解除まで 急加速する ジェットカー

今回のテーマは「スルッち」です。スルッちて誰やねん?いやいや人物ではありません。腕時計の名称です。「スルッとKANSAI」と「ウオッチ」を合わせた造語になっているのですね。

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阪神5500系バージョンのスルッちです。たぶん約20年前に購入して、オフの日に使っていた記憶がありますが、電池切れで停車中です

緊急事態宣言発令による外出自粛の状況においては、腕時計なんて何の役にも立ちません。それなのに出番を待って時を刻み続ける姿を見ていると、利用者が激減してもダイヤ通り運行する鉄道のように思えます。こういう時こそ、地球の自転速度を急加速して時間を早く進めれば緊急事態宣言解除日を手繰り寄せることが出来るのにと空想しています。

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阪神5500系スルッちの全体を撮影しました

僕が住む兵庫県で緊急事態宣言が解除された後を想定してみますと、コロナ自体が撲滅しているとは思えないので不要不急の外出自粛の要請はしばらく残るでしょうか。そういった意味では、解除のずっと先にある正々堂々と乗り鉄取材に出かけられる日こそが待ち望んだ日と言えます。

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ベルト部分にも阪神5500系の側面図が描かれています

思い返せば平成7年(1995年)1月の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で多くの鉄道路線が被災して不通になりました。関係各社局の奮闘努力により少しずつ復旧が進み、被災地は復興に向けて動き出しましたが、趣味を楽しむような気分になるまでにはさらに時間を要しました。

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時計の裏面に阪神電気鉄道の社章が付けられています

阪神5500系が登場したのは平成7年11月です。デビュー当初から普通用車両であり、高加減速性能を持つ「ジェット・カー」の一種です。車体は「アレグロブルー」と「シルキーグレー」のツートンカラーとなり、それまでの普通用車両と比べイメージが一新されました。

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専用ケースに収納してみました

まっさらな新車として颯爽と登場した5500系は我々沿線住民に大いなる希望を与えてくれました。当初2編成8両のみのレア車両だったこともあり、見かけるだけでもラッキー、乗れるとハイテンションになれる車両だったのです。震災で傷ついた僕たちに電車に乗ることの楽しさを再び感じさせてくれた偉大な車両なのです。

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専用ケースにも社章が入っています

平成12年(2000年)までに9編成製造された阪神5500系は20年経過して初期の車両からリニューアル工事が実施されており、「ラピスブルー」を基調とした外観に一新されて登場しています。そして5511編成と5513編成の8両は武庫川線で運行されることになり、5月末に運行開始予定とされている2編成4両は、阪神タイガースをモチーフとしたデザインの「タイガース号」と阪神甲子園球場をモチーフとしたデザインの「甲子園号」で、乗れたらハイテンションになること間違いなしと期待されています。

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5500系デビュー記念の「ハープカード」です

武庫川線への5500系リニューアル車両投入に伴い、これまで武庫川線で運行してきた「赤胴車」が運行終了になることが発表されており、阪神電鉄では赤胴車記念グッズをネット限定発売しています。商品は「ありがとう赤胴車クリアファイル」、「走る!赤胴車ペン」、「赤胴車本革キーホルダー」、「赤胴車方向幕定規」の4種類です。「スルッち」の赤胴車バージョンはラインナップされてないのが少し残念ではありますが、あとを継ぐ5500系「タイガース号」と「甲子園号」に期待することにしましょう。

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西灘駅に停車中の阪神5500系5507編成です。この編成も既にリニューアル工事を受けています

では、魚を捕まえに行ってきます!