東武鉄道 川越特急1周年記念乗車券 | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

東武鉄道が令和2年3月14日から発売開始いたしました、「川越特急1周年記念乗車券」です。

 

 

 

 

硬券3枚に、手すき和紙「小川和紙」を用いた表紙を兼ねるスタンプ帳が付属します。

 

 

 

 

 

セット内容の硬券で、いずれもTRC/とぶてつ黄地紋券で、発行日付はダッチング風の印刷となります。

 

◆小川町から池袋 準常備式片道乗車券

 

 

東武鉄道は準常備式乗車券とは縁遠い会社で、通常発売の硬券乗車券で見かける準常備式となる券は等級制時代の券が殆どで、モノクラス券も存在はしているものの極めて稀であり、これまでに原型がA型となる券しか見た事がありませんので、この券のように原型がD型となる準常備式乗車券は、通常発売時代の硬券には存在していないものと思われます。

 

 

 

 

 

◆池袋から 東武線820円区間ゆき 小児専用券

 

 

かつての通常発売の金額式乗車券の様式に準じた券で、この券は写植製版でオフセット印刷で印刷された券と見受けられますが、「小」の赤文字は活字製版券と同じフォントが引き続き用いられています。

 

 

 

 

 

◆朝霞台から 270円 地図式乗車券 小児専用券

 

 

 

着駅は東上線「森林公園」、「つきのわ」と越生線「越生」の3駅で、池袋方には該当運賃の着駅は存在しておりません。金額式乗車券では大人運賃が大きく記載され、小児運賃はその下に小さく記載されておりますが、この券には大人運賃の記載は無く、小児運賃のみの記載となっています。

 

「朝霞台駅」はJR武蔵野線「北朝霞駅」との乗換駅で、「川越特急」の池袋~川越間の唯一の停車駅となり、「朝霞台駅」の開業は武蔵野線「北朝霞駅」開業より1年4ヶ月余り後の昭和49年8月6日となりますが、東武鉄道の通常発売の地図式乗車券で社線内発着となる券は、等級制時代に発売が終了しておりますので、モノクラスとなってから開業した「朝霞台駅」では、地図式乗車券で社線内発着となる通常発売の券は存在していなかったものと思われます。

 

「朝霞台駅」の券を地図式とするのならば、池袋からの金額式乗車券も地図式にすればいいのに?と思いましたが、池袋から820円区間(小児410円)の該当する着駅は、「小川町」と「東武竹沢」の2駅しかありませんので、地図式にしても見栄えがしない?と考えられたのかどうかは判りませんが、個人的には一般式で「池袋から 小川町/東武竹沢ゆき」としても良かったように思います。

 

この記念乗車券の有効期限は令和2年4月30日までとなりますが、有効期間終了から約半年後の令和2年10月31日には、東武竹沢~男衾間に新駅「みなみ寄居駅」の開業が予定されており、「みなみ寄居駅」までの運賃は当面の間は池袋方面からは「東武竹沢」、寄居方面からは「男衾駅」までの運賃を適用すると発表されていますので、この券の有効期間に令和2年10月31日が含まれていたとしましたら、池袋からの乗車券を金額式としたのは「みなみ寄居駅」対策か?と深読みしてしまうところでした。