スイスの機関車の型式命名規則について | ツォイスの庭の飯太鼓

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欧州型HOゲージで遊んでいる話を中心にして何か呟いてみます

 皆さんこんにちは。

 

 すっかりやることがなくなり、ブログばかり書いています。でも、生産的なのでいいかもしれません。

 

 スイスの電気機関車を眺めておりますと、Re 6/6やらAe 4/7など、何を意味しているかよく分かりません。なので、調べてみました。

 

 ちなみに元ネタのサイトはこちらです。

 

 スイスの鉄道の場合、型式の規格が1887年-1901年、1902年-1989年、そしてそれ以降(UIC基準)と別れるようですが、今回は一番メジャーそうな中間の1901年-1989年までの命名規則のご紹介です。

 

<機関車の場合>

【基本構造】

 基本は5つの部分から構成されています。 例えば、スイスで有名なRe 4/4 II 機関車の場合だと・・・

  1. 系列記号:  R
  2. 駆動方式:     e
  3. 同軸数:        4
  4. 全ての軸数: 4
  5. インデックス: II

 では、それぞれの要素を見ていきましょう。

 

【系列記号】

 全部で10種類。大文字で記載します。

  1. A: 最高速度80km/h以上の標準軌機関車
  2. B: 最高速度70km/h~80km/hの標準軌機関車
  3. C: 最高速度60km/h~65km/hの標準軌機関車
  4. D: 最高速度45km/h~55km/hの標準軌機関車
  5. E: 入れ替え機関車、タンク蒸気機関車
  6. F: 電気機関車(1920年まで)
  7. G: 粘着式の狭軌鉄道機関車
  8. H: アプト式の機関車
  9. R: 高速度での曲線運転が可能でかつ最高速度110km/h以上の標準軌機関車
  10. T: 牽引車、無火機関車

 なので、メーターゲージのレーティッシュ鉄道の機関車はGで始まるわけですね。

 

【駆動方式】

 全部で6種類。小文字で記載します。いまいち概念が統一されていない気もしますが、以下の内容になるようです。

  1. a: 蓄電池
  2. e: 電気
  3. f: 無線操作(Funkfernsteuerungなのですが真意不明…)
  4. h: ラックレール(アプト式?)
  5. m: 燃料式(ディーゼル、ガスタービン)
  6. (なし):  蒸気

 

<電車型の場合>

【基本構造】

 こちらも基本は5つの部分から構成されています。 例えば、客車も載せられる動力車BDe 4/4 II の場合だと・・・

  1. 設備:  BD
  2. 駆動方式:     e
  3. 同軸数:        4
  4. 全ての軸数: 4
  5. インデックス: II

【設備記号】

 全部で14種類。大文字で記載します。複数の設備を有する場合は、上記のように組み合わせて使うようです。

  1. A, As: 1等車、もしくはコンパートメントを有する
  2. B: 2等コンパートメントを有する
  3. C: 3等コンパートメントを有する(1956年まで)
  4. D: 荷物室を有する(1962年より)
  5. F: 荷物室を有する(1961年まで)
  6. K: 貨物車(のちにKeとされた車両はすべてFeに変更)
  7. O: 開放式の貨物車
  8. R: 複数ユニットの110km/h以上で走行可能
  9. R, r (AもしくはBの後の場合): レストラン、ビュッフェ
  10. S: 特別コンパートメント
  11. ST: 自走式貨物(例:Cargo sprinter)
  12. X, V: 事業車両
  13. XT, VT: 自走式事業車両
  14. Z: 郵便コンパートメントを有する

 

【駆動方式】

 上記と同じになります。

 

 と、まあざっとこのような体系で名前がついているようです。そのため、SBB(スイス国鉄)とBLS(ベルン・レッチュベルク・ジンプロン)と異なる鉄道会社が持っている電気機関車でも上記の基準に従うと名前が同じになるモノが出てきたりします(例: Re 4/4など)。

 

 というわけで、ざっとですが備忘までにスイスの古い体系ですが、鉄道車両の型式命名規則を書いてみました。