前回

 

 

函館駅からは道南いさりび鉄道に乗った。かつてこの路線が江差線であった頃は、はまなすや白鳥で何度も往来したが、三セクに移管してから乗車するのは初めてだ。塗装は違えど、新路線の新型車両として走るキハ40のボックスシートを独り占め。2駅先の七重浜駅まで足を伸ばして、国鉄キハ特有の軽油と消毒液が綯い交ぜになった匂いを堪能する至福の時。

七重浜駅からは徒歩15分ほど歩いただろうか、目的地である、ききょう幼稚園が見えてきた。大の男が東京からはるばる幼稚園のために北海道に出向くというのは、そこだけ聞くと姑息な性的倒錯を通り越してもはや執念を感じてウケるが、当たり前だが目的は園児などではない。

 目の前に銀のエンブレムがあしらわれたあの見慣れた蠱惑的な国鉄特急顔が現れた。かつて室蘭本線や千歳線で走っていた781系だ。ここにはなんと1編成4両が置かれているのだ。当園の方に許可を得たので、さっそく見学をすることにしよう。

 

 かつて津軽海峡線の快速海峡号で使用された50系が3両保存されている。手描きのドラえもんファミリーが地味にコワい。サブリミナルに意識に働きかけて夢に出てきそうだ。の太とか完全に目がイっちゃってる気がするし。

しかし、保存車両に園児たちの落書きが全く無いのには驚いた。先生方が定期的に清掃をなさっているのかわからないが、塗装の自然剥離を除けばかなり綺麗な状態に保たれていた。

小生の園児時代は校舎の壁や遊具によくウ〇コとか〇〇ちゃん大好きとか書いていたクソガキだったので、幼稚園にしてこの綺麗さは少し理解がしがたいレベルだ。でももしかすると近くで見たら鉛筆でいろいろ書かれているのかもしれない。

 

 スイッチャーまでもが保存されていて驚いた。やはり特急電車に比べると子供達から人気は無いのか隅っこに追いやられていた。

一通り見終えたところで早々に暇を告げて幼稚園を後にする。本日の鉄道系の活動はこれで終了であるので一人家族の待つ湯の川にあるホテルへ向かったのであった。

 

次回、北海道の魚介を食らう。