みなさんこんにちは。今日の話題です。

 

 

先月も末のことになりますが、待ちに待った、この記念乗車券が手元に届きました。台紙付きの「京阪電車 開業110周年記念乗車券」です。

 

 

大阪日日新聞 電子版 2020(令和2)年4月3日付け 19面(地域総合面)より。 

 

実は、110周年の開業記念日、4月15日から、京阪主要駅で発売される予定だったのですが、ここでもコロナ禍の影響があり、すべて通信販売での取り扱いになった…という次第でした。

 

発売して貰えるだけでもありがたいものです。

 

 

表紙には、明治43(1910)年4月15日の開業初日、「大阪天満橋駅(大阪市中央区)」を出発する初代車両の姿。

路面電車仕様の車両に時代を感じます。 

 

 

中面にはカード式の乗車券と、歴代の車両紹介が掲載されていました。

これはなかなか凝っています。

 

 

 

台紙の右面には、京阪110年の歴史を彩った、歴代の名車たちの紹介がずらりです。

では、ここで取り上げられている車両について少し、掘り下げてみたいと思います。

 

 

まずは、こちらの2車種。

京阪電車最初の車両とは、表紙やカード券面にあしらわれている「1型」(左側)でした。

 

 

では、手元にあるこちらの「鉄路五十年(京阪電気鉄道 開業50周年記念誌、昭和35年刊)」から、その「1型」車両と、京阪電車が開業した当時の様子を拾ってみます。 

 

 

 

くだんの「1型」は、いわゆる「オープンデッキ(運転台と乗降口が吹きざらし)」でした。

見た目にもわかるのですが、路面電車然とした車両です。当初は、大阪市電との乗り入れ計画があったためと言われています。 

 

 

開業初日の「天満橋駅」。巨大な祝賀ゲートが設けられるなど、華々しい感を受けます。

 

 

ただし、当初の計画では、ここからさらに西へ行った「御堂筋(みどうすじ)」と交差する「高麗橋(こうらいばし、現在の淀屋橋付近)」を大阪方のターミナルにしたかったようですが、諸般の事情で、市内中央部のはずれにある「天満橋」を、ひとまずのターミナルにしたという経緯があります(京阪の悲願であった「淀屋橋延伸」は昭和38年4月に実現した)。

 

 

そして、京都方のターミナルとなった「五条駅(現在の清水五条駅。京都市東山区)」。

鴨川と市街地に挟まれた「琵琶湖疎水」沿いに線路と駅が設置されていました。

 

古くから往来の多かったかつての「京街道」沿いにこまめに駅を設け、頻発運転で利便を図ったことから、沿線住民からは大変な期待で以て開業を迎えられたようです。

 

 

そして、流線型が特徴的な「60型」。 「寝屋川車庫・車両工場(大阪府寝屋川市)」にて。

「びわこ号」という愛称で親しまれ、大阪・大津間を直通運転していた、日本初の連接車として知られています。

1934(昭和9)年から3編成が登場しました。

 

 

こちらが、最大の特徴である「連接台車」。

車両と車両の連結部分にまたがって、台車が設けられているのがわかります。

 

 

回転ドアを思わせる、連接台車真上に当たる、円筒形の貫通路部分。

乗り心地の向上もさることながら、道中に山岳路線である「京津線(けいしんせん)」を経由するために、小回りの効く機能的な、この方式を採用するに至ったとされています。昭和年に登場し、直後から、大阪から琵琶湖へ向かうレジャー客の輸送に大活躍したそうです。 

 

 

現在は、寝屋川で保存されている車両です。

運転台の隣まで設けられた座席、一度はこのような車両に乗ってみたいものです。

 

次回に続きます。

今日はこんなところです。