えいつも当ブログを御贔屓いただきまして、誠にありがとうございます。
おうちに居る時間が長くなると、テレビを見る時間も増えますね。
この外出制限の中で数少ない楽しみのうちの一つにテレビ大阪(テレビ東京系)のドラマ「浦安鉄筋家族」を見る、というのがあります。
浜岡賢次さん原作の同名の漫画を実写化したものになります。
ぶっ飛んだキャラと、ドリフのコントのように家を破壊するようなドタバタ劇で、とても実写化に向かないような内容なのですが、個性派俳優陣の怪演で原作の雰囲気をよく伝えています。
特に花丸木くん役の染谷将太さんは、大河ドラマ「麒麟がくる」を見てからこのドラマを見ると頭からクラクラするほど両極端で、「怖ろしい子!」と思わせてくれます。
問題は「国会議員」役をやはりあの人がやるのか。それとも「アントキの」などのそっくりさんを使うのか、が気になりましたが、予告編を見ると、どうやら真壁刀義さんのようですね。残念。
針の振り切った馬鹿馬鹿しさが、少しだけどんよりした気持ちをほぐしてくれるドラマですので、ご興味があれば一度ご覧頂ければと思います。
本日は、浦安にちなんだ車両ではありませんが、「浦安鉄筋家族」の舞台のような、関西の下町を走るこちらの車両のBトレインショーティーをご紹介致します。
阪神電気鉄道 5500系 です。
プロ野球、阪神タイガースの母体企業として有名な阪神電鉄ですが、鉄道会社としては元町-大阪梅田間を結ぶ阪神本線を中心に、なんば線、武庫川線の3路線を運営しています。
完全な都市間輸送路線で、観光路線の要素は阪神線に関してはほぼ皆無と言えます。
またこの神戸元町-大阪梅田間というのは六甲山系が海に迫った狭い平野エリアに、阪神と阪急・JRがひしめき激しいバトルが繰り広げられています。
しかし、阪神電鉄路線は他の2社と違い、もともと旧中国・西国街道沿いにあった集落を結んで作られた軌道線を出自としているため、現在でもカーブが多く駅間距離が非常に短い路線となっています。
3社が共有する大阪梅田から神戸三宮までの両駅を含む駅数は、JR神戸線が15、阪急神戸線が16、阪神本線はなんと驚きの32となっており、その駅間の短さが際立っているのがお分かりいただけるかと思います。
阪神電鉄では、そういった路線の性格上から、全体のスピードアップのために、短い駅間を細かく停まり歩く普通列車の加速・減速性能の向上に心を砕いてきた歴史があります。
阪神の普通列車はジェットカ-という愛称で呼ばれ、他社と比較しても並外れた加減速性能を備えています。
この5500系もそのジェットカーの仲間です。
それまでの阪神の普通列車は青胴車と呼ばれ、クリームと濃紺の配色を纏っていました。
この5500系は阪神大震災の直後、1995年の11月に被災した車両の不足を補う形で登場しています。
その際に、震災からの復興、新しい旅立ちをイメージして、長らく用いられてきた青胴車の配色から、ブルーを基調としながらもパステルカラーを用いた塗装に変更され、ジェットカーのイメージを一新しました。
今までよりも軽快な印象を受ける塗色です。
現在でも全車が現役ですが、5500系の進化系にあたる5700系の登場に合わせてリニューアル工事が進められており塗色の変更が行われています。
阪神電車は先にも触れましたが観光要素の薄い路線で、車両も技術が優れているものの、「詰め込んで送る」タイプの車両が多い印象がありました。
それゆえ鉄道友の会がその年の優れた車両に贈るブルーリボン賞・ローレル賞等に縁がなかったのですが、2016年に5500系の後輩、5700系が阪神電鉄としてはじめてブルーリボン賞を受賞しました。
受賞がすべてではありませんが、青胴車そしてこの5500系が紡いだ技術力が、ようやく賞に結び付いたことは阪神電鉄にとって感慨無量だったのではないでしょうか。
5500系のBトレを眺めつつ、阪神ジェットカーの歴史をもう少し勉強してみようか、という気持ちになりました。↑↑ご紹介済み車両をまとめた索引ページを設けました↑↑