SN総合車両所です。
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前回、在籍車両紹介をもう一度・・・とか書いていましたが急遽変更し、現在激アツのとある新製品対決について記事を書こうと考えました。しかし読者の皆様に対し個人の見解を紹介するということで、記事内容の根幹となる、SN総合車両所なりの模型製品に対する流儀を一度紹介しておきたいと思います。皆様が今後このブログをご覧になる際、車両所長の個人見解として以下の内容を頭に入れて頂ければ幸いです。

① 見た目がリアルな模型とは何でしょう?

おそらく読者の皆さんは、本物に似ている模型だ、と思われることでしょう。 
では、

 本物に似ている、とは何でしょう? 
 
これは人によって解釈が分かれるところだと思います。ディテールが豊富なことかもしれません。皆様の脳裏に焼き付いた実車の姿に近いことかもしれません。細部の省略が少ないことかもしれません。

私は、本物に似ているとは、実車をそのままスケールダウン出来ていることだと考えます。
 
読者の中には、「ディテールが豊富・・・」とか、「細部の省略が・・・」とかと同じなのではと思われるかもしれません。実は少し違うのです。
スケールダウン、とは、ディテールを完全に再現する、細部までぬかりなく再現することだけではなく、実車のディテール同士のバランスも再現することだと思っています

例を挙げてみましょう。
TOMIX、KATOとも、PS17パンタグラフを製品化していますね。本物と併せてぜひ比較してみてください。 
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本物には矢印部のように、下枠本体は2本になっています。模型を見てみるとTOMIXはここを1本に、KATOは2本そのままを再現しています。再現率はKATOの圧勝です。
しかし、再現率の高いKATO製は本物のようなバランスを表現できず、下枠がオーバースケール気味になってしまっています。一方のTOMIXは本物の2本が一体化したように設計され、他の部位とのバランスを維持し素晴らしい見た目となっています。これぞ正確なスケールダウンです。

皆さんにはお分かり頂けたでしょうか?本当に重要なのは、再現率ではなく、バランスなのではないでしょうか

こんな訳でSN総合車両所では外観に関してはディテール同士のバランスが取れた製品・バランスが取れるよう修正が可能な製品を高評価し、導入に役立てています。


② リアルを追求するのは、見た目だけでよいのでしょうか?

見た目については模型を購入されるほとんどの方が気にしておられます。見た目に本物同様を追求するのに、動力や集電部は本物のように整備することを追求しなくてもいいのでしょうか??

モデラーさんが製作された素晴らしい出来の車両が、ライトをちらつかせてぎくしゃく走行していたら、それでもリアルでしょうか?私は全く違うと思います。
「見た目がリアル」な模型を、「すべてがリアル」な模型にするためには、点検整備も重要だと思います。
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SN総合車両所では在籍車両について、明確な検査期限や大まかな走行距離を基準に定期検査を実施しています(そのうち紹介します)。それに関連して、長年の維持管理には摩耗部品・消耗部品などの確保が問題となってきます。

そこでSN総合車両所としては、製品の外観のみならず、メンテナンス部品のバリエーション、部品確保の容易性、部品流用可能性などを考慮し、メンテナンス性を評価項目に入れています。見た目が良くても、発売から時間が経ち気づいたときには動力台車が手に入らない、なんてことでは維持できませんので。

読みやすさを考慮し多少省略しつつ書きましたが、いかがでしたでしょうか。あくまでも個人見解ですし異なる考えを否定するつもりはありませんが、皆さんの模型に対する考え方を今一度整理してみるのも良いのでは無いでしょうか?
 
次回はいよいよ、今話題のあの新製品対決について、試作品画像を用いて徹底比較をしていきます。お楽しみに〜

それでは〜 
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