甘木発11時02分の大牟田行きに乗車。
この列車は甘木線から天神大牟田線に直通し、その末端区間の普通列車の役割も兼ねています。路線ごとに画一的に区切って運行するのではなく、輸送実態・需要を鑑みて柔軟にダイヤを作成するのは、理にかなっていてとても素晴らしいと思います。列車は2両編成と短いですが、この区間では十分足りるとの判断でしょう。事実私が下車した西鉄久留米駅まで、多少の立ち客こそ出るものの、特に座席数が足りないという印象はありませんでした。
定刻に発車し、その時点では私を含め乗客はわずか3名と、いくら平日の昼前という閑散時とはいえ大手私鉄とは思えない乗車率でしたが、おかげでのんびり甘木線を満喫することができました。
宮の陣駅から天神大牟田線に入り、西鉄久留米駅には11時38分の到着。
福岡県南部筑後地方の中心で、人口約30万人の久留米市の西鉄における代表駅で、2面4線の構造を持つ高架駅となっています。久留米市内には数キロ離れた場所に、九州新幹線も乗り入れるJR久留米駅がありますが、その2倍以上の利用者を誇り、西鉄では西鉄福岡(天神)駅・薬院駅・大橋駅に次ぐ第4位。駅ビル『エマックス・クルメ』や地場百貨店である岩田屋久留米店などがあり駅周辺かなり賑わっていて、地方都市とは思えないくらい活気がありました。
ちょうど昼時ということで、駅ビル内の中華料理屋で昼食。久留米といえばやはり外せないのはラーメンですが、今夜再び博多駅構内でラーメンを食べる予定となっており、今回はパスします。店内はお世辞にもキレイとはいえなかったものの味は申し分なく、満腹になり店を後にします。
駅ビル遠景。
建物は少々古めですが、この写真からも活気が伝わるでしょう。
西鉄久留米発12時33分の大牟田行き特急に乗り、西鉄柳川駅到着は12時43分。フリーきっぷの効力はここまでなので、いったん下車します。
通路には雛人形が飾られていました。よく見るとつるし飾りになっており、これは『さげもん』と呼ばれるこの地独特の雛祭りの風習とのこと。行き交う人の多くが、写真を撮っていました。
駅舎は独特の形状。
水郷都市と知られ、年間120万人もの観光客が訪れる観光都市柳川の表玄関としてふさわしい、立派な駅舎で、個人的にはこのデザイン、かなり気に入りました。ちなみにここは『柳川』と名乗りながらも、平成の大合併以前は山門郡三橋町に位置しており、合併により晴れて名実ともに柳川市内の駅となったという珍しい歴史を持つ駅となっています。
柳川市のような、名所旧跡を持つ小規模の街を散策するのは旅の醍醐味の1つでもありますが、鉄道優先の私は、天神大牟田線に乗り、終点大牟田駅を目指すことにします。