しましたが意外にも乗車率は良く、車内は適度な賑わいを見せています。
11時29分着の熊野市駅で最初の長時間停車。高校生を中心にかなりの下車客がありました。
気分転換にホームへ出ると、この地名産の那智黒石で作ったモニュメント?が鎮座。碁石の黒石や硯などに加工されているようです。その歴史は古く、平安時代には既に硯の原料として使用されていたとのこと。
5分ほど停車し、熊野市駅を11時34分に発車。下車した高校生とは別の、また新たに高校生が多く乗り込んできます。
先ほどの熊野市に続く、沿線の主要都市尾鷲市の中心尾鷲駅には12時22分の到着。ここでも数多くの乗り降りがありました。熊野市・尾鷲市両市とも、地方都市のご多分に漏れず過疎化が進み、人口の減少に悩んでいるものの、それでも三重県南部の主要都市としての機能はキッチリと果たしているように感じられました。高校生や年配の方を中心に、まだまだ鉄道は地域の足として現役で活躍中のようです。
12時57分着の北牟婁郡紀北町の紀伊長島駅で再び長時間停車。三重県には『長島』という地名が2つあり、
有名な長島スパーランドやなばなの里などがあるのは『伊勢長島』。こちらは紀伊国にあるので『紀伊長島』と呼び分けています。ただ、一般的に『長島』といえばこちらではなく『伊勢』の長島を指すことが多いと思われます。
再びホームに出てストレッチ。その時なんかよくわからないアングルでの1枚を撮影していました。
自分でもなぜこの構図で写真を撮ったのかよくわかりません。当時の私には、きっと何か感じるものがあったのでしょう。
終点多気駅には定刻通り14時10分の到着。
新宮駅を発車して既に3時間以上経過しており、非常に空腹です。このあたりで何かありつければよいのですが・・・