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2020年5月7日、阪急伊丹線の3000系3054編成が西宮車庫から正雀車庫へ回送されました。2020年2月から休車状態が続き、引退報道まで出ていたことなどから廃車のためと思われます。同編成は阪急電鉄において営業運転を行う最後のコイルばね台車使用車両で、この回送により『阪急』の営業用車両はすべて空気ばね台車の使用車両に統一されたことになります。
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【画像】正雀で行われた最後の検査を終えて西宮車庫に戻って来た3054編成、再塗装されたFS-45台車が特徴的。

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【画像】伊丹線で運用に入っていた頃の3054編成、貫通ドアの全車狭幅化はこの形式以後の標準スタイルとなった。



【解説:阪急3000系・3100系】
阪急電鉄では神宝線(直流600V:阪神急行電鉄)と京都線(直流1500V:新京阪鉄道)で架線電圧が異なっていた時代があり、大阪万博の開催や神戸高速鉄道の開通を控えた1967年〜1969年にかけて京都線側の架線電圧に合わせるかたちで神宝線の架線電圧昇圧が行われた。その際、架線電圧の昇圧時に大規模な改造工事をしなくても運転可能な車両として開発されたのが「3000系」である。
車両としては『2000系列の複電圧車「2021系・2121系」』をベースに2021系列で複雑化した機器構造を簡略化したもの、昇圧即応車・昇圧工事非対象の小型車を置き換え輸送力を増強するために「3000系・3100系」合わせて154両が製造、のちに2100系から1両が改造編入され合計155両の所帯となった。(うち「2100系から改造編入された車両」は1995年の災害被災により廃車された3100形の代替として3100形に転用された3000形の代替車として持って来たもの)

3054編成の正雀回送によりこの系列の残存車は4両(能勢電鉄3170編成:元阪急3156編成)となり、阪急電鉄で使用されている・使用されたことがあり現在も本線上を走行可能な金属ばね台車搭載車両も4050・4150系(4両:事業用車)と能勢電鉄所属車(1700系・3100系の合計20両) と計24両まで減少することになった。

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阪急3000系列最後の生き残りとなった能勢電鉄3170編成、非冷房車だったころの名残である『モニター屋根』がパンタ台座の下に残っている。


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