マサテツ〜食べ鉄旅日記〜

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大井川鐵道の「ELかわね路 クリスマスエクスプレス」|第二の人生を歩む電車たち

鉄道コム

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大井川鐵道といえば「SL」が有名ですが、蒸気機関車以外は「電車」が走る電化路線です。今回は、SLが走らない日だけに特別に走る列車「ELかわね路号」と、全国の鉄道会社からやってきて第二の人生を歩む「普通電車」をご紹介します!

 

東急→十和田観光→大井川へやってきた7200系

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JR東海道線との乗り換え駅、大井川鐵道「金谷駅」。SLもELも、金谷の次の駅「新金谷駅」が始発なので、一駅だけ普通電車に乗車します。

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今日はいい天気。遠くに富士山が。わかるかなー?

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シルバーの車体が今風な「7200系」。東京急行電鉄(東急)から青森県の十和田観光電鉄にやってきて両運転台化・ワンマン化の改造がなされました。

十和田観光電鉄の廃線後、ここ大井川鐵道に譲渡され現在に至ります。つまり、第二ならぬ第三の人生を歩む電車なのです。

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あれっ、先頭は顔が違ってました。びっくり!こちらの方が本当の東急7200系の顔(さっきの平べったい顔は両運転台改造された時に作られたやつですね)。

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側面の行先表示、実はサボを取り替えているだけで、なんとも原始的。

ELとは電気機関車(Electric Locomotive)

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新金谷駅。今回乗車する「ELかわね路号」です!

ELは電気機関車の略称で「Electric Locomotive」の頭文字から「EL」って呼ばれてるんですね。

大井川鐵道には、井川線用を含めて4形式9両のELが所属、中でも大井川本線の旅客列車の牽引で使用されるのは2形式。そのうちの1形式、関東の「西武鉄道」からやってきたのが、今回の牽引機「E31形」です。

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1986年、ブルートレインや貨物列車の牽引で活躍した国鉄EF65形電気機関車を短くしたようなスタイルの電気機関車が西武鉄道の所沢工場で製造されました。E31形は、レール交換やバラスト交換のために運行される工事列車と、西武鉄道線内での車両の輸送で活躍しました。
西武鉄道での運用が終了した2010年に、E31形は4両あるうちの3両が大井川鐵道へやって来ました。整備にお時間をいただき、運用開始は2017年からとなりました。E10と共にSLの補機として運用されていますが、昨年は臨時急行列車として、今年はSLの代走として活躍してくれました。
「ELかわね路号」では単なるピンチヒッターではなく、主役として活躍してくれます。(大井川鐵道 公式HPより)

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この日は「クリスマスエクスプレス」として運転、オリジナルヘッドマーク付き。

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さらにさらに、お座敷車両と最後尾には展望車付きの豪華な編成!

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客車の車内はこんな感じ。ちょっと薄暗いのもまた、雰囲気があっていいですね。

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テーブルにはご丁寧に(笑)カイロが置いてありました。SLを連結しないと「蒸気暖房が使えないから」なんだって。

一路千頭へむけて出発!

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滅多に連結されない、お座敷車両。

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展望車では「クリスマスライブ」。

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列車は、雄大な大井川に沿って進んで行きます。
そうそう!今日は展望車が連結されてるから、デッキに出れば普段とは違った景色が楽しめます。

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茶畑から

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鉄橋を渡り

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トンネルへ。
SLだったら煤だらけになっちゃうから、EL急行の日だけの楽しみ方ですね!

トラブル発生〜救援機登場

順調に走ってきた「ELかわね路号」でしたが、ここでトラブル発生。

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川根温泉笹間渡駅を出たところの勾配で、落ち葉で空転してしまって、坂が登れない…

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なんとか坂を登ろうと頑張りますが、敢えなく停車。

しばらく経って、車掌さんからアナウンスが。
『川根温泉駅まで一旦戻って、再度登ります』
という事で、なんとびっくり展望車を先頭に川根温泉笹間渡まで後退。

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行ったはずの列車が戻ってきて、ホームのお客さんもびっくり。

これからどうなっちゃうのかなー。なんて思ってたら、再び車掌さんからアナウンスが。
『後ろに機関車を連結して、運転再開の予定です』

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救援機が来たー!!
おそらく新金谷から急いでやってきたのかな。茶色くて無骨な車体が頼もしい!
後部に「E102」を連結してプッシュプル運転となった「ELかわね路号」は、再び千頭駅へ向けて出発。

さっきまでの苦労がウソみたいに、勾配はスイスイ、途中もビュンビュンぶっ飛ばす

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救援機できた運転士さん、カッコいいなー。

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そんなこんなでトラブルもありましたが、約1時間遅れで無事「千頭駅」に到着しました。

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思いがけずやってきてくれた「E102」

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そして「E34」もお疲れさま!

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帰りは「E102」が先頭となった「EL急行」で新金谷駅へ。急遽プッシュプル運転となったEL急行を収めようと、沿線もカメラマンで賑わってました。

特急運用もこなした元南海のズームカー21000系

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新金谷から金谷まではシャトル列車が連絡。やってきたのは21000系。南海高野線の山岳区間にも入線できる「ズームカー」として活躍した車両です。

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南海当時は特急車両の検査時に代走で特急運用に入ることもあり、車内は転換クロスシートになっています。南海の花形列車だけあって、細かいところにこだわりを感じる豪華な作り。

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電車は終点の金谷に到着。丸形の種別板がまた、南海の当時を思い出させてくれますね。SLに限らず古い車両を大切に使い続けている、大井川鐵道。たまには「電車」にも注目してみてはいかがでしょうか。