みなさんこんにちは。前回からの続きです。

 

 

先月の末、手元に届いた「京阪電車 開業110周年記念乗車券」を愛でながら、歴代の名車をあれこれ語るということをしています。 

 

 

今日はこちらから。

「1800系」と「5000系」です。 

 

 

前回も取り上げました「鉄路五十年(京阪電車開業50周年記念誌、昭和35年刊)」より。


明治の開業以来、大阪方のターミナルだった「天満橋駅(てんまばしえき、大阪市中央区)」を出発する「1800系」。 

見開きに、大写しされたカラー写真を見るに、当時は看板車両だったことが窺えます。

 

 

この「1800系」は1953(昭和28)年に登場した、京阪特急としては二代目の車両です。

戦後からほどなくして、新機軸を多分に採用した高性能車両でした。 

 

 

「1800系」を語る上で欠かせないのは、翌1954(昭和29)年に連結された、関西初の「テレビカー」でしょうか。

テレビの普及率がまだ低かった時代、沿線の松下電器(現在のパナソニック)の協力を得て、白黒テレビが車内に設置されると、たちまち大変な人気になったと言います。 


「京阪特急=テレビカー」の伝統はこの車両からはじまり、2013(平成25)年に惜しまれながら姿を消すまで、実に60年以上も続いたサービスでした。

ちなみに、日本で初めて列車内にテレビを設置したのは「京成電鉄」の「開運号」で、同じ1954(昭和29)年のことだったそうです。

 

 

そして「5000系」。 

高度経済成長期の1970(昭和45)年にデビュー、沿線の開発が進み、激増する乗客を輸送するに当たり、劇的な効果を果たした車両なのですが… 

 

 

その特徴というのは、車体側面にずらりと並んだ5枚の客用扉。

平日、朝のラッシュ時には第2・4扉の「ラッシュ用扉」を使用して「5扉車」となり、乗客の乗降時間の短縮に威力を発揮するのですが… 

 

 

昼間・閑散時には第2・4扉を閉鎖し、その部分には天井に収納している座席を降下させて、3扉車として運行出来るという、世界初の設備を備えているのが特筆される車両です。 

 

ただ、特殊な構造であること、将来的な駅ホームドアの設置計画が持ち上がっていることで、すでに廃車が進められており、数年内には姿を消すことになるようです。

 


そして「8000系」と「プレミアムカー」。

 


「8000系」は1989(平成元)年に登場した、京阪特急では第5代目に当たる車両です。


豪華な装備で人気を博し、全特急列車が当系列に揃えられるまでは、この車両に乗るべく、先代の車両に乗らず、わざわざホームで待つ人もあまた居たほどでした(わたしもでした)。 

 

 

そして「プレミアムカー」。

「京阪特急初の座席指定車両」として、その「8000系特急車」に組み込まれる形で、2017(平成29)年夏にデビューしました。

 

 

車内は「1列×2列」シート。

リクライニング式で、専属のアテンダントも乗務するという、これまでの京阪特急のイメージを大きく変える、実に斬新で快適なサービス導入になりました。 


 

そういったことで、京阪電車の110年を彩った名車たちを、付属の台紙を眺めながら妄想?して来ました。


実際に乗車したことのない車両ももちろんありますが、この先、2025年には万博もありますし、果たしてどのような進化があるのか?と、京阪ファンのはしくれとしては期待してしまいます。


 

ところで、この「記念乗車券」の有効期限は6月末まで。

ひとときに比べれば、時局は少しは落ち着いたように思えるのですが、先般には緊急事態宣言が5月末まで延長されましたし、まだまだ気を緩める訳には行かないなと感じます。 

 

 

残念ながら、使用することはなさそうですが… 

ともかく、時局が落ち着いて、気兼ねなく乗り鉄や撮り鉄出来る日がやって来るまで、いまは辛抱、辛抱…だと言い聞かせたいと思います。


今日はこんなところです。