冒頭の写真は以前の記事からの転載です。

 

以前の記事で、盛大なフライングをやらかしてしまい、壮絶に自爆してしまった管理人ですが(滝汗)、遂に8606Fは5月11日午前の運用をもって退役、恩田(長津田車両工場)へと回送され、ただちに編成をばらされて搬出待ちということです。さらに、一部中間車について、既に搬出が完了しているという情報もあります。

 

就役以来45年、長らくの活躍お疲れ様でした。

 

さて、東急で8606Fが退役したことは、以下の事実も意味することになります。

 

① 東急から、行先表示に「幕」を装備する車両(幕車)が消えた。

② 東武乗入不可の編成(所謂『サークルK』)が消えた。

 

①は既に、一昨年の時点で田園都市線以外からは「幕車」は消滅し、当時健在だった8590系とこの8606Fだけが最後の「幕車」となっていたのですが、8590系の退役後は、8606Fが唯一の「幕車」として君臨していました。その「最後の幕車」の退役により、東急から「幕車」が消えたわけです。

なお、5000系やY500系の種別表示はどうなんだとご指摘があるでしょうが(側面の行先表示と種別表示を別にしている編成)、あれは既にフルカラーLEDに換装済みなので、種別表示からも幕は姿を消してしまっています。

 

これに対して②は、田園都市線の東武直通開始後実に17年2ヶ月という、長い年月を要しました。もっと早く消滅するかと思っていましたが、ことによると平成19(2007)年ころのリーマンショックとそれに伴うJALの株価の大暴落(東急はJALに吸収合併された旧日本エアシステムの大株主だった。その関係で、相当数のJAL株式を保有していた)などにより、新車投入計画が白紙になったことも、8606F、「サークルK」車が生き延びる要因になったのかもしれません。

東武直通開始当初、「サークルK」編成は実に16編成もありました。それが東武直通対応追加改造の2本(8613・8614F)以外は全て退役により消滅し、最後はこの1本だけとなりました。2000系も機器更新の上短編成化され9020系となり、田園都市線から去っています。

一部では、8606Fは数年後に見込まれる8500系の完全退役まで残るのではないかといわれましたが、流石に運用管理上の桎梏でしかない「サークルK」編成を長く残す気は、東急の中の人にはなかったようです。8606Fの退役により、東急車の「一部編成の東武乗入不可」という軛が外れ、全ての編成が東武直通可能となりました。これにより、運用の自由度も突発事故発生時のリカバリー能力も大きく向上しています。「サークルK」の軛がなくなったことで、今後の東急車の運用は、JR東海道新幹線のN700系のように、編成ごとに走行キロ数を平準化し、特定編成のみ走行キロ数が突出することがないような運用となるのでしょう。

となると、この時期に8606Fを退役させたのは、予定されている東武の6.6ダイヤ改正に対応させたものともいえます。しかしあの改正、実施するのでしょうかね? 今のところは実施するともしないとも、東武大本営からのアナウンスはないようですが。

(東武・メトロの6.6ダイヤ改正の話題に関しては、コメントをご遠慮願います)

 

2020系も第17編成が甲種輸送されてくるということで、本格的に8500系の置き換えが進みつつあります。8500系で、中央林間から久喜か南栗橋まで乗り通してみたいと思いますが、この状況ですからねえ…しばらく待ちましょう。

 

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№1088.HANABI